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作り置き料理の楽しみ方

はじめに

鍋から立ち上る湯気が落ち着くのを待ちながら、できた料理を一食分ずつ浅い容器へ分けていく。主菜には料理名と日付を書き、副菜は翌日の分だけ冷蔵庫へ、残りは冷凍できる形へ整えます。

同じ台所で同じ時間だけ料理をしても、その日の夕食だけを作るのと、数日先の自分へ食事を残しておくのとでは、完成したときの安心感が少し違います。冷蔵庫を開けたとき、温めれば食べられる一品があるだけで、忙しい日の献立はずいぶん考えやすくなります。

作り置き料理というと、休日に何時間も台所へ立ち、十数種類のおかずを容器へ並べる姿を思い浮かべるかもしれません。たくさん作らなければ意味がない、一週間分を用意しなければ続かないと感じることもあります。

けれど、初めから一週間分をまとめる必要はありません。主菜を一品、副菜を一品だけ少し多めに作り、翌日か翌々日の食事へ回すところから始められます。

作り置き料理の中心にあるのは、料理の数ではなく、作る量、冷ます方法、保存場所、食べる順番までを一つの流れとして考えることです。調理後の冷却と片付けまで含めて無理のない量を選ぶと、未来の食事を整える時間そのものを楽しめるようになります。


作り置き料理の基本情報

主な楽しみ方 主菜や副菜を数食分まとめて作り、冷蔵・冷凍しながら日々の献立へ取り入れる

おすすめの頻度 月2回ほど新しい組み合わせを試し、使いやすい料理を普段の習慣へ加える

1回の調理時間 約60〜120分

短時間で取り組む場合 副菜一品や下味冷凍だけなら約30〜40分から

冷却と片付けを含む総所要時間 約90〜150分

最初に作る量 主菜一品と副菜一品を、それぞれ2〜3食分

主な実施場所 自宅の台所

最初に必要なもの 普段の調理器具、底の浅い保存容器、ラベルまたはマスキングテープ

始めやすさ 家庭の道具を使えるため始めやすいが、調理後の冷却と保存まで行う時間が必要

難しく感じやすいところ 何日分作るか決めること、料理ごとに冷蔵と冷凍を分けること、食べ切れる順番を組み立てること

作り置き料理は、毎週必ず同じ日に行う必要はありません。忙しい週の前だけ準備する、食材を多く買った日に一品増やす、雨の日の休日に冷凍分を作るなど、自分の予定に合わせられます。

一度にたくさん作るほど平日が楽になるとは限りません。調理と冷却に時間がかかり、冷蔵庫が容器でいっぱいになれば、作った料理を把握しにくくなります。最初は少し足りないくらいの量から始め、実際に使い切れた分だけを次回も作る方が続けやすくなります。

作り置き料理にかかる費用

作り置き料理に使う肉、魚、野菜、卵などは、もともと必要な食費の一部です。趣味として追加でかかる費用は、保存容器、ラベル用品、冷凍用の袋などが中心になります。

手持ちの容器を使う場合の初期費用 ほぼ0円

保存容器を数個そろえる場合 約1,500〜5,000円

冷蔵用と冷凍用をまとめて整える場合 約3,000〜8,000円

二人分を2〜3食作る食材費 約1,500〜4,000円前後

一食分に換算した食材費 約400〜1,000円ほどを中心に、主菜や量によって変わる

費用は、作り置きのために購入した食材すべてを追加支出として考えず、何食分になるかで見ます。二人分の主菜を三回食べられるなら、一度の買い物が高く見えても、一食当たりでは普段と大きく変わらないことがあります。

作り置きによって必ず食費が下がるわけではありません。品数を増やすために普段は買わない食材をそろえたり、大量に作って食べ切れなかったりすれば、費用も食品ロスも増えます。

節約につなげたい場合は、安い食材を大量に買うより、一つの材料を複数の料理へ使います。にんじんを副菜と汁物へ分ける、きのこを主菜と冷凍用へ取り分けるなど、買った量を使い切れる献立を考えます。

保存容器は、初めから同じ種類を大量に購入する必要はありません。手持ちの容器で数回試し、冷蔵庫へ収まりやすい大きさ、よく使う一食分の容量、洗いやすい形が分かってから買い足します。

