「YouTube Premiumは高いのか安いのか」—— デジタルミニマリストが、それでもこのサブスクだけ解約しない理由
はじめに:サブスクを断捨離し続けた僕が、唯一手放せなかったもの
僕はここ数年、サブスクリプションを断捨離してきた人間です。
Apple Musicは解約しました。使いきれないクラウドストレージも解約しました。「なんとなく入ったまま」の動画配信サービスも、棚卸しをして整理しました。「本当に使っているか」「使っていない月があったら即解約」という基準で、月々の課金リストを何度も見直してきました。
デジタルミニマリストを名乗る者として、これは当然の行動だと思っています。自分が本当に価値を感じるもの以外にお金を払い続けるのは、お金だけでなく「その選択に使う意識のエネルギー」も消費します。余計なサブスクを整理すると、頭の中が少しすっきりします。
そんな僕が、YouTube Premiumの解約だけは、ずっとできていません。
これは負けなのか。意志が弱いのか。
いや、そうではないと気づいてから、この話を書こうと決めました。YouTube Premiumへの月1,280円は、損しているのではなく、意図的に払い続けている課金です。今回は、その理由を正直に書いてみます。
「広告」は時間の浪費ではなく、体験の断絶だった
最初に謝っておくと、この記事では「月1,280円でこんなに時間が節約できますよ!」という話だけでは終わりません。
確かに計算すれば出ます。僕の場合、1日に5本前後の動画を観ます。1本あたり広告30秒として保守的に見積もると……
30秒 × 5本/日 × 365日 = 54,750秒 ≒ 約15時間/年年間で映画7本分に相当する時間を、かつて広告に費やしていた計算になります。数字として見るとなかなかの衝撃です。
ただ、YouTube Premiumを使ってから本当に気づいたことは、15時間という「量」ではなく、体験の「質」が変わったことでした。
広告の問題は、時間を奪うことではありません。瞬間を断ち切ることが問題なのです。
いいドキュメンタリーの佳境で、広告が入る。感動するシーンのあとに、大音量のコマーシャルが続く。妻と一緒に観ていて「いいね」と言おうとした瞬間に、画面が切り替わる。そのたびに、その場に漂っていた空気が霧散します。
コンテンツとコンテンツの間に、自分が頼んでもいない「断絶」が挟まれてきた。YouTube Premiumを使い始めてから、これがいかにストレスだったかを逆算的に理解しました。動画をクリックした瞬間にコンテンツが始まる。それだけのことが、こんなに快適だったとは。
バックグラウンド再生:これ一本で元が取れると思っている
4つある特典の中で、僕が最も価値を感じているのがこの機能です。
スマホの画面を閉じても、音声が流れ続ける。
文章にすると地味すぎて伝わらないのが歯がゆいのですが、これは生活の使い方を根本から変えます。
皿洗いをしながら、ポケットにスマホを入れたままYouTubeを流す。散歩中、画面をオフにしたままポッドキャスト代わりに聴く。作業をしながら、好きなチャンネルの音声だけをBGM代わりにかける。デスクにスマホを置いたまま、手元の作業を続ける。
以前はSpotifyで音楽を流すか、YouTubeを画面つけっぱなしにするかという二択しかありませんでした。画面つけっぱなしはバッテリーが減るし、作業の邪魔になることもある。今はスマホを閉じたまま、YouTubeを「耳だけで使う」ことができます。
気づけばYouTubeがラジオになっていました。この感覚は、使い始めてからじわじわと日常に染み込んできた種類の変化です。
YouTube Musicについて、正直に書く
YouTube PremiumにはYouTube Music Premiumがセットで含まれています。これが見落とされがちな重要ポイントです。
YouTube Music Premiumを単体で契約すると月額1,080円。つまり、YouTube Premiumの1,280円からその差額を引くと、YouTubeの広告なし体験を月200円で買っている計算になります。もしSpotifyやApple Musicに別途課金しているなら、乗り換えるだけで課金総額を変えずに広告が消えます。
僕はかつてSpotifyに課金していましたが、YouTube Premiumに統一してSpotifyを解約しました。コストは実質横ばい、広告は消えた。これは今でも正しい判断だったと感じています。
ただ、正直に書きます。音楽体験そのものは、SpotifyのほうがUI・UXとして洗練されています。
プレイリストの自動生成のセンス、アーティストの関連提案の精度、アプリとしての使いやすさ。これらはSpotifyに分があります。YouTube Musicが勝るのは「YouTubeにしか存在するコンテンツ」——ライブ音源、非公式カバー、公式MVがそのまま聴けること。音楽を「とにかく流せれば十分」という使い方には問題ありませんが、音楽体験にこだわりがある方には物足りないかもしれません。
この点だけは、過大評価せずに書いておきたいと思いました。
オフライン保存が、夫婦のおでかけをちょっと豊かにした
ダウンロード保存機能は、旅行や外出のときに静かに活躍します。
妻とのドライブや旅行の前夜、「移動中に何か観よう」と動画を選んでおくのが、いつからかルーティンになっています。「これどう?」「それよりこっちがいい」というやり取りが、なんでもない会話のきっかけになります。新幹線の中、Wi-Fiがない環境でも、あらかじめダウンロードしておいた動画がそのまま再生できる。データ通信量を気にしなくていいのも、地味にありがたい。
ちょっとしたことなのですが、準備しておいた動画が「当日の移動の楽しさ」をほんの少し底上げしてくれる感じがあります。
YouTubeが、夫婦の会話の種になっている
これは課金前には予想していなかった効果です。
もともと僕にとってYouTubeは、イヤホンをつけてひとりで観るものでした。しかし妻と暮らし始めてから、位置づけが少しずつ変わってきました。
