【#シロクマ文芸部7月③】呼ばれてはいけないよ
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
上記プラス、おばあさんが読み聞かせをするというスタイルを今年は取ることにしました。そのため、シロクマ文芸部のお題から始まる部分が読み聞かせとなり、その後に会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。
7月の物語1回目はこちら👇
7月の物語2回目はこちら👇
砂浜でならアレも追いつけないだろう……
そう考えたミチルは急いでその場を離れようとした。ミチルの家は砂浜のすぐ近くに建てられていたのだ。しかし、ミチルの足はピクリとも動かない。蛇口から出て来た目のないアレが動くことを拒否シテイルノカ?
「あああ……」
深夜二時になぜ私は起きたのだろう。子どもは起きちゃいけないって言われていたのに。ヒリつくほど乾いていたはずの喉はもう少しも水分を欲していない。
オマエハヨバレタ……
誰かが話しかけられる。アレが私の脳に直接話しかけた?床にペタリとはりついたままの足元からゾワゾワとした感覚が伝わって来る。
ミテハイケナイ
ミテハイケナイ
なにかが警鐘を鳴らしているのにミチルは顎を引き、視線を落とす。足元にはすでにアレが近づいてきている。ウネウネと左右に動く姿はミチルを飲み込もうとしているかのようだ。
ズズズ
もう少しでアレはミチルに到達する。
「ヒィィイ!」
思わず声が出たと同時に足が動いた。
逃げて!
母親の声が奥の部屋から聞えた気がした瞬間、裏口のドアを開け放ちミチルは砂浜を目指し、一目散に走り出した。
📚📚📚
「ま、まだ読むの?」
おばあさんの八の字の眉毛はどんどん下がり続けます。本当は、こんな怖い話ではなくてほっこりとするお話が読みたいのです。
「だめよ!おばあちゃん!」
「怖いものなしの特訓だよ!」
最初こそ怖がっていた孫2人ですが、すっかり話に引きこまれてしまったようです。目をキラキラさせて「続きは?」とねだってきます。
「きょ、今日はもうこれくらいで勘弁してぇ」
心臓がもうもたないと、おばあちゃんはお願いをしました。しかたがないなーゆるすぅと言ってくれた孫2人に「ありがとう」とお礼を言います。
「私の孫はとんでもなく強い子のようね」
と呆れた声を出すおばあさんに孫達はウフフと嬉しそうな声を出しました。
(つづく)
お題を使って好き放題にホラーを書きなぐっています。酷暑を吹き飛ばすホラーになれれば幸いです。
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
