セパタクローの楽しみ方
はじめに
足の内側へ軽いボールを当てると、乾いた音を残して、思ったより高く跳ね上がります。落ちてくる場所へ半歩動き、もう一度蹴り返せた瞬間、手を使わずにつなぐ不思議なリズムが生まれます。
セパタクローと聞くと、空中で体を回転させる華やかなアタックを思い浮かべるかもしれません。けれども初心者の入口は、低い位置でボールに触れ、仲間へ届く1球を返すところにあります。体験会や初心者を受け入れるクラブを選べば、球技経験がなくても基本の蹴り方から習えます。
セパタクローの基本情報
セパタクローは、ネットを挟み、足、腿、頭などでボールを返し合う東南アジア生まれの競技です。「セパ」は蹴る、「タクロー」は籐で編んだボールを意味し、現在の競技球は主に合成素材で作られています。一般的なレグ種目は3人対3人で、サーバー、トサー、アタッカーが連係します。
コートは長さ13.4m、幅6.1mで、バドミントンのダブルスコートと同じ大きさです。競技球には12の穴と20の交点があり、成人用でも約150〜180gと軽い一方、編み目のある表面は初めて触ると独特に感じられます。
味方側で使える接触は3回までで、手や腕では触れません。同じ選手が続けて触ることもできるため、崩れた球を1人で整えてから仲間へ渡す展開もあります。現在の国内公式大会では、1セット15点、14対14以降は17点を先取した側が勝ち、3セットのうち2セットを取る方式が採用されています。サーブは1本ごとに交代します。初回は細かな規則を覚え切るより、ワンバウンドを交えた練習や短いラリーで、足に当てる感覚を知ることが大切です。
主な楽しみ方:基本のキック、リフティング、3人でのパス、簡単なゲーム
おすすめの頻度:月2回から週1回ほど
1回の活動時間:準備と整理運動を含めて90〜120分ほど
主な場所:体育館、セパタクローのクラブ、体験会
身体への負担:足首、ふくらはぎ、腿の裏、股関節、腰をよく使う
セパタクローにかかる費用
初回体験は無料の催しもあり、定期教室では1回1,000円前後から見つかります。クラブや特別講習では500〜2,500円ほどの幅があるため、保険料、施設料、ボールの貸し出し、参加対象を申込前に確認しておくと安心です。
動きやすい服と室内用シューズを持っていれば、最初の追加費用はほとんどかかりません。競技用のシューズと公認球には、それぞれ4,000円前後で販売されている例があります。一般的な室内用シューズを選ぶ場合も含め、個人練習用の球まで新しくそろえるなら、合計8,000〜16,000円ほどを見ておくと無理がありません。ボールはクラブで借りられることが多いので、最初から買わなくても大丈夫です。
月2回、1回1,000円で1年続けると仮定すると、参加費は約24,000円です。保険や消耗品を含めても年間3万〜5万円ほどが1つの目安になり、週1回の教室、協会登録、大会、遠征へ進むと費用は増えます。交通費は住む地域で差が大きいため、別に考えておきます。
費用を抑えるなら、まず単発体験で通いやすさと指導の雰囲気を確かめ、ボールは借ります。個人で体育館とネットを用意するより、既存クラブの練習へ参加するほうが、設備を共有でき、正しい蹴り方も学べます。大会出場を考えた段階で、登録費、ユニフォーム、参加費、遠征費を別枠にします。
セパタクローをおすすめする3つの理由
1.足に当たった1球が、少しずつ狙った軌道へ変わる
最初は横へ飛んでいたボールが、足首の角度を整えるだけで自分の正面へ上がるようになります。高さ、回転、音の違いがすぐに返ってくるため、小さな修正にも手応えがあります。1回の練習の中でも「さっきより真上へ上がった」と気づける競技です。
2.3人の役割が、1つの攻撃としてつながる
相手の球を受け、トサーが蹴りやすい高さへ上げ、アタッカーがネットの向こうへ送ります。自分だけの妙技よりも、次の人が扱いやすい1球をつくることがラリーを変えます。短い声かけと3回の接触がきれいにつながったときには、足で行う球技ならではの一体感があります。
3.見慣れた球技とは違う、空間の使い方に出会える