妻がつわりで体調が優れない日、ソファで横になっている隣に座りながら、一緒にゆるく動画を流す時間が増えました。「これ面白いよ」と画面を傾けて見せる、ただそれだけの時間が、案外いい夫婦の時間になっています。
そこに広告が入ると、その空気が途切れます。
大切な話をしている最中に突然テレビCMが割り込んでくるような感覚、と言えば伝わるでしょうか。感動するシーンのあとに大音量の広告が流れる。「いいシーンだったね」と言おうとした瞬間に画面が切り替わる。YouTube Premiumを使ってからは、そういった「断絶」が消えました。動画から動画へ、会話を止めることなく流れていく。地味な変化ですが、一緒に過ごす時間の質がじわじわと上がった実感があります。
もうひとつ気づいたことがあります。互いの視聴履歴が、会話のネタになるということです。
妻がひとりで観ていた動画を「これ見てみて」と共有してくることが増え、そこから趣味の話や、知らなかった相手の興味に発展することがある。YouYubeが「夫婦の共通の話題在庫」を増やしてくれている感覚があります。これは月1,280円の効果として計上していいのかどうかわかりませんが、確かにそういう変化がありました。
デジタルミニマリストとして、正直に向き合う
「YouTube Premiumに課金することで、YouTubeを観る時間が増えるのでは?」
課金前の自分もそれを心配していました。デジタルミニマリストとして、動画視聴時間が増えることは本末転倒なはずです。
結論を言うと、視聴時間は増えていません。むしろ、感覚としては減りました。
広告がなくなったことで「見終わったらすぐ閉じる」という行動が取りやすくなった、というのが正確な表現だと思います。広告が終わるのを待っている間に次のおすすめ動画に引き込まれる——このループが消えたことで、「観たいから観る」が純粋に成立するようになった気がします。
デジタルミニマリズムの本質は、「使わないこと」ではなく「意図して使うこと」だと僕は考えています。YouTube Premiumは、その文脈でむしろ正しい方向に働きました。体験の質を上げながら、視聴時間の無駄な膨張を抑えてくれている。サブスクを厳選してきた基準から言えば、これは残すに値します。
こんな人に向いている、こんな人は解約でいい
正直に分類します。
YouTube Premiumが向いているのは……
1日に動画を3〜5本以上観る習慣がある人
Spotifyなど音楽配信サービスに別途課金している人(乗り換えで実質コスト変わらず広告が消える)
バックグラウンド再生を活用できる場面がある人(家事・作業・散歩)
パートナーや家族と一緒に動画を観る時間が週に数回ある人
解約していい人は……
YouTubeを週に数回しか観ない人
観るのは主にテレビの大画面で、広告を飛ばして待つのが苦にならない人
音楽配信サービスを使っておらず、YouTube Musicにも興味がない人
Amazonプライム会員でPrime Video中心の動画生活が完結している人
シンプルに言えば、YouTubeをたくさん使っているかどうかがほぼすべてです。
まとめ:月1,280円は「体験のインフラ代」
高いか、安いか。
それはYouTubeをどれだけ使っているかによって決まる。これが最終的な答えです。
ただ、一つ付け加えたいことがあります。
費用対効果の議論をするとき、僕たちは「時間の節約」や「コストの比較」という軸で考えがちです。でも、YouTube Premiumが本当に与えてくれたのは、時間の量よりも体験の質でした。広告のない動画は、コンテンツそのものが変わるわけではありません。それでも、断絶がないことで体験の密度がまったく変わる。妻と並んで観るソファの時間が、少しだけ豊かになる。
デジタルミニマリストとしてサブスクに厳しい目を向けてきた僕が、YouTube Premiumだけは解約していない。それが、この記事を通じて伝えたかった答えです。
「使わない月が来たら即解約」という基準で言えば、使わない月がまだ来ていないので、今日も課金を続けています。
あわせて使いたい、YouTube体験を豊かにするガジェット
Fire TV Stick 4K Max
テレビのHDMI端子に挿すだけで、大画面でYouTubeをストレスなく楽しめます。YouTube Premiumと組み合わせれば広告も消え、リモコン一つで操作できるので、リビングのテレビが一気に快適な視聴環境に変わります。妻と一緒に観るなら、スマホの小さい画面より断然こちらです。
Bluetoothスピーカー(JBL Clip 5 等)
バックグラウンド再生との相性が抜群です。スマホをポケットに入れたまま、キッチンでも、お風呂場でも、ベランダで植物の世話をしながらでも、YouTube の音声が部屋のどこにいても届く。「音だけYouTube」を日常に取り入れると、使い方の幅が大きく広がります。
スマホスタンド
料理中・食事中の「ながら視聴」に欠かせません。手を離した状態でも画面を固定できるので、キッチンカウンターに置いてレシピ動画を観たり、夫婦でテーブルを挟んで動画を観たりするシーンで活躍します。フレキシブルアームタイプは置き場所を選ばないので一本あると便利です。
iPad mini
スマホより一回り大きく、ソファで二人並んで観るのにちょうどいいサイズ感です。YouTube Premiumはデバイスを問わず使えるため、スマホは手元に持ちつつ、居間の共用デバイスとしてiPad miniを置くスタイルが案外快適です。画面サイズが上がるだけで、体験の質が一段上がります。
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上記に一つでも当てはまる方がいたら、
なにかヒントが得られるかもしれません
僕のデスクセットアップで”ガチで”買ってよかったものをこちらで紹介しています。よかったら読んでください☺️
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