「みんなに内緒だよ」の続き。長女だけが抱えていた、小さな気持ち
子どもが小さいころに言った言葉が、大人になってから、まったく違う形で返ってくることがあります。
今回のお話も、そのひとつ。
「あなたがいちばん好き」
そんな“ひと言”に、3人がどんなふうに反応していたのか。
私は最近になって、ようやく知ることができました。
同じ言葉なのに、受け取り方は三者三様。
そして、長女だけが抱えていた“小さな気持ち”がありました。
今日は、そんなお話です。
この記事は 「自己肯定感を伸ばす子育て学|まこ式10の法則」シリーズ番外編 ⑬ です。
▼前回は、こちら
「あなたがいちばん好き」──あの言葉の“続き”があった
「おまえさん、レベルが一段上だな」
つい先日のこと。
次女が、長女に向かってそう言った。
長男も私も、その言葉に深くうなずいた。
今さらながら、長女の気持ちにいちばん驚かされたからだ。
お母さん、子どもの中で、誰がいちばん好き?
子どもたちが小さいころ、よくされた質問。
私の答えは、3人いるときは
「みんな同じ、大好きだよ~」
1人のときは、こっそり秘密を打ち明けるように、
「本当は、あなたがいちばん好き。みんなに内緒だよ。」
こう答えていました。
▼この記事で、詳しく書いています。
長男の秘密暴露と、姉たちの「あ、それ知ってる」事件
で、先ほどの記事でも書いていますが。
長男が、長女と次女に秘密を暴露した事件があって。
ぼくね、お母さんに“僕がいちばん好き”って言われたんだ~!
得意げに話す長男。
それを聞いた長女と次女は、あっさりと、こう返したそうです。
「そんなの、知ってるよ。お母さん、みんなに言っているからね」
純粋な長男は、衝撃を受けていた。
“ぼくだけじゃないの!?” と。
ここまでは、私も知っていました。
“ほほえましい思い出”として、ずっと笑っていたのです。
でも。
ほんの少し前まで、私はまったく知らなかった……
本当は、あなたがいちばん好き。みんなに内緒だよ。
こう言うと、みんな嬉しい、と思っていた。
あの瞬間、3人とも「私は特別なんだ」って感じていた、と思っていた。
でも、その受け取り方は……
実はまったく3人で違っていたのです。
でも実は…長女だけが、別の受け取り方をしていた
あの「みんなに内緒だよ」の裏側には、もうひとつ、私が知らなかった長女の気持ちが隠れていました。
それを教えてくれたのは、つい最近のこと。
子どもたち3人と昔話をしていたとき。
長女がふと、こんなことを言ったのです。
お母さんが“あなたがいちばん好き”って言ったとき、少し嬉しかったけど、同時に、こうも思ったんだよね。
“じゃあ、お母さんは次女と長男のことは好きじゃないのかな”って。
私、ちょっとショックだったんだよね。
私は耳を疑いました。
あの言葉を言えば、3人ともただ喜ぶと思っていた。
「自分は特別なんだ」と、素直に受け止めているとばかり思っていた。
でも長女は、その瞬間……
自分だけではなく、周りの2人の気持ちまで同時に見ていたのです。
その言葉を聞いて、次女も長男も、そして私も、とても驚きました。
幼稚園で、ここまで周りを気遣える優しさをもっていたのかと。
そのあと、次女が言った言葉がこれ。
「おまえさん、レベルが一段上だな」
たしかに、その通り。
幼いころの長女は、まだ言葉にできていなかったようですが、
“みんながちゃんと愛されているか”
を心配していたようです。
とはいえ、落ち込んでいたわけではありません。
元気もあったし、ごはんもしっかり食べていた。
きっと、言葉にできない小さなモヤモヤが、気持ちのどこかにちょっとだけあったのだと思います。
私が言ったひと言が、3人それぞれにまったく違う形で届いていたなんて……
あの日、初めて知った事実でした。
3人3様。愛の受け取り方はまったく違う
今回、長女の気持ちを聞いてあらためて感じたのは、同じ言葉でも、3人には3つの受け取り方がある ということ。
たとえば、あの「あなたがいちばん好き」のひと言。
長男の場合
全力で嬉しがって、「ぼく、いちばんなんだ!」と素直に喜ぶタイプ。
あとで姉たちから“それ、みんな言われてるよ”と知らされてショックを受けるくらい、まっすぐに信じる、かわいい性格。
次女の場合
おそらく、冷静に分析するタイプ。
嬉しいと思いつつ、
「もしかして、お母さんはみんなに言っているかも?」
と、静かに分析していたような雰囲気がある。
良い意味で感性が鋭く、ときどき私の心を見抜いてくる(笑)
長女の場合
嬉しさと同時に、
“じゃあ、他のふたりは?”
という 感情の“横の広がり” を自然に持っていた。
自分だけではなく、隣にいる2人の気持ちまで一緒に見てしまう、とても優しいセンサーの持ち主。
3人とも違う。
そして、そのどれもが間違っていない。
むしろ、この受け取り方の違いそのものが、3人の性格をそのまま映していて、聞いていて本当におもしろかった。
そして同時に、こんな深い話ができるほど大きくなったんだな、と嬉しくなった。
私はこのとき、気づきました。
子どもって、「言われた言葉」よりも、「その子の世界」で受け取っている。
同じひと言でも、その子のやさしさ、勘の良さ、まっすぐさ、性格、経験。
そういう全部を通して“意味が変わる”。
それは、親がどれだけ想像しても追いつかないほど、三者三様なのだと。
親の言葉は、親の意図どおりには届かない
子育てをしていると、言ったつもりのことと、子どもが受け取っていたことが、まったく違っていた。
そんな経験が、あとから分かることがあります。
今回の出来事も、まさにそれで、10年以上の歳月がかかりました。
私は、“あなたがいちばん好き” と言うことで、3人それぞれが
「自分は特別なんだ」
と感じてくれたらいいな、ただそれだけの気持ちでした。
でも実際には、3人は3通りの受け取り方をしていた。
嬉しさだけを受け取る子もいれば、軽やかに流す子もいる。
そして長女のように、自分の気持ちだけでなく、周りの2人の気持ちまで自然に一緒に抱え込んでしまう優しさを持つ子もいる。
親の言葉って、親の意図どおりには届かない。
言葉そのものより、
その子の世界、
その子の経験、
その子の性格を通って届いていく。
だからこそ、同じひと言が3つのまったく違う物語を生み出す。
この話を子どもたちと笑いながらできるようになった今、
「そうか、あのときはそんなふうに受け取っていたんだね」
と、じ~んと胸があたたかくなりました。
過去の細かな感情は、親には知りようがないまま積み重なっていくものだけれど、こうして大人になってから話してくれることで、はじめて見える景色がある。
その景色を、私はとても嬉しく、大切に感じています。
この記事は「自己肯定感を伸ばす子育て学|まこ式10の法則」シリーズ 番外編 ⑬ でした。
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