たった一日だけの友情。異国の地ハルシュタットで手に入れた、旅が生み出す奇跡の時間【はびnote】
今回の旅は、ヨーロッパを旅した時の、ちょっとしたエピソードをご紹介しちゃいます!
旅のスタートは、オーストリアの西、ドイツとの国境にほど近い街、ハルシュタットから。
旅は偶然の出会いに満ちている
ザルツブルグの駅前。
外はあいにくの微妙な天気だった。
気温もそこまで高くはなく、まぁでもこんなもんだろう…その程度の感想しか持っていませんでしたね。^
ここから長距離バスのチケットを買って、向かうは世界一美しい湖畔の街、ハルシュタット。
まさに映画のワンシーンどころか、ことあるごとに出てくるような、そんなシーンだらけの美しい景色が広がっている街です。
無事バスチケットを買い、一路経由地のバート・イシュルへ向かいます。
後から知ったのですが、バート・イシュルはヨーロッパ人の休息地のような立ち位置らしく、バカンスに訪れる人が多いそうですね。
ただの乗り継ぎのためだけに来たものの、興味深い話を知りました。
バート・イシュルへは、ザルツブルグから150番のバスに乗り、1時間半程度で着きます。そこから電車に乗り継ぎ、ハルシュタットへ向かう流れです。
バスに揺られ、ほどなく、何事もなくバート・イシュルに着きます。
それにしてもバスに揺られていると、なんとも言えない旅情感を感じられますね。
旅の醍醐味ってやつでしょうかね。
ここで、この旅の根幹をなす、とある出会いをします。
僕はバート・イシュルの駅で、無事にハルシュタット行の電車のチケットを買うことができました。
そこで、手持無沙汰に出発を待っていた時のこと。
ひとりの青年に声をかけられました。
聞けばどうやら韓国人だそうで、ハルシュタット行の電車について聞いてきたんです。
「Excuse me… Do you know how to buy a ticket?」
たぶん、こんな感じで聞かれていたと思われる。
英語がへたっぴな僕でも、まぁ意味は分かった。
僕は必殺のボディーランゲージで買い方を教え、多分この電車だよ…と伝えてみた。
合ってるのかと言われると知らんけど、結果的には合っていた。
異国の地で、旅人で、切符ひとつでこんなに手間取るというね。
これもまた旅の醍醐味ってやつかもしれない。
旅人同士の連帯感
無事切符を買った韓国人の青年と、行く先が同じってことで一緒の電車に乗ることになったわけですけど。
聞くと、彼は今現在イギリスに留学中で、観光でヨーロッパを回っているそうだ。
すげー国際的だなぁ…
と、これからも何度も思い知らされていく事実だけれど、まずは軽いジャブをここで打たれたって話だ。
彼はハルシュタットへ向かったと、そこからオーストリアの首都、ウィーンを目指すらしい。
具体的にウィーンで何をするのか聞かなかったなぁといまこうして書いてて思った。
まぁオーストリアと言えば音楽なんだろうから、その辺なのかもなぁと今ふと思う。完全な偏見だけどもね。
けど、旅の出会いなんてこんなもん。
一期一会ってめちゃくちゃ大切だと思うんですよ僕は。
ただこうして、一時を共有するだけの。
旅の目的地がそれぞれ違くても、こうして同じ電車に揺られる時間がある。
それがまたいいんだぁ(いいんだおじさん
湖の脇を走る電車は、徐々に白銀に染ま山脈と、静かな湖畔が広がるハルシュタットへ近づいていく。
それにつれて、風景は幻想的になってきた。
もうすでに、中世ヨーロッパを舞台としたよくあるRPGゲームの世界に居るようだ。
宿を取っていなかった問題
実はこの時、僕は宿を取っていなかった。
行ってから考えよう…という、最高のポジティブ人間だったのだ。
今までもそうしてきたから、今日も行けるだろう…そんな軽いノリ。
そうこうしているうちに、ハルシュタット駅に到着。
雪が降っていて寒い。ダウンジャケットを着ていないと凍える寒さだ。
僕たちはここからボートに乗って、対岸にある、世界で一番美しい湖畔の街に向かう。
それにしても。
ヨーロッパの、いかにもな雰囲気が醸し出されている山間にある、美しい湖の上をボートに乗って移動している。
このシチュエーション
「酔う」
痺れる酔い具合だ。
もうね、異世界転生って、本当にあるんじゃないか? それぐらい、絶対的な非現実。
いや、ここも現実なんだろうけど、それにしたって、自分が知っている世界と違いすぎるんです。
そらもう酔うに決まっています。
まぁもっとも、若干船に酔ってたりもするのですけれどもそれはご愛敬。
そうこうしているうちに、対岸に到着。
いざ宿をとろうじゃないかと、インフォメーションセンターに向かおうとする。
実は宿をとるのに、それぞれの街にあるインフォメーションセンターで相談する、というやり方をずっと取ってました。
ところが、ここで事件が。
「空いてない」
インフォメーションセンターが空いてないんです。
場所は確かにここで合っている。
でも扉が閉まってる。
てか、明かりがついてない。
いや、やばくない? まさか閉まってるとは。
え、どうする自分?
