おもちゃは2つ。でも、「欲しい」だけじゃ終わらない。“選ぶ力”の始まり
「ねえ、何個まで買っていいの?」
おもちゃ屋に入るなり、息子が聞いてきた。
その一言に、思わず笑いそうになった。
いや、そこなの?選ぶ前にまず“数”??
「何個買ってもいいの?」という素朴な疑問
息子の誕生日プレゼントを、グランパ(私の父=祖父のこと)が買ってくれることになった。
大きめのおもちゃ屋に入って、息子のテンションは急上昇。
棚をぐるぐる見て回りながら、興奮気味にこう聞いてきた。
「ねぇ、何個買ってもいいの?」
私はちょっと笑いそうになった。
えっ、数?そこなの?
大人の私からすれば、重要なのは“金額”だ。
1000円くらいのものを2、3個ならOKだろうけど、5000円クラスなら1個が限度…。
グランパの懐事情もあるし、常識的なラインってあるよね?って感じ…
でも、5歳児にとっては、「何個まで買えるか」が重大案件。
しかも息子は、「グランパに聞いてみて」と何度も言ってくる。
私は内心、「聞いてもグランパ困るって……」と思いつつ、
「とりあえず、何がいいか決めてみたら?」と促した。
脳内では、親だけがリアル換算中
私は、息子の“希望”を聞く前から、無意識に計算していた。
この棚のあたりだと1個3000円。あっちは1500円…あ、こっちは安め。
どのゾーンに手を伸ばすかで、グランパの財布が泣くかどうかが決まる。
こういうとき、親ってつい「予算の守護神」みたいな顔して、勝手に先回りする。
別にグランパは「予算は3000円までね」なんて言ってない。
でも私は、なんとなく空気を読んで、
「そのへんの価格帯の中で、子どもが満足してくれたらありがたい」
という“大人の都合”で、思考を組み立てていた。
遠慮してるのは、私のほうかもしれない
結局、息子が選んだのは、1000円を下回るウルトラマンの怪獣の人形。
「これと、これがいい」と2つ選んだので、「それなら2つ大丈夫だよ」と伝えると、満足そうに頷いた。
その姿を見て、ふと気づいた。
私、誰のために、そんなに“気を遣ってた”んだろう?
グランパ?たしかに。
でも、もしかすると——
息子が“欲しがりすぎる子”に見られないように、
私自身が気をつかってたのかもしれない。
空気を読むのは、大人の仕事。
でもその“空気”って、本当にあるのか?
私が勝手に作り上げた、“想像上の境界線”かもしれないのに。
「自分で決める」って、実はすごいこと
「何個まで買っていいの?」と何度も聞いてきた息子の姿に、
最初は「そこじゃないでしょ」って、思わず笑ってしまったけれど。
でもあとで、ふと思った。
これはこれで、成長の証かもしれない。
普段は離島に住んでいて、こんな風におもちゃを“自分で選べる機会”なんて、ほとんどない。
いつもはAmazonでポチッと買うか、本土に出たタイミングで親がサッと決めてしまう。
だからこそ、今回は「何個までOKか?」という“基準”をしっかり求めてきたのかもしれない。
ちゃんと自分で選びたい。失敗したくない。
その気持ちが、「数」にこだわる形で表れたのだとしたら——
それってもう、「自分で決める」っていう、大事な一歩を踏み出してるってことだ。
今回のプレゼントは、たった1000円の怪獣人形2つだったけど、
本人にとっては、“自分で選べた”という経験そのものが、
いちばんのギフトだったのかもしれない。
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