冷凍用の袋、ラップ、ラベルは消耗品ですが、料理の量へ合う大きさを選べば無駄を減らせます。大きな袋へ少量だけ入れるより、一食分を平らに包めるものを使うと、保存場所も取りにくくなります。

作り置き料理をおすすめする3つの理由

1.忙しい日に、献立を一から考えなくてよくなる

夕食作りでは、実際に包丁を使う時間より、「何を食べるか」を決めることへ負担を感じる日があります。冷蔵庫へ主菜や副菜が一つあると、それを中心に献立を組み立てられます。

煮物があるなら、あとはご飯と汁物にする。冷凍した肉のおかずがあるなら、野菜だけ用意する。副菜が一品あれば、主菜は焼くだけの魚にする。何もない状態から考えるより、最初の一つが決まっているだけで迷いが減ります。

作り置きですべての食事を完成させる必要はありません。温める一品と、その日に作る簡単な一品を組み合わせる方法なら、作りたての味も残しながら負担を軽くできます。

2.同じ食材を、使い切れる形へ整えられる

一人分や二人分の料理では、野菜や肉を一度で使い切れないことがあります。残りをそのまま冷蔵庫へ戻すと、次に使う献立を考えられないまま傷ませてしまうこともあります。

作り置きを前提にすると、購入した日に使い道を分けられます。半分は主菜へ、残りは副菜へ使う。肉は一部を加熱し、別の分には下味を付けて冷凍する。食材を「余った物」ではなく「次の食事の材料」として残せます。

使い切る流れが見えると、買い物の仕方も少しずつ変わります。大容量だから選ぶのではなく、数日間でどのように使うかを考え、自分の生活に合う量を選べるようになります。

3.料理を作る日と、食べる日を分けて楽しめる

普段の料理は、作り終えたあとすぐ食卓へ並べます。作り置きでは、調理した日とは別の日に温め直し、味や食感の変化を確かめます。

作った日は少し濃く感じた煮物が、翌日には味がなじむことがあります。反対に、揚げ物や水分の多い料理は、時間がたつと食感が変わりやすいことにも気づきます。

どの料理が翌日にもおいしいか、冷凍しても扱いやすいか、温め直すときに何を加えるとよいか。何度か試すうちに、自分の家で本当に役立つ料理が定番として残っていきます。

最初は「一週間分」ではなく二品だけ作る

初めて作り置きへ取り組むなら、主菜一品と副菜一品に絞ります。五日分、十品といった大きな計画にすると、調理だけでなく冷却、容器詰め、洗い物にも時間がかかります。

最初の組み合わせは、次のような形が分かりやすいでしょう。

主菜 鶏肉と野菜の煮物、豚肉のしょうが焼き、つくね、魚の南蛮漬けなど

副菜 きんぴら、野菜の煮びたし、加熱したマリネ、炒め物など

主菜は、そのまま食べられる料理を選びます。副菜は、ご飯や麺、弁当など、複数の場面へ添えられるものにすると使いやすくなります。

量は、家族の人数と予定を見ながら2〜3食分にします。外食の日や帰宅が遅い日がある週に、毎日分を用意する必要はありません。

最初から冷蔵で何日も保存する予定を立てず、翌日食べる分と、それより先へ残す分を分けます。すぐ使わない料理は、冷凍に向くかを確認して早めに冷凍すると、冷蔵庫の中で忘れにくくなります。

作り置きに向く料理を選ぶ

作り置きへ向くのは、加熱後にも形や味が変わりにくく、再加熱しやすい料理です。ただし、同じ料理名でも材料、切り方、保存方法によって状態は変わります。

煮物

根菜、肉、こんにゃく、乾物などを使った煮物は、作り置きへ取り入れやすい料理です。一度に鍋で作れますが、大量に作るほど冷めにくくなるため、保存する分は早めに小分けします。

