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改善は、部下だけがやることではない。

はじめに

先週、こう書きました。

「3ヶ月で改善が止まるのは、あなたのせいではない」

では、止まらせないためにどうすればいいのか。

今日はその答えを書きます。

先週のnoteも載せておきます。


問題は「やる気」ではなく「評価の構造」にある

改善が止まる理由の一つに、「上司の評価」があります。

多くの現場では、評価の軸が「生産数」「コスト」「納期」という大きな数字だけです。

でも改善活動の初期段階で変わるのは、そういった数字ではありません。

「不快感に耐えながら新しい手順を守り続けた」
「チェックシートを毎日埋めた」
「問題が起きた時に自分で考えて動いた」

こういった「地道な変化」です。

この変化を評価できる目がないと、 現場は「頑張っても評価されない」と感じて元に戻ります。

改善を続けさせたいなら、評価の構造を変えることが先です。


評価を「細分化」する前に、まずやること

では、どう変えるのか。

多くの人は「評価を細分化しよう」という結論に飛びつきます。
でも、その前に必ずやるべきことがあります。

「上司が何を求めているか」を言語化することです。

ここを飛ばすと、評価を細分化しても上司の納得感がありません。 どこかで「この評価基準は違う」というマイナスの声が出始めます。

私が現場でやってきた方法は、上司に問いを投げながら、 上司自身の口から「求めること」を語ってもらうことです。

「あなたはどんな状態になれば、この改善は成功だと思いますか?」
「現場に何が変わっていれば、評価できると感じますか?」

こうして引き出した言葉を、一緒に言語化していく。

上司が「自分で決めた評価基準」として納得した状態で、 初めて評価の細分化が機能します。

結果の評価(従来) 生産数・コスト・納期・品質

プロセスの評価(追加) ・新しい手順を守れたか ・問題を自分で発見して報告したか ・改善案を一つ以上提案したか ・チェックシートを継続して記入したか

この「プロセスの評価」が加わることで、 改善活動の初期段階にある現場が「ちゃんと見られている」と感じます。

さらに、上司の言葉で基準が作られると、 「この状況ならこの項目で評価できる」という 上司自身の自走も始まります。

部下だけでなく、上司にも納得感を持たせて進めること。

これが改善を続けるための最も重要なポイントです。


工数の「等価交換」を設計する

もう一つ、重要な視点があります。

改善活動が止まる現実的な理由の一つは「時間がない」です。

通常業務をこなしながら、改善活動まで求められる。 現場からすると「仕事が増えた」としか感じません。

これを解決するには「等価交換」の設計が必要です。

改善活動に使う時間を「業務の一部」として組み込む。

例えばこうです。

等価交換の設計例

  • 毎週金曜日の最後の15分を「改善報告の時間」として確保する

  • 改善提案を出した人は、その週の残業を免除する

  • 改善活動の時間を「作業時間」としてカウントする

「改善をやれ」と言いながら、時間を与えない組織では改善は続きません。

時間を与えることが、改善を「特別なこと」から「日常のこと」に変えます。


伴走の仕組みを作る

最後に、最も重要なことをお伝えします。

改善活動が4ヶ月目を迎えるまでの間、 現場には「外部エンジン」が必要です。

ここで一つ、重要なことをお伝えします。

伴走が必要なのは、現場(部下)だけではありません。

改善を受ける現場側も、お願いする上司側も、 両方が自走できるようになるまでは、必ず伴走が必要です。

どちらか一方が戻り始めると、もう一方も引っ張られて戻ります。 上司と現場、両方を同時に伴走しながら自走に導く。 これが改善を続けさせる上で最も難しく、最も重要なプロセスです。

私が現場で使ってきた伴走の仕組みは3つです。

①週次の確認ミーティング(15分) 「今週うまくいったこと」「今週困ったこと」「来週試したいこと」 この3つだけを確認する場を毎週設ける。 上司と現場、両方が参加することが重要です。 長い会議は不要です。15分で十分です。

②「小さな成功」を可視化する 改善の成果を数字で記録し、見えるところに貼る。 「先月より〇〇分短縮できた」という事実が、 現場の次の動力になり、上司の納得感にもなります。

③管理者が必ず反応する 現場から改善提案が出た時、必ず「ありがとう」「確認します」「こう対処します」という反応を返す。 反応がなければ、提案は止まります。 反応があれば、提案は続きます。

この3つが揃い、上司と現場の両方が自走し始めた時、 初めて伴走を外すタイミングが来ます


「改善が続く組織」と「続かない組織」の本当の違い

改善が続く組織と続かない組織の違いは、人の能力でも意識でもありません。

「改善が続く構造があるかどうか」です。

評価の構造が変わっていない組織では、改善は3ヶ月で止まります。 工数の設計がない組織では、改善は「余裕がある時だけやること」になります。 伴走の仕組みがない組織では、改善は「外部の人間がいる間だけ続くこと」になります。

逆に言えば、この3つの構造を整えれば、 改善は自然に続くようになります。

そして、最後に一つだけ。

改善は、部下だけがやることではありません。

上司も一緒に改善する。 上司が評価の仕方を変え、関わり方を変え、見方を変える。

上司と現場が両方変わることで、初めて本当の改善が進みます。 それが、改善の構造です。

人を変えようとしても、組織は変わりません。

構造を変えれば、改善は止まらなくなります。


最後に

2週間にわたって「改善が止まる理由」と「止まらせない方法」を書いてきました。

この2本を読んで「うちの現場もそうだ」と感じた方に、一つお伝えしたいことがあります。

改善が止まっているのは、現場の問題ではありません。 構造の問題です。

構造は、設計すれば変えられます。

あなたの会社の改善活動、まだ動かせます。


YEES FACTORY|治部康臣(やすにぃ) 製造組織の構造改革者

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