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【ぶんちゃんの連載③】赤いドレスと金婚式。ベッドの上だけでは味わえない、愛という刺激

【連載】
介護士のぶんちゃんがFacebookにアップしていた「看取りの記録」投稿。
それがめちゃくちゃ良かったのでnoteに残すことにした。 
 
ぶんちゃんは「スタッフ(介護士)」であり、
「入居者の家族」でもあり、
「ムスコの嫁(と姑の関係)」でもある。
 
元の投稿にちょっとだけ文言を追加したり、構成を変えたり、写真とかを追加しています。
ちょっとメンドくさそうな関係性を踏まえた上でどうぞ。

余命宣告を受けてから始まった、お義母さんのための「はっぴープラン」。

・山(夫婦共通の趣味)
会津(故郷・出会いの地)
結婚50周年(7月23日の金婚式)
ワンちゃん(愛犬コタロウ)

愛犬コタロウの「召喚」に続き、物語の第2章は「結婚50周年の金婚式」へと動き出しました。

「23日」がつないだ、奇跡のタイミング

本来、お義母さんたちの結婚記念日は7月23日。

でも、余命宣告を受けた私たちにとって、4ヶ月先はあまりにも遠い未来でした。

そんな時、不思議な縁が重なります。

「はっぴーの家ろっけん」の8周年パーティが、諸事情で3月3日から3月23日へと延期になったのです。

23日つながり。
…これは、このタイミングでやってしまいなさいってことかも!

そう直感した私たちは、周年パーティの中で「村松夫婦の金婚式」をサプライズ実施することに決めました。

魔法のような真っ赤なネイル

50年前の結婚式では、お着物だけだったというお義母さん。

「今回は絶対にドレスを着てほしい」と、私たちは真っ赤なウエディングドレスを用意しました。

式の前日、私は出店していたマルシェでネイルをしてもらいながら、ふと呟いていました。

明日、お姑さんの金婚式なんです。
爪を綺麗にしてあげたいけど、ここに連れてくるのは難しいかな……

すると、偶然同じ日に出店をしていたネイリストさんが「それなら!」と、マルシェの後にわざわざお部屋まで出張してくださったのです。

ドレスにぴったりな、鮮やかな赤のネイル。
その優しさが心に深く沁みました。

卓球、テスト、そしてシャンパンタワーの先の「主役」

3月23日当日、「はっぴーの家」の8周年パーティは、それはもう盛りだくさんでした。

・白熱の卓球大会
・ガチの学力テスト結果発表
・新人ホスト(スタッフ)によるダンス&シャンパンタワー
・卒業・入学のお祝い

そんなハッピーオーラ全開のイベントの締めくくりとして、いよいよ金婚式がスタート。

真っ赤なドレスに身を包んだお義母さんは、本当に綺麗でした。

大勢の方から「おめでとう!」の嵐。
温かい拍手に包まれて、会場は最高の幸せに満たされました。

拒んだ「チュー」に見た、お義母さんの生命力

この日のハイライトは、お義父さんからの「ほっぺにチュー」のシーン。

体調を心配していましたが、お義母さんは式の間、ほとんど目を瞑ることはありませんでした。

それどころか、お義父さんが顔を近づけた瞬間……!

なんと、細い腕をサッと動かして、3回も素早く遮ったのです(笑)。

これには会場も大爆笑。
ベッドの上で寝ているだけでは決して味わえない、心地よい刺激と高揚感。

何より、隣で照れくさそうに、でも本当に嬉しそうに笑っているお義父さんの姿を見られたことが、私にとっては一番の贈り物でした。

「今、この瞬間を生きている」

そんな力強いエネルギーに満ちた、最幸の金婚式になりました。

(つづく)

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