汁が多すぎると容器の中でこぼれやすく、温めにも時間がかかります。保存分は必要な煮汁だけを一緒に入れます。

焼き物と炒め物

肉や魚の焼き物、野菜炒めなどは、主菜として使いやすい料理です。加熱後に出た余分な水分や油をそのまま容器へ多く入れると、食感が変わりやすくなります。

温め直すと硬くなりやすい食材は、最初から加熱しすぎないようにするのではなく、保存前にも安全に食べられる状態まで十分に火を通します。そのうえで、再加熱の時間を必要以上に長くしないようにします。

酢や香辛料を使った料理

南蛮漬け、マリネ、カレー味の炒め物などは、日によって味の印象が変わりにくく、献立へ変化を付けやすい料理です。ただし、酢や香辛料を使えば長く安全に保存できるという意味ではありません。

保存期間を延ばす目的で味を濃くするのではなく、冷却、冷蔵、早めの消費を基本にします。

下味を付けた冷凍食材

肉や魚へ調味料を加え、一食分ずつ冷凍しておく方法もあります。これは完成した料理の作り置きではなく、未来の調理を短くする準備です。

食べる日は、表示やレシピに合う方法で解凍し、中心まで十分に加熱します。冷蔵庫で解凍する場合は、肉汁がほかの食品へ付かない容器へ入れます。

作り置きに向きにくい料理もある

すべての料理を保存前提にする必要はありません。作りたての食感が魅力の料理や、水分が出やすい食品は、その日に食べる方が扱いやすくなります。

揚げたての衣、焼きたての皮、切ったばかりの生野菜などは、時間がたつと食感が変わります。刺身、生卵、加熱の不十分な肉や魚を、家庭の作り置きとして長く残すことも避けます。

じゃがいもや豆腐などは、料理によって冷凍後の食感が変わりやすくなります。冷凍できると紹介されている料理でも、自分がその食感を好むかは別なので、最初は一食分だけ試します。

乳製品を多く使った料理、とろみの強いソース、葉物のあえ物なども、時間とともに分離したり水分が出たりすることがあります。作り置きの品数を増やすために無理に保存せず、その日に作る料理として残します。

作り置きに向かない物を知ると、すべてを休日へ前倒ししなくてよいと分かります。未来の食事を楽にする一品だけを作り、仕上げは食べる日に行う方法も立派な作り置きです。

最初に用意したい道具と保存用品

作り置き料理では、新しい調理器具よりも、冷却と保存に使う道具を整えることが大切です。

最初に必要なもの

・包丁とまな板
・フライパンまたは鍋
・菜箸やトング
・底の浅い保存容器
・冷凍用の袋または容器
・ラベルやマスキングテープ
・油性ペン
・キッチンタイマー

保存容器は、料理を入れたときの見た目だけでなく、冷えやすさと一食分の量で選びます。大きく深い容器へまとめるより、浅い容器へ分けた方が温度を下げやすく、食べる分だけ取り出せます。

透明な容器なら中身を確認しやすく、同じ形でそろえると冷蔵庫へ重ねやすくなります。ただし、容器の底面積が広すぎると冷蔵庫を圧迫するため、棚の奥行きと高さも測っておきます。

電子レンジで温める場合は、容器本体だけでなく、ふたをしたまま加熱できるか、蒸気を逃がす必要があるかを確認します。冷凍に使えることと、電子レンジへ使えることは同じではありません。

あると便利なもの

・食品用温度計
・小さなざる
・粗熱を取るための金属製トレー
・一食分ずつ包めるラップ
・冷蔵庫内の温度計
・容器を一覧にする簡単なメモ

温度計がなければ安全に作り置きできないわけではありませんが、厚みのある肉料理や大きなつくねなど、中心の加熱を確認したいときに役立ちます。

最初は買わなくてよいもの

・大量の同一容器
・真空保存機
・大容量の冷凍庫
・自動調理家電
・用途の限られた小分け器具
・一週間分の献立管理用品

便利な保存機器があっても、食べる量を管理できなければ料理は残ります。まずは今ある冷蔵庫へ無理なく収まる量を知ることが先です。

最初の作り置きを進める流れ

1.数日間の予定を確認する

献立を決める前に、作った料理をいつ食べるのか考えます。外食、弁当、帰宅時間、家族が食べる人数などを確認します。

予定が分からない週には、多く作らず、冷凍へ回しやすい主菜だけを用意します。食べる日が決まっている場合は、翌日分を冷蔵し、それより後の分は早めに冷凍する方法が分かりやすくなります。