どうも、休みらしいんです、ここ。
おいおい、休みなんてあるんかよ!と思いつつ、ここは非現実の世界。
そりゃ日本とは違いますよって話。
流石に焦ります。
それをここまで付き合ってくれた韓国人に言うと、
「僕が泊まる予定の宿に来なよ!」
という天の声が!
まじで、まーーーじでありがたい。
で、その宿に行ってみると、運よく空室が!ってか、ガラガラだった笑
「助かった…」
僕の心声が漏れた瞬間でしたね。
確かに旅にトラブルはつきものなのは面白いからいいんですけど。
宿関係のトラブルは結構厳しい戦いになるんですよね汗
正直この奇跡には感謝せずにはいられませんって。
おお神様仏様、僕はもっといい子になります!
小さな街での再会
無事宿も確保できた僕たちは、一路街を観光することに。
まぁ折角なんだしと、一旦別れて行動することにしました。
とはいえ、小さな街です。
すぐにばったり会ってしまいます。
僕たちはバツの悪い顔をしつつも、じゃあ一緒に回ろうか…という話に。
そこからは、湖畔のすぐわきにある可愛い雑貨を覗いたり、街ブラをしたり、店先で謎のポーズの写真を撮ったりと、異国人同士の気ままな時間を過ごします。
しかしそれにしても寒い。
ここって標高どれぐらいあるんだろうな。
そんなことも、ぼんやりと頭に浮かべながら、この街のことを考えます。
実はこの街は岩塩で栄えた街で、その豊富な資源が街の発展に寄与したそうです。
なにしろ「ハルシュタット」という言葉自体が、ケルト語で塩を意味する「Hall」とドイツ語で場所を意味する「statt」で構成されているようで、その名の通り塩の場所てわけですね。
1997年にはハルシュタットとその周辺地域は、
「ザルツカンマーグート地方のハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観」
というユネスコの世界文化遺産に登録されました。
そういった歴史的背景があるからこそ、こうして僕らのような観光客が一度は訪れたい街となっているのかもしれませんね。
夕食と異文化交流
街遊びが終わり夜。
僕たちは宿の食堂—いかにもな雰囲気があるーで食事を取り、部屋に戻ってきます。
片手には地元のビール。
「Das Bier(ダス・ビーア)」
というらしい。
を抱えていました。
ハルシュタットの地ビール「Das Bier」:ハルシュタットには地元で醸造された「Das Bier(ダス・ビーア)」というビールがあります。飲みやすく、ビール瓶にはハルシュタットの文字が刻まれており、お土産としても人気です。
それを飲みながら、(味は忘れたけど、飲みやすかった記憶があります)お互いの国のことをつらつらと語ります。
もう覚えていることと言ったら野球選手の話で盛り上がったぐらいでしょうか。
どちらかというと、彼からの日本に対する質問が多かったですね。
てか、僕は韓国のことをさっぱり知りませんでしたから。
でもこうして異国の地で、さらにそれぞれ違う異国人が語らうってのは、また一つの旅の醍醐味ですよね。
そんなこんなで、旅疲れもあったのか、気付けば二人は寝ていました。。
さよならなんていわないよ。旅の終わり、そして…
翌朝、彼はウィーンへと向かいました。
「またどこかで!」
ハルシュタット駅でそう挨拶したと思います。
僕の旅の哲学の一つに、さようならという言葉はありません。
いや、旅って言うか人生の哲学というか。
さようならということばには、永遠の別れの意味が込められている気がするんです。
でも僕たちはこうして地球上のどこかにはいる。
どこかで繋がっていると思うんですよね。
確かに今この瞬間目の前にはいないけど、旅を通してお互いの経験を共有したことは、その後の人生に大きな影響を残します。
ほら、僕もこうしてその時のことを覚えていますでしょ?
こうして語れていることこそが、僕は大切だと思うんです。
だからこそ、さようならではなく、「またこの地球上のどこかで」は、深い意味を持ってくると思うんです。
そんなことを考えながら、僕はザルツブルグへ戻るため、電車に乗り込みます。
彼はウィーン行の電車へ。僕の目的地とは真逆の方向。
彼が乗る電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出した。
向こうも手を振っていた……気がする。
まさに、出会いがあれば別れがある。
でもそれは、永遠の別れじゃなくて、どこかで何かが繋がっている。
そう信じている自分がいます。
またこれも、旅の醍醐味ってやつですね。
あ、そうそう。余談なんですが。
実は別れ際に連絡を交換してました。
後日、日本に帰国した後、メールを送ってみたんです。
……
まぁお察しの通り。
当然音信不通笑
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