二代目が最初に壊すべき「属人化」の正体
二代目として会社を引き継いだとき、
多くの人が最初にぶつかる壁があります。
それは、
「どこから手をつければいいのか分からない」という問題です。
売上を上げるべきか。人を育てるべきか。仕組みを整えるべきか。
どれも正しい。だからこそ、動けなくなる。
私は、この問題には順番があると考えています。
最初にやるべきことは、能力を上げることでも、努力を増やすことでもありません。
構造を分解することです。
その切り口が、「属人化」です。
属人化は3つに分けて考える
属人化という言葉はよく使われますが、一括りにすると、何も解決しません。
実務的には、次の3つに分けて考えます。
① 判断の属人化
・発注の最終判断
・値付け
・売場の変更
こうした重要な意思決定が、特定の個人の感覚に依存している状態です。
この問題はシンプルです。「再現できないこと」。
同じ状況でも、人が変われば結果が変わる。これは組織としては不安定です。
② 業務の属人化
・特定の担当者しかできない発注
・ベテランしか組めない売場
・一部の人しか分からない業務フロー
一見すると“強み”ですが、実態はボトルネックです。
その人がいないと回らない。これは、拡大も改善も止まる構造です。
③ 関係性の属人化
・特定の人しか話せない取引先
・長年の関係で成立している仕入れ
これも見落とされがちですが、崩れると一気に会社が揺らぎます。
なぜ属人化はなくならないのか
ここが本質です。
属人化は、単なる「悪い習慣」ではありません。構造的にそうなる理由がある。
実際の現場では、こんなことが起きています。
・業務を教えない
・やり方を見せない
・仕入れや売場をブラックボックス化する
さらに進むと、
・自由にやらせた方が売れる
・仕組みに従うと売上が落ちる
といった声が出てきます。
場合によっては、あえて成果が出ないような動きに見えることもあります。
これは人の問題ではない
ここで「性格」や「やる気」の問題にすると、失敗します。
本質は別にあります。
「評価」の問題です。
評価軸が歪むと何が起きるか。
・再現性より“当てる力”が評価される
・共有するより“抱え込む”方が得になる
するとどうなるか。
共有しない方が有利になる。
結果として起きること。
・業務が見えなくなる
・人に依存する
・会社としての力が蓄積されない
そして、頑張るほど歪みが大きくなる。
個人最適と組織最適は違う
ここで一度整理が必要です。
優秀な個人は、自由にやらせた方が成果を出すことがあります。これは事実です。
しかしそれは、組織として最適とは限らない。
・個人:短期的に成果を出せる
・組織:再現できず不安定になる
このズレが、二代目を苦しめます。
ここまでで分かること。
・属人化は自然に発生する
・個人の問題ではない
・評価構造の問題である
つまり、努力や気合いでは解決しない。
では、どうするのか
ここから先が、本当の難所です。
現場では必ず、「人」の問題にぶつかります。
特に難しいのが、年上の古参社員の扱いです。
・部下として機能するのか
・独立した役割を持たせるのか
・組織から外すのか
さらに、
・給与をどうするか
・役職をどうするか
・会議に参加させるのか
こうした判断を誤ると、組織は一気に不安定になります。
ここから先は、考え方ではなく設計の問題です。
感覚ではなく、明確な判断基準と進め方が必要になります。
次の有料記事では、
この「古参社員問題」について、
・残すか外すかの判断基準
・スペシャリストとしての設計方法
・給与・役職・会議の整理
・実際の面談の進め方
まで、実務レベルで整理します。
▼ 次回へ続く(有料記事)
▼私が「評価と仕組み」を間違え、古参社員を暴走させた教訓
「自由にやらせた方が売れるんだ!」
仕組み化を進めようとする私に対し、古参社員たちはそう言って激しく抵抗し、時には意図的に売上を落として見せるような動きすらありました。
当時の私は、この記事で書いたような「評価の歪み」や「属人化の構造」を理解しておらず、彼らを押さえつけようとしてしまいました。
経営者が「人」の壁から逃げたとき、会社に何が起こるのか。
23歳で会社を継ぎ、古参社員との対立の末に自己破産に至るまでの全記録を、以下の【実録マガジン】に包み隠さず書き残しています。組織改革に行き詰まっている経営者の方は、ぜひこちらの軌跡をお読みください。
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