2.使い切りやすい食材を選ぶ

主菜と副菜で共通して使える野菜を一つ決めます。にんじん、玉ねぎ、きのこ、ねぎなどを複数の料理へ分ければ、下ごしらえと買い物の種類を減らせます。

ただし、同じ食材と味付けが続くと飽きやすくなります。しょうゆ味の主菜には酢を使った副菜を合わせるなど、味の方向を少し変えます。

3.保存容器を先に用意する

料理を始める前に、完成量を想像し、清潔で乾いた容器を並べます。保存場所も確認し、冷蔵庫や冷凍庫に入らない量を作らないようにします。

容器のふたがそろっているか、冷凍できるか、電子レンジに対応するかも先に確認します。調理後に容器を探す時間をなくせるだけでなく、料理を鍋へ長く残すのを防げます。

4.生で食べる物から準備する

加熱せず食べる薬味や野菜を先に扱い、そのあと加熱する野菜、最後に生肉や魚を準備します。生の肉や魚を扱った包丁、まな板、手はよく洗い、調理済みの食品へ触れる道具と分けます。

二品を同時に進める場合も、生肉を触った手で冷蔵用の容器や調味料のふたを触らないようにします。必要な調味料は、肉を扱う前に出しておくと落ち着いて進められます。

5.加熱時間の長い料理から始める

煮物やオーブン料理など、待ち時間のある主菜を先に始めます。加熱中に副菜を作り、使い終えた道具を洗います。

複数の鍋を使うときも、同じ瞬間にすべての料理が仕上がらない順番にします。加熱の確認と容器詰めが重なると慌てるため、主菜を火から下ろしてから副菜を仕上げるくらいの余裕を持たせます。

6.十分に加熱し、清潔な容器へ分ける

肉、魚、卵などは中心まで十分に加熱します。完成した料理は、生の食材を置いた皿や、調理途中に使った箸へ戻しません。

保存する分は、一度に食べる量へ分けます。大きな容器へまとめると、冷めにくいだけでなく、食べるたびに全体を出し入れすることになります。

7.粗熱を早く取り、速やかに保存する

保存分を鍋へ入れたまま室温でゆっくり冷まさず、浅い容器へ小分けします。容器同士を密着させず、熱がこもらないように並べます。

冷却方法は料理や容器によって変わりますが、室温へ長時間置いて完全に冷えるのを待つものではありません。できるだけ早く温度を下げ、速やかに冷蔵または冷凍します。

8.料理名と日付を書く

容器へ、料理名と作った日を書きます。冷蔵か冷凍か、いつ食べる予定かも簡単に残すと、同じような容器が並んでも迷いません。

記憶だけに頼らず、冷蔵庫の手前へ早く食べる物を置きます。新しく作った料理を前へ置くのではなく、先に作った物から使える並びへ整えます。

保存期間を一律の日数で決めない

作り置き料理については、「冷蔵なら何日」「冷凍なら何週間」といった数字が紹介されることがあります。けれど、安全に保存できる期間は、材料、加熱状態、作った量、冷却の速さ、冷蔵庫の温度、容器の清潔さによって変わります。

家庭では、すべての条件を毎回同じにするのは難しいものです。そのため、料理名だけで一律の日数を決めず、使用したレシピや材料の案内に従いながら、なるべく早く食べ切ります。

冷蔵庫へ入れたから安全が止まったわけではありません。低い温度でも増える菌があり、冷凍しても菌がすべて死ぬわけではないため、保存したことを忘れない仕組みが必要です。

保存状況が分からない料理、長く室温へ置いた物、容器が膨らんでいる物、状態に違和感がある物は、味見で判断せず処分します。においや見た目に変化がなくても、安全を保証できるとは限りません。

