岩手旅行記2025 #1 晴れ女の秘訣
同じ場所に何度も訪れる方です。盛岡に旅行に行くのも、今回が4度目になります。
前に訪れたときに、岩手県立博物館の展示を見ました。その時に、江戸時代の盛岡藩が馬を育てる牧場を持っていたことや、大名行列に馬を連れていたことを知りました。迫力があったろうなあ、と絵巻を見ても感じる大きくて立派な黒い馬です。行列に連れていくのは移動の目的もあったと思いますが、わざわざ表立って引きつれるのは、馬が藩の産業の中枢、あるいは誇るべき物産、とにかく、すごくいいもの、国の宝物だったからだと思います。
博物館には同時に盛岡のお祭りの紹介もあって、チャグチャグ馬コについてはそこで知りました。豪華な衣装に身を包んだ馬と人が行列して街を練り歩くお祭りです。繁忙期中の休日として、農耕馬を馬の守神にお参りをするようになり、そのお参りが慣習化する時に馬に装束を着せたのが始まりとのこと。へえ。見てみたい、けど無理だろうなあと思っていました。というのも、このお祭りが開催されるのは毎年6月第2土曜日、私が参加してきたそれまでの文学フリマ岩手は連続して6月の第3日曜日。一週間ずれていたんです。
けれど、今年は違いました。去年の秋ごろ、買ったばかりのカレンダーを見て気がつきました。あ。今年は文学フリマの前日がお祭りだって。見に行ける。見にいこう!(決めた!)
眠れない夜を乗り越えて早朝の飛行機に飛び乗ったのは、お昼までに盛岡市に着くためです。行列が盛岡にやってくるのは13時くらいかららしい。楽しみだなあ。本当にチャグチャグって聞こえるんだろうか(「チャグチャグ馬コ」の名称は馬の装束についている鈴の音が「チャグチャグ」と聞こえることからきているそうです)。
この日の盛岡市は曇り空で、雨の時はお祭りはどうなるのかを一応調べたりしました。せっかくだから雨でもやってほしいけれど、行列の人やお馬さんが大変だからやってほしくないなあ、と複雑な気持ち。ところで、お気づきでしょうか。わたしの前回の持ち物、傘がありません。自信があるのです。「わたしは晴れ女だから必要ない」という……。
長年、自称晴れ女を貫き通していると、どうしてそうなりうるのか、という一種の秘訣に気がつきます。それは後でお話することにして、この曇り空でも一応の自信はありました。「お祭りの間は降らない」
行列をどこで見ようかあたりをつけがてら、駅からホテルに向かい商店街を通りかかると、警察のマーチングバンドがリハーサル中で、これからお祭りがあるんだなあ、という気持ちが盛り上がります。「チャグチャグ馬コがもの言うた……」と民謡らしい歌がどこからか流れてきて、「専用の歌だ!」と音源らしきアーケードの方を見ると、視線のはじにチューバを担いだお姉さんが見えました。私を見て微笑んでおり、私がそちらに視線を移すと軽く会釈してくださいました。私、よほど、嬉しそうな顔をしていたようです。(ものすごく恥ずかしかったです)

ホテルに荷物だけ預けて、行列を見るために陣取ることにしたのは、開運橋のたもとです。カメラを構えた人が何人かいたので。人任せですね。行列が来てからわかったのですが、どうもここで写真を撮っていた方達は橋の方から登ってくる行列の姿の写真を撮りたかったようです。先頭に手を振る男性を乗せた白馬がやってきました。わああ。来た来た! でもチャグチャグいってない!

思ってたのと違う!
と自分の調べた情報とどうして違うのかスマホで必死に調べていたら、チャグチャグ…と鈴の音がして、イメージ通りの豪華な装束をつけたお馬さんたちがやってきました。先頭の方達は行政の偉い人たちでこれからが本番のようです。あれがそうなのかと思ってもうたくさん写真撮っちゃったよう。本番(?)のチャグチャグ馬コはこんな感じです。

足が、太い。私が「馬」と聞いてすぐにイメージする馬は競走馬なんだと思います。チャグチャグ馬コは農耕馬のお祭りなので、足の太い、がっしりした体つきの馬が並んでいるんです。現代でも農耕馬っているの? と調べたら、お祭りを保存するために、このお祭りに出るための馬を育てている方達がいらっしゃるんだそうです。さらに驚いたことに馬の衣装も手作りらしい。大変だ。でも、本当に、自慢の馬を、自慢の衣装で飾り付けて、みんなに見せるお祭りなんだなあと思いました。近くで見ていた、中学生くらいの女の子たちが、馬の乗り手の女の子に「〇〇ちゃーん!」「かわいー!」と呼びかけていて、呼ばれた女の子が手を振っているのが、なんかよかったです。馬の乗りての子供達も自慢の宝物ですね。
さて、お馬さんを見たら、今日はもう一つミッションがあります。例年私が行けていなかったもののもうひとつ、マルカンビル大食堂に行くこと。盛岡駅から少し離れた花巻市にある、もともとはデパートの大食堂だったお店です。雲の厚さが増し、天候がいよいよ怪しくなってきている気配はするものの、(私のおかげで)お祭りの間は降らなかったんだから大丈夫。電車に乗って、レッツゴーです。

告白しましょう。ついた時点ですでに若干雨に降られています。ホテルで傘を借りてくるべきでした。(でもどこかに忘れてきちゃうといけないので借りなかった)。しかし、この程度の雨で済んだのも、私が晴れ女であるからだよ。

マルカンビル大食堂の名物は10段巻ソフトクリームです。ナポリかつもいただきました。食べ過ぎですね。でも、今日はたくさん歩いたし、明日もイベントで頑張るんだから大丈夫だと思っています。あと、もう見晴らしのいい食堂から外が相当雨降りなのが見えているので、今を思い切り楽しむことにしています。
そういえば、このナポリかつ、「ナポリタン+とんかつ」なんですが、このナポリタン部分、懐かしい味、というより新しい味でした。私が知っているナポリタンよりスパイシーだったんです。もしかしたら私が知っているナポリタンが「名古屋ナポリタン」というべきもので、地方色の強いものなのかもしれない。(「私が知っているナポリタン」はケチャップが主な味付けの甘辛い味です。熱々にした鉄板の上に溶き卵をしいて、その上にナポリタンを盛る「鉄板ナポリタン」というものが名古屋にはあります。私の実家には自宅でそれをやるための鉄板もあります)洋風(?)(ナポリタンはナポリにはないそうですが……)なのに地方色があるのって、なんだか面白いですね。
さて、一度雨に濡れてしまったうえに大した荷物もない旅行者は、もはや無敵です。途中で振られようが振られまいが、ホテルに蜻蛉返り。服を洗って、お風呂に入ってぬくぬくと寝ました。「帰りに降られちゃったけど、イベント荷物をいっぱい持ち歩く明日でなくてよかったなあ」とか思いながら。

岩手旅行記2025 #1
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