【ぶんちゃんの連載②】「余命2ヶ月」の宣告と、愛犬コタロウの召喚
【連載】
介護士のぶんちゃんがFacebookにアップしていた「看取りの記録」投稿。
それがめちゃくちゃ良かったのでnoteに残すことにした。
ぶんちゃんは「スタッフ(介護士)」であり、
「入居者の家族」でもあり、
「ムスコの嫁(と姑の関係)」でもある。
元の投稿にちょっとだけ文言を追加したり、構成を変えたり、写真とかを追加しています。
ちょっとメンドくさそうな関係性を踏まえた上でどうぞ。
〜
足の骨折がようやく治り、いよいよ退院。
そんな希望が見えた矢先に突きつけられたのは、あまりにも厳しい現実でした。
「大腸癌のステージ4です。余命は2〜3ヶ月」
「もし手術をすれば、その時間はもっと短くなるかもしれません」
主治医の言葉に、胸が締め付けられるような思いでした。
そこから、お義母さんの「お看取り」へのカウントダウンが静かに、けれど確実に始まったのです。
お義母さんらしい「最期」をデザインする
残された時間を、はっぴーの家でどう過ごしていくか。
私たちは、お義母さんのための「はっぴープラン」を練り始めました。
話し合いの中心になったのは、お義母さんの性格や、これまで歩んできた人生の足跡。
そして、長年連れ添ったお義父さんが「最後にしてあげたいこと」や「二人でやりたいこと」でした。
キーワードとして浮かび上がったのは、この4つ。
山: お二人の共通の趣味。
会津: お義母さんの故郷であり、お二人が出会った大切な場所。
結婚50周年: 2025年の7月23日が、金婚式の記念日。
犬: お義母さんが何より大好きだった存在。
お義母さんが病気になってからは、私の実家が里親として引き取っていた愛犬の「コタロウ君」。

お義母さんはずっと、彼のことを気にかけていました。
このキーワードを軸に、旅立つ直前までの奇跡のような物語が動き出したのです。
愛犬コタロウ君を「召喚」してみた
「体調が良ければ、いつか大阪までコタロウに会いに行かせてあげたいな……」
私がそうこぼした時、主治医の先生がさらりと言ってくださった言葉に、目から鱗が落ちました。
会いに行くんじゃなくて、ここにコタロウ君を連れてきてあげたらいいんじゃない?
病院や施設では「ペット禁止」が当たり前だと思い込んでいた私にとって、それは想像もしなかった提案でした。
はっぴーの家の社長に相談すると、これまた二つ返事。
犬?連れておいでよ!
うち、ブタもおるしな(笑)。
賑やかになってええやん。
喜ぶ入居者さんも多いと思うで!
その言葉に背中を押され、早速その日のうちにコタロウ君を「召喚」しちゃうことにしました!
食べちゃダメだよ、と言いながら
こうして始まった、お義母さんとコタロウ君の「ペットセラピー」な毎日。
お義母さんは、はっぴーの家にいるミニブタちゃんたちにも興味津々(?)でした。

「食べ物をあげたらダメだよ!」とスタッフが止めるのも聞かず、こっそり食べ物をあげてしまうお義母さん。
すっかりブタちゃんたちに懐かれてしまい、「もう、どうしよう」と困った顔をしながらも、どこか楽しそうでした。

自分自身は食欲が落ちていて全然食べないのに、コタロウ君には一生懸命ごはんを食べさせるお義母さん。
その姿を見ているだけで、周りにいる私たちまで心がポカポカと温かくなるのを感じました。
お義母さんの表情が、少しずつ、けれど確実に柔らかくなっていく。
「はっぴープラン」の第一歩は、愛犬との再会という最高の形で幕を開けたのでした。
(つづく)
※「はっぴープラン」とは?
はっぴーの家ろっけんにおいての、「ケアプランの上位概念」。
関わる人がより充実した日々を過ごせるようにすることを目的とした独自の取り組み。
例えば、「地域の居酒屋を回りたい」「飲み会がしたい」「会いたい人がいる」など、一人ひとりの大小問わない多様な希望に沿って、それを実現するための取り組みを随時実行。
はっぴープランを設定することで、周囲の人が「その人に対して何ができそうか」「どのようなことを喜びそうか」を考え、関係性を築くための「思考の材料」として機能しています。
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