最初のうちは、冷蔵分を翌日から早めに食べ、すぐ使わない分を冷凍します。長く持たせる技術としてではなく、数日間の食事を見通す方法として作り置きを使う方が安心です。

冷蔵と冷凍を使い分ける

冷蔵には、翌日や近いうちに食べる物を入れます。冷凍には、予定が変わる可能性のある分や、すぐ使わない一食分を回します。

冷凍するときは、料理を厚い塊にせず、なるべく平らにします。空気に触れにくいよう包み、料理名と日付を書きます。

同じ料理を一つの大きな袋へ入れるより、一食分ずつ分けた方が、必要な量だけ解凍できます。凍った大きな塊から一部だけを外そうとすると、残りも温度変化を受けやすくなります。

解凍方法は料理に合わせます。冷蔵庫でゆっくり解凍する物、凍ったまま鍋へ入れられる物、電子レンジで温められる物があります。

室温へ長く置いて解凍せず、電子レンジで部分的に温まった料理は、すぐに全体を加熱します。一度解凍した料理を何度も冷凍と解凍の間で行き来させないよう、量を分けておくことが大切です。

温め直しも調理の一部として考える

作り置き料理は、容器へ入れた時点で終わりではありません。食べる日に安全に温め、食卓へ出すところまでが一つの料理です。

鍋で温める場合は、底からよく混ぜます。カレー、シチュー、あんかけなど、とろみのある料理は、表面だけが熱くなり、中心に冷たい部分が残りやすいためです。

電子レンジを使う場合も、一度に長時間加熱せず、途中で取り出して全体を混ぜます。容器の端と中央、上と下で温度が違うことがあるため、食べる前に全体が十分熱くなっているか確認します。

食べる分だけを取り出し、残りを何度も温め直さないようにします。大きな容器から取り分けるときは、清潔な箸やスプーンを使います。

温めたものを食べ切れずに残した場合も、「一度加熱したから大丈夫」と考えず、長く室温へ置きません。最初から食べられる量だけを温める方が、料理の状態も管理しやすくなります。

味に飽きないための使い回し

作り置きが続かない理由の一つに、同じ料理を何度も食べることがあります。一品を大量に作るより、味を変えられる余地を残すと使いやすくなります。

薄めの基本味で肉と野菜を煮ておき、食べる日にしょうが、カレー粉、ごま、酢などを少量加える方法があります。ただし、保存中の料理へ後から調味料を足すことで安全性が高まるわけではないため、温めと保存の基本は変えません。

煮物を小さく切って卵とじにする。

蒸した鶏肉をサラダや麺へ載せる。

炒めたひき肉をご飯、豆腐、麺へ使う。

温野菜へ日ごとに違うたれを合わせる。

このように、完成料理を別の一皿へ展開できます。すべてを複雑にリメイクしなくても、主食や薬味を変えるだけで十分です。

ただし、いつ作ったか分からなくなるほど形を変え続けないようにします。元の料理の日付を引き継ぎ、新しい料理へ作り替えたから保存期間が最初から戻るとは考えません。

冷蔵庫の中を作り置きに合わせて整える

容器を増やす前に、冷蔵庫の中を確認します。作った料理を入れる場所がなければ、冷却したあとに困ってしまいます。

作り置きの日には、保存予定の容器が入る棚を一段空けます。冷気が回らないほど詰め込まず、何がどこにあるか見える量へ抑えます。

早く食べる物は手前、冷凍する物は冷凍庫の決まった場所へ置きます。奥へ入れた容器を忘れやすい場合は、扉やスマートフォンへ簡単な一覧を残します。

「月曜日 煮物」

「火曜日まで 副菜」

「冷凍 鶏肉二食分」

この程度の短い記録で十分です。細かな献立表を作るより、食べ忘れを防ぐ情報だけを残します。

空の保存容器も、ふたと本体がすぐ組み合わさるよう整理します。料理のたびに対応するふたを探す状態では、作り置きが負担になりやすくなります。

作り置き料理を無理なく続ける考え方

毎回同じ量を作らなくても構いません。忙しさ、気温、冷蔵庫の空き、家族の予定によって、必要な準備は変わります。

余裕のある日は主菜と副菜。

疲れている日は下味冷凍だけ。

食材が少ない日はご飯だけ冷凍。

外食が多い週は何も作らない。

休む週があっても、作り置き料理をやめたことにはなりません。必要なときに戻れる定番を二、三品持っていれば、十分に暮らしへ役立ちます。

完成した容器の数を成果にせず、実際に食べ切れたか、平日の負担が軽くなったかを見ます。作った量が少なくても、忘れず安全に使い切れたなら、その回はうまくいっています。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