ボールは床近くから頭上まで大きく動き、選手は落下点へ入りながら、足をどこまで上げるかを選びます。慣れるほど、相手の位置、ネット際の空間、ボールの回転から次の展開を読むようになります。競技をする面白さと、上級者のアクロバティックな攻防を観戦する面白さがつながっています。
始める場所・服装・道具の選び方
最初は、初心者向けの体験会か、見学・体験を受け入れているクラブを探します。開催地域はまだ限られるため、協会の大会・講習案内、地域クラブ、大学や総合型スポーツクラブの活動情報から、通える場所を確認します。経験者と同じ練習でも、基礎を教える担当者がいるかを問い合わせておくと入りやすくなります。
服装はTシャツと短パン、または足を高く動かしやすいジャージが基本です。室内専用の滑りにくいシューズ、くるぶしを覆う靴下、飲み物、タオルを持参します。初回は競技球やネットを借り、継続が決まってからシューズの動きやすさや自宅練習用ボールを検討すれば十分です。
練習日が合うか不安な場合は、先に大会を観戦する方法もあります。選手同士の距離や声の量、トスからアタックまでの速さを見ておくと、体験時に目指す動きが分かりやすくなります。ただし観戦できる日時と体験できる日時は別なので、それぞれの案内を確認します。
初めてセパタクローを楽しむ1日の流れ
前日まで|初心者を受け入れる練習へ申し込む
日時、体育館の入口、対象年齢、参加費、貸し出し品を確認します。未経験であることと、過去の足首や腰のけがを事前に伝えておくと、練習内容を調整してもらいやすくなります。
出発前|足を動かしやすい持ち物を整える
室内用シューズの靴底を拭き、靴ひもや靴下の状態を確かめます。食事は直前に詰め込まず、飲み物とタオルを持ち、開始10〜15分前に着けるよう出発します。
到着後|床と練習範囲を確認する
受付と着替えを済ませたら、ボールが飛んでくる範囲や、ほかの組との間隔を見ます。股関節、腿の裏、ふくらはぎ、足首を中心に全身を温め、指導者から合図やその日の流れを聞きます。
開始直後|足の内側で真上へ返す
まずはボールを手で落とし、軸足の膝を軽く曲げて、反対の足の内側へ当てます。強く蹴るのではなく、面を水平にして受け止める感覚です。1度触れたら手で取り、同じ高さを再現するところから始めます。
活動の前半|1人の感覚を2人のパスへ変える
数回続けられたら、短い距離で相手の胸元を目安に返します。ボールの真下へ急いで足だけを伸ばすより、落下点へ小さく移動して姿勢をつくるほうが安定します。足の内側、腿、頭では軌道がどう変わるかも比べます。
活動の中心|軌道、回転、3人の間を楽しむ
注目したいのは、成功した回数だけではありません。ボールの編み目がゆっくり見える球は回転が少なく、次の人が扱いやすい軌道になっています。頂点の高さと落ち始める位置を見て、受け手が1歩で入れる場所へ返せたかを確かめます。
3人練習では、誰が1球目を受けるかを声で決め、2球目はアタッカーの足が届く高さへ運びます。受ける音、トスの弧、最後のキックが同じテンポでつながる瞬間が、この競技の中心です。相手のいない場所へ落とす工夫や、ネットを越えて急に沈む球の変化も、少しずつ見えるようになります。
ゲーム形式では、相手がサーブ前にどちらへ体を向けているか、守備の間がどこに空いているかにも目を向けます。強く返すだけでなく、深い球とネット際へ落とす球を使い分けると、同じ蹴り方でも駆け引きが生まれます。自分が触らない場面でも、次の落下点へ動いて3人の形を保つことが楽しさの一部です。
活動の後半|簡単なゲームで選択を試す
ワンバウンドを認める、サーブを近くから入れるなど、初心者向けの条件で短いゲームをします。難しい空中技を狙わず、正面へ入る、次の人へ高さを残す、空いた場所へ返すという3つを試すだけでも、練習が試合の流れへ変わります。
終了後|足を整え、次の1球を覚えておく
ゆっくり歩いて呼吸を戻し、腿、股関節、ふくらはぎを無理なく伸ばします。借りた用具を返したら、うまく上がった足の角度や、難しかった方向を1つだけ覚えておきます。翌日に強い痛みが残るときは練習量を増やしません。
