外為特会の基礎㉕:特別会計における剰余金と積立金の関係
今回は前回の続きになります。前回、外為特会が一般会計に繰り入れる部分について数値についてみました。次に、積立金があったときについてみてみたいとおもいます。
まず、外為特会は、介入に伴う外貨を管理するために設立されました。もっとも、その目的に鑑みると、単年度の会計はあわず、「資金」を通じて管理しています。そこでの運用等により得られる歳入と歳出の差、すなわち、剰余金(利益)を現在、7割、当初予算ベースで繰り入れています。
もっとも、そもそも「資金」が生んだ剰余金を、積立金とすることは認められています。小村「予算と財政法」では下記のように説明しています。
一会計年度内に支出せず、剰余金のうち必要な金額を積立金として積み立て、一般の現金と区別して保有、運用される「特別の資金」を保有することが、円滑かつ効率的な財政運営に資するとの考え方の下、各特別会計の性質に応じて、積立金等(その名称が積立金、国債整理基金、雇用安定資金等様々であることから、「積立金等」という。)を設置することが定められている(p.390)。
下記が2013年度における「特別会計ガイドブック」における外為特会のポンチ絵ですが、外為特会が得る歳入と歳出の差である剰余金(利益)が、①一般会計だけでなく、②積立金にも積み立てられるということがわかります。

このように積立金を置くこと自体はできるわけですが、2000年代後半から、埋蔵金問題が問題視されたことを受けて、最終的に、2013年の改革を受けて、外為特会については積立金がなくなったというわけです。
剰余金と積立金の事例
今回は上記を前提に、特会や資金の理解を高めるため、積立金があった場合の事例を取り上げます。今回は積立金の部分を見たいということなので、(改革がなされる前の)平成24年度の予算を考えます。平成24年度予算には、その前年の平成23年度の見込み額を用います。下記をみると、平成23年度の予定額は2.19兆円になります(フォーマットは今と変わらないようです)。

下記では、注記で「平成23年度において生ずる決算上の剰余2,191,668,808,238円については、「特別会計に関する法律」第80条第1項の規定により、219,166,880,824円を積立金として積み立て、残額 1,972,501,927,414円を同法第8条第2項の規定により、平成24年度の一般会計の歳入に繰り入れることとしている」と説明しており、積立金と一般会計に繰り入れられていることがわかります。

また、積立金の水準については、下記の資料の注記で、「外国為替資金特別会計においては、「特別会計に関する法律」第80条第1項の規定により、「外国為替相場の変動、市場金利の変動その他の要因を勘案し、同会計の健全な運営を確保する ために必要な金額」を積立金として積み立てることとしている。この積立金に必要な金額としては、外国為替相場や市場金利の変動等があっても、保有外貨資産に発生する評価損を概ね下回らない水準であるところの保有外貨資産の100分の30が目安となり、中長期的にはこの水準まで積み立てることが望ましい(中長期的な積立金額の目安となる水準は、具体的には各年度 末における円貨貸付金、外貨預け金、外貨貸付金、金地金、外貨証券、特別引出権、外国為替等評価損及び外国為替等繰越評価損の金額の合計額から外国為替等評価益及び外国為替等繰越 評価益の金額の合計額を控除した金額に100分の30を乗じて計算する。)」と説明されています。

このようにしてみると、
①現在の方法の場合、剰余金が生まれた際、7割を一般会計に入れて、残りを翌年度の歳入に入れるのかという現在の方法に対し、
②積立金がある場合、剰余金が生まれた際、積立金が一定額になるように一定額になる分だけ繰り入れる一方、残りは一般会計に繰り入れる(あるいは翌年度の歳入に繰り入れる)、
というルールと整理できる印象がありました(ここについては必要に応じて加筆・修正します)。なお、積立制度の詳細については下記をご覧ください。
今回も簡単なメモですが、必要に応じて加筆・修正します。なお、これまでの内容は下記にまとめていますので、こちらをご参照ください。
