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黄金樹は「仰ぎ見る」ためにそこに存在する~『ELDEN RING』のフィールド設計について~

 『ELDEN RING』の序盤でチュートリアルを終えて広いフィールドに出ると高台から眼前に広がるフィールドを見渡すことが出来る。

 そして、この最初に見える光景が巧みに設計されているのが本作を名作たらしめている大きなポイントである。

 とりあえず建物から出て真っすぐ進むと休息ポイントである「祝福」があるのだが、そこを起点に見える景色に、大小の目標全てが映し出されているのだ。

 まず手前にはとりあえずの小目標である朽ちた教会が見える。そこに行けば商品を売ってくれる商人もいるのでとりあえずそこを目指すのが良いだろう。

 そして左側の切り立った崖の上には厳めしい城が見える。ここは序盤の山場となるストームヴィル城である。多少の時間はかかるだろうが、近いうちに訪れる拠点だろう。

 そして画面右側の大きな面積を占める神々しい光を放つ巨大な樹木こそが、本作の大きな目標であり、物語の核心を担う存在である黄金樹である。

 『ELDEN RING』の黄金樹は一つの画面の中には納まりきらないほどに大きい、だからプレイヤーは黄金樹の存在を確かめようとする時、否応なく空を仰ぐ。エルデンリングの序盤は、プレイヤーに『仰ぐ』という行為を強制することで目標を神話化している

 さらにスクリーンショットの右下には、序盤の強敵であるツリーガードの姿も見える。初見の時点でただモノではない雰囲気ビンビンで実際恐ろしく強いのだが、スルーしてもかまわないというツリーガードの存在もまた、プレイヤーの目の前の風景の一部として存在している。

 この見たことのない幻想的で、美しいファンタジー世界を描くと同時に、極めてゲーム的な目標や動線、行動設計を頭の中で具体的に描けるということが『ELDEN RING』のフィールドを特別なものにしている。

 これに近い設計思想を持って作られているのは『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のフィールドだろう。

 この作品においても、序盤から最終目標、中目標、小目標が目の前のフィールドで一望することが出来る。そしてプレイヤーは大小さまざまな目標を自分の好きなように攻略することが出来る。

 現実と見紛うばかりのリアリティのある広大なフィールドを表現してきたオープンワールドというジャンルだが、この2タイトルの登場によって、広大なフィールドが存在することと、それをゲーム的に表現することの両立が可能であることが明らかになった。

 なのでこれ以降に登場するオープンワールドタイトルはただただ広大なフィールドを表現するのみならず、それをゲームとしてどのように解釈するかということも同時に問われているように思う。


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