安全に楽しむための5つのポイント
1.高く蹴る前に、股関節と腿の裏を温める:
冷えた状態で足を振り上げると、筋肉や腰を痛めやすくなります。軽く走り、低いキックから可動域を広げます。2.乾いた床と、室内用シューズを使う:
汗で濡れた床や滑る靴底は、着地時の転倒につながります。床の水分を拭き、靴ひもがほどけていないかも確認します。3.空中の回転技を自己流で試さない:
上級者のローリング系アタックは、柔軟性、跳躍、着地練習が必要です。初心者は立ったまま返す技術を優先し、指導者が段階を示した場合だけ練習します。4.ボールの下へ入る人を声で決める:
全員が同時に追うと、足や頭がぶつかります。「はい」「任せた」など短い声を使い、攻撃する人の着地点には入らないようにします。ほかのコートから来た球は無理に蹴り返さず、周囲へ知らせて動きを止めます。5.足首、腿、腰の痛みを我慢しない:
高いキックと着地が重なるため、疲れるとフォームが崩れます。鋭い痛み、ふらつき、強い息苦しさがあれば中止し、水分と休憩を取ります。
続けるほど変わる5つの楽しみ方
第1段階 足で1球を真上へ返す
体験会で基本姿勢を習い、手から落とした球を足の内側で受けます。1回ごとに取り直しながら、同じ場所へ上げられれば十分です。華やかな技より、ボールの真下へ入ることが最初の目標になります。
第2段階 仲間とラリーを続ける
月2回から週1回ほど通い、左右の足、腿、頭を使い分けます。失敗したときに、足首の面、落下点、力加減のどこがずれたか分かり始めます。2人、3人で回数を数え、10回ほど安定してつなぐことが次の目安になります。
第3段階 役割と状況に合わせて選ぶ
活動が日常に入り、受ける、上げる、攻めるを一通り経験します。サーバー、トサー、アタッカーの得意な役割を持ちながら、乱れた球にも3回以内で対応し、公式ルールのゲームを自分たちで進められます。失点の理由を1球前の位置や声かけまで戻って考えられる状態です。
第4段階 趣味として完成度の高いプレーを組み立てる
一般の参加者より明らかに安定し、強いサーブを受けても、狙った高さのトスから攻撃へつなげられます。地域大会や交流戦で自分の役割を果たし、初心者へ基本を伝えられる状態です。競技結果を最優先にせず、生活と両立しながら技術を磨く「趣味としての最大値」に当たります。
第5段階 大会で上位を目指す競技者になる
全国規模の大会や選考を視野に入れ、所属チームで定期的に戦術、体力、柔軟性、映像を使った振り返りまで重ねます。相手ごとのサーブと守備を研究し、結果を求めて練習量や遠征を組み立てる領域です。第4段階との違いは、上手に楽しむことに加え、大会成績という外部評価を明確な目標にする点にあります。
あわせて楽しみたい関連する趣味
フットサルの楽しみ方
足でボールを扱い、狭い範囲で味方と素早く連係する感覚がつながります。フットサルは床を転がすパスが中心なので、セパタクローとは違う足の面の使い方や、空間を見つける動きを楽しめます。
ソフトバレーボールの楽しみ方
3回の接触でレシーブ、トス、アタックへ運ぶ組み立てを、やわらかな球と手・腕で味わう競技です。ネットを挟んだ位置取りや声かけを理解したい人には、セパタクローとの共通点と、身体の使い方の違いが見えやすくなります。
バドミントンの楽しみ方
ネットの向こうの空いた場所を狙い、落下点へ細かく足を運ぶ感覚が近い趣味です。ラケットで扱う軽いシャトルと、足で扱う編み球では軌道が異なり、その日の気分で違う反応速度を楽しめます。
足でつないだ1球から、3人のリズムが始まる
最初の1日は、ボールが1度真上へ上がるだけでも十分です。その1球が2人のパスになり、3人の攻撃へつながる頃には、空中の華やかさだけではない、軌道を整えて誰かへ渡す面白さが見えてきます。まずは室内履きを用意して、初心者向けの体験会を1つ探すところから始めてみてください。
休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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