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あなたの正論が通らないのは、あなたのせいではない。

はじめに

あなたの職場に、こんな場面はありませんか。

会議で問題を指摘した人が、翌月から発言を求められなくなる。 改善策を提案した人が、「余計なことを言う人」として扱われる。 数字の矛盾を指摘した人が、「チームワークを乱す人」と陰口を叩かれる。

本人は何も悪いことをしていません。 むしろ、会社のために正しいことをしています。

それでも、排除される。

これは偶然ではありません。 構造的に、そうなるようにできているのです。


なぜ正論は「脅威」になるのか

正論を言われた側の心理を想像してみてください。

部下から問題を指摘された上司は、こう感じます。 「この問題を放置してきた自分の責任を問われている」

同僚からコスト削減の矛盾を指摘された管理職は、こう感じます。 「自分がこれまでやってきたことを否定されている」

正論は、相手の「これまでの判断の正しさ」を揺るがします。 だから、正論を言う人は無意識に「敵」として処理されます。

問題の中身ではなく、「正論を言ってきた人間」が問題にすり替わる。

これが、正論が封じられる最初のメカニズムです。


「言い方の問題」というすり替え

次に起きるのが、こうです。

「言っていることは分かる。でも言い方の問題だ」

この一言で、問題の本質は完全に消えます。

正論の中身ではなく、「正論を言った人の態度」が議題になる。 そして、こう結論づけられます。

「あの人は、正しいかもしれないけど、扱いにくい人だ」

こうして正論を言った人は、「能力はあるが問題のある人」として処理されます。 組織は問題の本質を直視せずに済み、現状維持が保たれます。

これは悪意ではありません。組織が自分を守るための、自然な反応です。


排除する側も、実は苦しい

ここで一つ、重要なことを書いておきたいと思います。

正論を言う人を排除する側の人間も、多くの場合、心のどこかで「あの人の言っていることは正しい」と感じています。

でも動けない。

なぜなら、正論を認めてしまうと、自分も変化のコストを払わなければならないからです。長年積み上げてきた判断や立場を、見直さなければならないからです。

だから「今は時期ではない」「もう少し様子を見よう」という言葉で、先送りにします。

これは個人の弱さではありません。 変化のコストを誰も払いたくない、という組織の構造的な問題です。


正論が機能する組織と、しない組織の違い

では、正論が正しく機能する組織はどう違うのか。

答えはシンプルです。

「正論を言った人が得をする構造」になっているかどうかです。

問題を指摘した人が評価される。 改善提案が歓迎される。 都合の悪い数字を報告した人が責められない。

この構造があれば、正論は自然に組織の中を流れます。

逆に、正論を言った人が損をする構造では、誰も正論を言わなくなります。 そして組織は、表面上は穏やかなまま、静かに腐っていきます


経営者に問いたいこと

製造業の現場で長く働いてきて、こんな場面を何度も見てきました。

正論を言い続けた人が異動させられる。 その半年後、その人が指摘していた問題が現実になる。 「あの時、もっと早く動いていれば」と、誰もが言う。

でも、その時点ではもう遅い。

経営者の皆さんに聞きます。

あなたの会社で、耳の痛いことを言ってくれる人は何人いますか。
その人たちは、正論を言った後、正当に評価されていますか。

正論が機能する構造を作ることが、経営者の本当の仕事だと、私は思っています。

人を変えようとしても、組織は変わりません。 正論が流れる構造を設計すれば、組織は自然に動き始めます。


最後に

正論が機能しない組織は、やがて「波風を立てないことだけに長けた人々」だけになります。

それが製造業にとって何を意味するか。 現場力が失われ、改善が止まり、問題が見えなくなる。

ではどうすれば、正論は機能するのか。

実は、正論が通らないのは内容の問題ではありません。 伝え方と構造の問題です。

15年以上の現場経験の中で、私が実際に使ってきた「正論を機能させる方法」を来週書きます


YEES FACTORY|やすにぃ

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