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日本の製造業は、個人の努力では復活しない。

はじめに

ある人の話です。

ラインの異音、工程の淀み、不良の出る前兆。
現場の問題点をいつも最初に指摘し、その指摘はいつも正しかった人がいました。技術に申し分はない。誰もがそれを知っていました。

でも、その人の上司になったのは、技術の分からない人間でした。

正しい指摘は「報告の仕方が悪い」と退けられ、改善案は理解できない人間の決裁で止まる。
やがて評価されるのは、設備に触れない、技術はあまり知らないが、説明のうまい人間になっていきました。

そして、その人は辞めました。
ラインが止まるようになったのは、その三ヶ月後です。

この光景を、15年間、数えきれないほど見てきました。

(※守秘のため、本記事の人物・場面は実在の複数の出来事を再構成しています)


物差しが壊れている

こういう話をすると、必ず出てくる反応があります。

「エンジニアも説明力を磨くべきだ」 「伝えられないのは本人の責任だ」

一理あるように聞こえます。私も昔はそう思っていました。

でも、15年現場にいて確信したことがあります。
これは個人の努力の問題ではありません。
構造の問題です。

技術を磨き抜いた人間に、さらに資料作成とプレゼンまで求める。
一方で、資料とプレゼンができれば、技術が浅くても上に立てる。

この評価の仕組みは、何を測っているのでしょうか。

技術を測っていません。説明を測っています。

物差しが壊れているのです。

壊れた物差しの上で、個人がどれだけ努力しても、測られるのは努力した方向とは別のものです。
腕のいいエンジニアから順に静かに去っていくのは、彼らが弱いからではありません。
壊れた物差しに、最も正確に「評価されない」と測定されてしまうのが、彼らだからです。

そして、これはエンジニアの評価だけの話ではありません。

技術も顧客もあるのに、継ぐ人がいなくて畳む工場。
会社は人を探し、人は会社を探しているのに、互いに相手の本当の価値を見極められないまま、すれ違い続ける市場。

全部、同じ形をしています。個々の現場は真面目に頑張っている。

壊れているのは、現場と現場をつなぐ構造の方です。


構造で壊れたものは、構造でしか直せない

壊れた物差しは、個人の努力では直りません。
1つの会社が改善しても直りません。

私はコンサルタントとして、目の前の会社を一社ずつ良くする仕事をしています。この仕事に誇りを持っているし、目の前の一社を全力で変える。それは変わりません。

でも、それだけでは日本の製造業は復活しません。

1つの会社を直すのは治療です。でも物差しそのものが壊れているなら、必要なのは物差しの作り直し、つまり産業の構造に働きかけることです。

そして構造に働きかけるには、志だけでは足りません。声を届ける規模、実例を示す規模、「技術がまっすぐ評価される場所」を現実に作って見せるだけの規模が必要です。

だから私は、コンサルで終わるつもりがありません。
目の前の一社から始めて、その先へ行きます。
方向だけははっきり宣言しておきます。

日本の製造業の復活

これが私のやりたいことの全部です。


なぜ、私が言うのか

当然の問いだと思います。

私は15年以上、製造業の現場にいました。図面の中ではなく、油と音のする場所で、改善をやってきました。だから、評価されないエンジニアの言葉が分かります。同時に、経営の言葉も現場に翻訳できます。

現場と経営、技術と経営判断、この間の「翻訳者」が、今の製造業には決定的に足りていません。

壊れた物差しが放置されているのは、悪意のせいではなく、両方の言葉を話せる人間が少ないからです。

私はその翻訳者として、この壊れた構造の側に立つことに決めました


同じ景色を見たい人へ

最後に、これだけは言わせてください。

製造業は、かっこいい。

異音で不調を聞き分ける耳も、コンマ数ミリを指先で当てる感覚も、止まらないラインを設計する頭脳も、本来なら子どもが憧れていい仕事です。
それが「評価されない」「継げない」「食えない」の三重苦で、かっこ悪いものにされている。

私はそれがどうしても我慢できません。

この記事は、売り込みではありません。

覚悟と宣言です。

腕があるのに測られてこなかったエンジニア。
技術と社員を残したいのに出口が見えない経営者。

この景色に心当たりのある方は、フォローして、時々私の言葉を覗きに来てください。

そして、思うことがあればコメントで教えてください。

物差しを作り直す仕事は、私一人では終わらないので


YEES FACTORY|治部康臣(やすにぃ) 製造組織の構造改革者

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