食事編③食と心と体をつなぐ「スモールステップの作り方」
「食事のスモールステップの具体的な作り方」をまとめていきたいと思います。
🌼食への自己認知を深めるための7つの視点
「見た目の量」
「味」
「組み合わせ」
「形状、状態」
「匂い」
「本人の心と記憶」
「本人の身体の状態」
【見た目の量】
食事自体に意欲がなかったり苦手意識がある場合には、ぱっと見の印象がとても影響します。
各皿にほんの一口ずつ乗せて、おかわりしたり徐々にその子のペースで量を増やしていくと食べられることもあります。
『残す毎日』から『完食する毎日』になり、気まずい思いから、嬉しい時間に変わるのです。
それにより、食欲が増し、食べたいものから少しずつ量が増えていきます。
後半で詳しく書いていきます。
【味】
この記事でも触れたように、子どもが感じる味にはただの食べ物の味の好みというより『防衛本能』や『生存本能』が関わっています。
子どもによって、感覚の感じ方は異なり、辛くないようなものの中に辛味を感じ取ることができる子もいます。
『本人がどう感じているか?』が大切です。大人にとって、や多くの人にとってどう感じるかは関係ありません。
【組み合わせ】
苦手ではないものでも、組み合わせによって不快感を感じる子もいます。
例えばシャキシャキとモチモチを同時に食べると不快で、マカロニを全て食べ終えてからキャベツを食べる、料理そのものを嫌がる、などです。
ですが子ども自身がそれを認識していないと「これ食べない」という表現になりますね。
離乳食期では、初めから色々と混ぜない方が素材の味を感じられる、組み合わせの不快感を感じずに食べられる、ということもあります。
【形状、状態】
私は個人的にコーンフレークは半分くらい牛乳が染みているのが好きです。
私の知人はかなり浸ってふにゃふにゃのものが好きで、また別の友人は牛乳は別にしてバリバリ食べるのが好きだそうです。
このように、なんか嫌だ、なんか心地いいと思う食感がそれぞれにあります。
「ほうれん草が嫌い」だと思い込んでいた子はシャキシャキしたものが好きではありませんでした。ある時おひたしが出て、その子とともに好きと苦手を自己認知するスモールステップを重ねていた私は「あ!これふにゃふにゃだから食べられるかも?」と小さくして提案しました。
すると、食べることができて「このほうれん草のこの部分は食べられる」のステップを登ることができました。
【匂い】
大人がいい香りだと思う匂いも、匂いの種類で嫌がる場合と、匂いの強さに対して嫌がる場合もあります。ひとりひとり、本人にしかわからない感覚です。
【本人の心の状態と記憶】
すごく眠くて機嫌が良くない時に嫌がりながら食べたことがあるご飯があった時に、幼児期は因果関係を学んでいる最中なので、「あのご飯で嫌な思いをした」となることもあります。
それも、本人との対話でああかな?こうかな?を自己認知していくことがそれの予防とも、ときほぐすことにもなります。
【本人の身体の状態】
子どもの発する言葉、感じることの裏にはいつも
「生理的欲求」が関係してきます。
すごく眠くていつもご飯の意欲が出ないとなれば、園内のスケジュールを見直すとともに、家庭での様子をより詳しく伺う必要もあります。
目に見えず言語化されないことも踏まえて総合的に捉えていきたいですね。
以上の感覚が、子どもにとっては一言の
「これやだ」になることが多いので、
以下のスモールステップで、
感覚を細分化、言語化していきます。

苦手なもの、多いものが分からないときのスモールステップ5例
ここでは、本人が苦手なものをはっきり認識していない場面や、まだ保育士が把握しきれていない場面を想定しています。
❶食事のメニューを知って減らしたいものがあるか一緒に考える
❷食事のメニューを知り、食べられるかを予想して量を調節して食べてみる(必要によって保育者と対話しながら)
❸実際に設定した量を食べられた経験を言葉にしてフィードバックする
❹食べられなかった時には途中から減らしてもいい
(「食べてみてわかることもあるよね」「教えてくれてありがとう」
❺本来食べられる量よりも多すぎる、少なすぎる設定にしていると感じた場合は、「これは多すぎない?」「食べられたらまたおかわりしていいからね」と自己認知を促す
→食べられなかった場合、残す場合に「多かったのかな?苦手だったのかな? そっか、次出たら減らしてから食べていいからね」と伝え次に繋げる
🌟量の調節 ✖︎ 対話= 自己認知の高まり
🌼苦手なもの、多いものが分かっているときのスモールステップ
①完全に初めから無くしておく
②始めから減らしておく
③始めからおぼんに別添えする
④後から避けて無くす
⑤後から避けて減らす
⑥後から小さく刻む
⑦保育者や友達に見守られながら食べる
⑧その日の調子によってまた食べられなかったりしながら、揺らぎの中で食べられる姿が増えていく
これらのステップの、途中からでも、日によって戻っても、その子にとっての最善をいっしょに見つけていきます。

これらは私の実践に基づいたものですが、こども家庭庁の示すガイドラインにも沿ったものになっているので、時間があればこちらもご覧ください。【令和7年 こども家庭庁 児童福祉施設における食事の提供ガイド】
🔵何をどれだけ食べられるか?を対話の中で自己認知していく
🔵食への興味と自分の体を元気に保つことに対して内発的動機をもつ
それは甘やかしじゃない?
食べさせなければ食べられるようにならないんじゃない?のマインド編はこちら⬇️
不適切だなんてどうすればいいの?実践編はこちら⬇️
なかなか本には書いていない、保育を子ども主体にしたら起きること食事編⬇️
食事に関係するマネジメントの視点⬇️
