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どうしても保存できない思い出がある

模写を諦めた日

記憶の中に染み付いている、
「ぷよぷよ」のあの独特な気持ちよさを、
自分の手元で再現することに挑戦していました。

実際に作り始めてみると、
本家の挙動がいかに細部まで計算されているかに気づかされます。

ぷよが着地した瞬間の弾み。
ぷよ同士の吸い付き。
連鎖がつながるテンポ。

それらを一つずつ実装していく作業は、
名画を模写しているような感覚でした。

しかし、どれだけ丁寧にトレースしても、
本家が持つ「完成された心地よさ」を完全に再現することはできませんでした。

長年愛されているゲームの壁は、やはり高い。

そこで途中から、方針を変えることにしました。
再現への執着を一度手放し、ルールの骨格だけを借りて、世界観そのものを別のものに作り替えてみよう。

そうして生まれたのが「LogicCore」です。

世界観を作り替える

舞台は、無機質なシステムの奥深く。
落ちてくるのはぷよっとした物体ではなく、
論理回路の断片です。

同じ色が4つ揃うと、
システムのどこかで何かが動き出します。
それは消えるというより、処理されていくような感覚。

連鎖を重ねると、システムの挙動が少しずつ変わっていきます。

最初は静かだった処理が、
やがて光やノイズになり、
制御しきれない動きに変わっていく。

タイピングのようだった操作感は、
いつの間にか、システムの暴走を抑え込んでいるような緊張感に変わっていました。

たまに、「Bad Sector」
と呼ばれる欠陥データが落ちてきます。
これは通常のブロックとは違い、完全には消えません。

処理された場所には、ノイズのような痕跡が残ります。
綺麗に片付くことはなく、ただ隔離されたまま残り続けます。


最初は本家を再現するつもりで始めましたが、
途中で気づきました。

本家にはなれない。
でも、本家とは違う快感なら作れるかもしれない。

そうして出来上がったのは、
システムの奥で何かが崩れ落ちていくような、
少しサイバーパンクな落ち物パズルでした。

私のiPhoneの中では今も、
壊れかけたOSが静かに連鎖を続けています。

【18 / 21】


これは、誰かに見せるためでも、リリースするためでもなく、ただ自分のために作った、私のiPhoneの中だけにある秘密のアプリの記録です。


ゲームの「気持ちよさ」に向き合った話はこちら▼

無限色のドット絵を整える話はこちら▼


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