第1段階 翌日の一品を作って残す

最初は夕食の主菜か副菜を少し多めに作り、翌日食べる一食分だけを保存します。浅い容器へ分け、冷却、日付記入、冷蔵までの流れを経験します。

多くの品数を用意することより、次の日に安全に温めて食べ切ることが目標です。実際に役立った料理が、最初の定番になります。

第2段階 主菜と副菜を2〜3食へ分ける

二品を同時に作り、食べる順番を決めます。翌日分は冷蔵し、それより先の分は冷凍するなど、保存場所を分けられるようになります。

容器の大きさや一食分の量も、自分の生活へ合ってきます。作る量を増やすより、残さず使い切れる範囲を知る段階です。

第3段階 食材を複数の料理へ使い分ける

買い物の段階から、肉や野菜の使い道を二つほど考えます。同じ食材でも味付けや調理法を変え、数日の献立が似すぎないようにします。

食材が余ってから献立を探すのではなく、購入した量をどう使い切るか見通せるようになります。食品ロスと買い足しの両方が少しずつ減っていきます。

第4段階 完成品と下ごしらえを組み合わせる

すべてを調理済みにせず、完成した副菜、下味を付けた肉、切って冷凍した野菜などを組み合わせます。食べる日に焼く、煮る、和えるという最後の工程を残すことで、作りたての食感も楽しめます。

予定が変わりやすい週には冷凍を多めにし、すぐ食べる週には冷蔵を中心にするなど、暮らしへ合わせた調整ができるようになります。

第5段階 季節と予定に合わせた定番を育てる

夏は短時間で冷やしやすい少量の副菜、冬は小分けしやすい煮込み料理というように、季節や気温も含めて内容を選びます。忙しい週、弁当が必要な週、家族の帰宅が遅い週など、状況別の定番も増えていきます。

たくさん作ることを目指すのではなく、必要な量を安全に作り、使い切る流れが自分の暮らしへなじんでいきます。料理の記録を共有したり、家族の好みを聞いたりしながら、定番を少しずつ更新することが、この趣味の深まりになります。

あわせて楽しみたい関連する趣味

日常料理

日常料理は、特別な日の一皿ではなく、普段の食事を無理なく作り続ける楽しみ方です。作り置きだけに頼らず、その日に作る料理、市販品、冷凍した物を組み合わせると、生活に合う献立を整えやすくなります。

作り置きで見つけた定番を、季節の食材や家族の好みに合わせて変えていく楽しみにもつながります。


お弁当作り

お弁当作りは、料理を数時間持ち運び、食べる時間まで安全に保つことを考える趣味です。作り置きした副菜を使える場合もありますが、十分な再加熱、冷却、汁気、持ち運ぶ温度など、家庭ですぐ食べる料理とは別の注意が必要です。

夕食用と弁当用を最初から分け、一部だけを活用すると、朝の調理を増やしすぎずに一食を整えられます。


煮込み料理

煮込み料理は、肉、魚、野菜、豆などを一つの鍋でゆっくり加熱し、味の重なりを楽しむ料理です。数食分を作りやすい一方、大きな鍋のままでは冷めにくいため、作り置きでは小分けと速やかな冷却が特に大切になります。

食べる日に全体をよく混ぜながら温めるところまで含めると、作り置きの基本を実感しやすい料理です。


今日の鍋から、数日先の食卓を整える

作り置き料理は、休日をすべて調理へ使い、一週間分の容器を並べることではありません。今日作った主菜を一食分だけ多く残し、明日の自分が温めやすい形へ整えるところから始められます。

次の休日には、主菜一品と副菜一品だけを選んでみてください。料理を始める前に保存容器を用意し、完成したら食べる量ごとに分け、日付を書いて冷蔵と冷凍へ収めます。

冷蔵庫を開けたとき、何が入っていて、いつ食べるかが分かる。忙しい日の夕方に、一から献立を考えなくてもよい。その小さな余裕まで含めて、作り置き料理の完成です。


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