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友だちを信じてはいけない 【その2】

場所:動物たちの国
登場人物:ンジェガ(ヒョウ)、ントリ(ネズミ)、ラマランゲ(呪術師)、ンヤレ(雄牛)、ンゴワ(イノシシ)、ンカムビ(レイヨウ)、ヒョウの妻、他。
採話者:ロバート・ハミル・ナッソー

Title image by Ashenso

友だちを信じてはいけない  【その1

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ヒョウは町に戻った。ネズミに来るよう、子どもを使いに出した。ネズミがやって来た。

ヒョウ「ントリ、最近、おまえ、うちに来ないな。どこに行ってたんだ?」
ネズミ「病気だったんだ」 
ヒョウ「今日呼んだのは、テーブルを囲んで食事でもと思ってな」
ネズミは遠慮した。「それはどうも。でもまだ具合が悪くてね。食べものがのどを通らない」 
そういうとネズミは去っていった。

ネズミがヒョウの家を訪ねたり、話をしに来たりするとき、家の中には決して入らなかった。入り口のそばの椅子にすわった。ヒョウは毎日ネズミを迎えにきた。ネズミはやって来た。しかし家の中には入ろうとしなかった。

ヒョウは心の中でこう言った。「ントリはオレの近くに寄ろうとしない、いつも入り口のところに座ってる。どうやってあいつを捕らえたらいいか」 考えに考えて、ヒョウは妻を呼んだ。「計画があるんだ、ントリを殺す。明日、オレは道で倒れる、おまえは屍にかける布でオレを覆うんだ。おまえはボロを着て、弔いのときにするように、灰をからだになすりつける。そして道に出て泣き叫ぶ。『ンジェガが死んだ、ントリの友だちのンジェガが死んだ!』 そうしてントリが友だちとして弔いにやって来たら、椅子をオレのそばに置け。そしてこう言うんだ。『友だちのそばに座っておくれ』 あいつが座ったら、オレが飛び出して、あいつを殺す」 妻が答えた。「そりゃいい考えだわ!」

次の朝、ヒョウは死んだふりをして、道に寝転がっていた。ヒョウの妻はボロボロの服を着て、顔に灰をなすりつけ、「ああ、ンジェガが死んだ、ントリの友だちが死んだ」と言って泣きながらネズミの住む村へと向かった。ネズミが妻に尋ねた。「だけどンジェガは何の病気で死んだんだい? 昨日見たけど、元気そうだった。で、今日になって死んだっていうのかい」 妻が答えた。「そうなんだ、ンジェガは病気なしに死んだ、ただ死んだんだ。いったいどうしてなのか。あんたを呼びにやってきた。友だちだったからね。だから男として、あの人のところに行って、ジャングルに屍を埋めるのを手伝ってほしい」 ネズミはヒョウの妻に同行した。すると、そこにはヒョウが屍のように寝そべっていた。ネズミが妻に聞いた。「これはいったいどういうことだ? ンジェガは本当に死んでるのかい?」 妻が答える。「そのとおり、言ったとおりのこと。ここにあんたの椅子がある、友だちのそばに座ってほしい」

ネズミは慎重さを崩さず、椅子に座らず、立ったままで泣き声をあげた。「ああ、ンジェガが死んだ、ああ、友だちが死んだ」

ネズミが妻に声をかけた。「ンジェガの妻よ、ンジェガは立派なやつだった。しかしあいつはあんたに言わなかったのかい、本当に死んだときは、習慣に従って合図を送るってことを」 妻は答える。「いや、何も言われてない」(ネズミは妻をだまそうとしてこう言ったのだ) ネズミはさらにこう言った。「ンジェガよ、生きてるときは友だちだったな。おまえは内うちの話として言ったよな、『このオレ、ンジェガが死んだときは片腕を上にあげる、それでオレが本当に死んだかわかる』とな。泣き叫ぶのはやめよう。ンジェガが死んでるか、試してみようじゃないか。ンジェガ、腕をあげて!」

ヒョウが手をあげた。ネズミは心の中で笑った。「ほらな、ンジェガは死んでやいない」 しかしネズミは言葉をつづけた。「ンジェガ、ンジェガよ、本当に死んだときはからだを揺するって言ったよな。揺すってみろ! もし死んでるならな」 ヒョウがからだを大きく揺らせた。ネズミが大声で叫んだ。「ああ、ンジェガは本当に死んでる。からだを揺すったからな」 妻が言う。「あんたが言ったように、本当に死んでるから、ここの椅子に座って。一番の友だちとして、そばに座ってほしい」 ネズミが言う。「そうだな、ちょっと待ってくれ。ちょっと行くところがあるが、すぐに戻ってくる」 道に寝そべっていたヒョウはこれを聞いて、ネズミの本心がわかった。「ントリはオレから逃げたがってる。オレはもう待たんぞ」 ヒョウはネズミを捕らえようとパッと飛び上がった。しかしネズミは敏捷で、素早く逃げ去った。ヒョウは猛スピードでビュンビュン飛び跳ねて追いかけ、もう少しで追いつくところだった。ネズミは巣穴に間一髪で飛び込んだ。しかし尻尾が外に出ていた。やって来たヒョウは尻尾を捉え、巣穴を見下ろした。

ネズミが巣穴から叫んだ。「わたしは捕まってなどないぞ。あんたがつかんでるのは木の細根だ」 ヒョウは尻尾を離した。ネズミが尻尾を引き入れた。そしてヒョウにやじを飛ばした。「はは、あんたは尻尾をつかんでいたんだよ。それを手放した。もうわたしを捕まえることはできないな」 ヒョウはカンカンになってこう言った。「この巣穴からどうやって出れるか、見せてみろ。おまえは永遠にそこから出てこれまい」

ー おわり ー

ヒョウの裏切りとネズミの二面性が対を成している話。死者を弔う儀式で、最も近い親族または最も親しい友人が、遺体から最も近い位置に座る権利をもち、死者の頭部を膝の上に乗せて看取る習慣がこの地にはある。

私の集めたムポンングウェの民話はどれも、リーブルヴィルという町(西アフリカ、ガボン)で、教養ある男女二人の語り部それぞれから直接得たものだ。

採話者:ロバート・ハミル・ナッソー

日本語訳:だいこくかずえ


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