ガチ占い(スピリチュアルクレイジー)
わたしは過去ガチ占いを2回経験したことがある。1回目は神戸の奴隷編のとき。2回目も……神戸の奴隷編のときだ。わたしはどれだけ病んでいたのだろう。
まずは1回目の話から。当時住んでいた川ビルの一室が着火点となる。あのノイジーアパートだ。
ノイジーアパートの1階は美容室が入居していた。わたしは、自分が住んでいるアパートの1階で散髪をすましていた。美容室のクオリティはまあまあ。年上のお姉さんが経営していて、当時のわたしはそんなキャラでもないのに、髪を切っているあいだはお姉さんと会話をしていた。
あるとき、「すごくよく当たる占い師がいる」とお姉さんから話を聞いた。そのころわたしの母がスピリチュアルに傾倒していた全盛期で、わたしはスピリチュアルに反発しながらも、今思えば十分に影響を受けていた。
仕事もプライベートもうまくいっていなかったこともあり、よく当たる占い師の話は渡りに船だった。そんなキャラでもないのに、わたしの行動は迅速だった。お姉さんから教えてもらった電話番号にかけ、アポをとる。約束の日、神戸の雑居ビルの一室に向かった。
まあ、普通のおばちゃんだったと思う。おばちゃんの技は四柱推命だ。使う情報は生年月日。氏名の画数も使ったかもしれない。視覚的な記憶は「思ったより普通だった」くらいのものしかないが、強烈だったのは「6月、7月がやばい。死にたくなければ何もするな」の台詞だ。
あまりにも衝撃的だったため、それからの20年間ずっと教えを守っている気がする。逆に運気がよくなるのが「2月、8月」。料金は5千円くらいだったと思う。
2つ目の占いのほうが黒歴史。紹介者は自分の母。スピリチュアルに全力ではまっている人が推薦する占い師はいろんな意味でレベルが違う。
ど田舎で独自に占いを研究しているおじいさん。大地震も当ててしまうそうだ。生年月日の情報も使うが、氏名の画数を執拗に分析する。結果、総じて悪くはないが、わたしは✕✕歳のときに悲しい事故にあうことになった。
氏名の画数が変われば回避できるという。わたしは、おじいさんの指導のもと改名を目指すことになった。母もスピリチュアルクレイジーなのでそれを支持した。アホが集まるとろくなことにならない。
改名は、ハードルが高かった。この名前を実際に使っているという事実を積み上げる必要がある。驚いたのは大学の同級生だ。年賀状で、突然わたしの名前が変わっていたのだから。引越しじゃあるまいし、そんなやつは見たことない。
不幸中の幸いというか、わたしは面倒くさくなって改名活動をすぐにやめてしまった。わたしの手元にはないが、ミステリアスな年賀状だけが黒歴史の証人となっている。
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