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美山 田歌の祇園さん

2025年7月14日記

昨年『美山考』関連で、南丹市美山町の神社と行事について調べているときに、田歌の祇園さんが行われたことを知ったのは翌日の15日。今年は行き逃すまいとカレンダーの7月14日に「田歌の祇園さん」を早々に登録していた。

8:00頃に自宅を出発、美山町田歌には10:20頃に着いた。田歌集落の入口辺りに白いはっぴを着た人がいた。お祭りの見学に来たことを告げると車を停める場所を指し示してくれた。

車を降りると誘導してくれた地元の方が、当番の「宿」がこの先にある、そこで祭りの準備をしている、敷地内に入ってその様子を見ることができるなど、色々説明してくださった。

当番宿に行く途中の田んぼには稲が青々と育ち、谷筋を通ってきた風に合わせて、まるで海原の青い波のようになびいている。

写真だと分からないが稲が波打っていた

当番宿の玄関には奴が描かれた提灯が掛かっていた。
縁側が開放された建屋の周りにはカメラを手にした大勢の見物客が家屋内の様子を覗き込んでいる。

当番宿に掛けられた提灯

家の中では奴役の人が顔や手足に白塗りをし、年配の方が慣れた手つきで、奴の顔に黒や赤の墨?で歌舞伎役者のような派手な模様を描いている。

普段の生活の様子も垣間見れる広い間取りの各部屋では、大勢の人たちがそれぞれの役どころに応じた準備をされていた。

12:00 ちょうどに宿から八坂神社に向かって行列がスタートした。先頭は鬼の面をかぶった女の子二人で、先がほぐれた長い竹を引きずりながら歩いている。そのあとに天狗、神職、奴、ひょっとこ、お多福、樽負い爺、神楽太鼓が続き、奴の三人は所々で止まって「やとーせー、やとーな」と言いながら滑稽なしぐさの奴振りをする。芸能の原点を見ているようでほんと面白い。

奴の踊り

行列が八坂神社に着くと神職による神事が始まった。

美山考』で社寺の現地確認で八坂神社を訪れたときは、由良川沿いの大きな杉の木に守られるようにして佇む小さな静かな神社だったが、今日は大勢の人で賑わっている。

神事が始まる頃から、ものすごく涼しい風が神社を吹き抜けている。ここのところ猛暑続きだっただけに、ウソのような涼しさで、神さまが吹かせてくれているのかも、と思うほど^^

神職による神事が終わると、拝殿で神楽の奉納が始まった。行列をしていた役者たちが順番に拝殿に上がり、笛の音色に合わせて踊るようなしぐさで太鼓を叩く。所作にはきっとなにかの意味があるのだろう..

鬼の面をかぶり行列の先頭を歩いていた女の子二人もキレのよい所作で太鼓を叩いていた。ひょっとこ、お多福、爺が滑稽な踊りをして神楽の奉納は終わった。

当番宿に戻るところ

神社での行事を終え当番宿まで行列する役者たちを見届け八坂神社に戻ると、先ほどまでの賑わいが夢であったように、元の小さな静かな神社に戻っていた。

八坂神社

田歌を離れ、ふれあい広場横の定点観測地に寄った。

美山ふれあい広場横の定点観測

往路のコンビニで買っておいたパンで遅い昼食にしていると、祭りが終わるのを待ってくれていたかのように雨がポツポツ降りだした。
そして帰路の日吉ダム辺りを走る頃にはドシャ降りになっていた。

静かな山里の、小さな集落の人たちが 350年以上守り続けてきた祭りに只々感激し、涙腺を熱くしながら全ての行事を見入っていた。
今日は一年越しの思いを遂げることができ、ほんとに良い一日になった。

美山考』で神社や寺院で行われる行事を調べていると、その土地で暮らす人たちの手により守り続けられているものが多くある。できる限り現地で自分の目で見させてもらい、古くから続く日本の伝統文化を直接感じる機会を持ち続けていきたいと思う。


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