【おせっかい不動産】東京の家を売りに行く、という名の「最高の思い出整理」に同行してきた話
「不動産の売却」って聞くと、普通はスーツを着た営業マンが難しい顔をして、数字と契約書を並べて、パパッと効率よく終わらせるものだと思われている。
でも、Happyがやっているのは「おせっかいすぎる不動産屋」だ。
ただ仲介して手数料をもらって終わり、なんてのはどこでもできる。それではHappyがやる意味がないし、そんな仕事は一番ダサい。
今回の「おせっかい不動産」の主役は、はっぴーの家で暮らすオロク親子(千恵子さん/ユッキーナさん)。
二人の人生の大きな節目に、ガッツリとおせっかいしてきた話を書き残しておきたい。
神戸の不動産屋、わざわざ東京・国分寺へ飛ぶ。
今回のミッションは、東京・国分寺で二人が長年暮らしていた一軒家を売却すること。
正直に言う。 わざわざ東京まで決済(ハンコ押し)のためだけに行くのは、めちゃくちゃめんどくさい。本来は委任状でもいいし、千恵子さん一人でもいい。
でも、こういう「効率が悪くて、時間がかかる、めんどくさいこと」の中にこそ、本当に大事なことが詰まってたりする。
単なる事務手続きとして行けば、それはただの「移動」。
だったら視点を変えて、丸ごと「最高の思い出巡りツアー」にリノベーションすることにした。
今回の旅の本質は「長年暮らしてきた家との最後のお別れ」。
「だったら娘さんも一緒に行きましょうよ!」 そう声をかけて、4人の濃厚な旅が始まった。
プロとして当たり前の「3割」、おせっかい「7割」
今回の物件売買、実は東京の業者に頼む選択肢もあった。
それを断ってHappyに頼んでくれたのは、「知らない人に愛着のある家を扱われたくない」「どうせなら良い人に買ってほしい」という、数字にはならない想いがあったからだ。
不動産決済を滞りなく終わらせるのは、プロとして当たり前の3割。
残りの7割は、親子の思い出に寄り添うこと。
東京での日々を大切に味わい尽くした上で、神戸に帰ってきた時に「今の暮らしも楽しいな」って思ってもらいたい。そんな、目に見えない価値を大事にする実験でもあった。
儀式としての「お別れ」と家族写真
出発の朝は6時半。
同行するスタッフが印鑑チェックをして、朝ごはんにおにぎりを握って新幹線で手渡す。



東京に着いて、まずは売却手続きを済ませる。
時刻は13時。
普通ならここで「お疲れ様でしたー!」と解散して、新幹線で帰るところ。
が、ここからがおせっかい不動産の本番。

まずは、思い出の詰まった家へ向かう。
更地にする予定のその場所で、あえて本人に鍵を開けてもらい、中を案内してもらった。そして最後に自分で鍵を閉めてもらうことにした。



これは単なる作業ではなく、感謝を込めた一つの「儀式」。玄関には、まるでお別れを惜しむように梅の木が綺麗に咲いていた。
そしてもう一つ絶対したかったことがあった。
それは「ご近所さんへの挨拶回り」。
時間をかけて一軒ずつ挨拶回りにつきあう。




物件の仲介なんて誰にでもできるけど、その人が紡いできた歴史や背景まで大切にしてこそ、おせっかい不動産が大事にしたいこと。
全てを終え、記念に撮った写真は、「家族写真」にしか見えない仕上がりになっていた。

「何を買うか」より「あそこで買いたい」
千恵子さんの強い希望で、昔よく行っていた国分寺の西武百貨店へ。
「売ってるものはどこでも一緒やん」なんて言うのは野暮だ。
本人にとっては「いつもの場所」で買うことに意味がある。
店先で千恵子さんが「鞄が欲しい」となった。
ユッキーナさんに「無駄遣いしたらあかん!」と釘を刺されつつも、ここでおせっかいが炸裂する。

元アパレル店員のアフロさんが、車椅子にかけても使いやすいサイズ、予算2万円以内という条件でガチ選定。実際に車椅子にかけて試したりして、最高の一品を選び抜いた。

食事で向かったのは「ピエトロ」。
「せっかく東京来たのにチェーン店やないか!」と突っ込みたくなるが、それが千恵子さんの「いつもの場所」。
ならば、そこは最高級レストランより価値がある。
夜は東京ドームホテルの部屋でケーキを食べながら、当時の思い出をゆっくり聞く時間を過ごした。



効率なんてクソ食らえな2日目
二日目はさらに予定が押しに押した。
午前中はG党ユッキーナ熱望のジャイアンツショップで、人気のカレンダーを探す。 アフロさんが「僕、人の買い物に付き合うのが好きなんで、気が済むまでゆっくり見ていいですよ」と伝えたら、この時点で予定が1時間半押した。

最後に向かったのは、お墓。
30代という若さで亡くなった息子さん(ユッキーナのお兄さん)に、どうしても手を合わせたかったらしい。


後ろでユッキーナは、お兄さんが好きだったタバコを一本吸った。
追悼の意味があるのか、ただ自分が吸いたかっただけなのかはわからない。
というか、どっちでもいい。
そこをハッキリさせるのも、やっぱり野暮である。

「情景」を遺すということ
買主さんは選べないし、これから更地になって、あの場所がどう使われるかも分からない。
でも、今回の里帰りで「思い出を整理」することはできたはず。
不動産を売る。 それは、単に登記簿の所有者を書き換えるだけの事務作業じゃない。
その人がその場所で紡いできた「情景」をも大事に扱うこと。 あくまで不動産の仲介は、その人と関わるキッカケであり、これからも関係性は続いていくからだ。
その人の暮らしや人生を、丸ごと面白がる。
そこまでおせっかいを焼き尽くして、ようやく「Happyのおせっかいな不動産屋」の仕事は完了する。
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