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サクッと読む名作と水彩画『吾輩は猫である』/“樽金王の話”本の価値とは


夏目漱石の『吾輩は猫である』の中に「樽金王の話」が出て来るのですが、ご存じですか。

それは本の価値を再認識させてくれる話しです。

『吾輩は猫である』樽金王の話

「なんでも昔、羅馬(ローマ)に樽金(たるきん)とか云う王様があって……」 「その王様の所へ一人の女が本を九冊持って来て、買ってくれないかと言ったんだそうです」

 「王様がいくらなら売ると云って聞いたら大変な高い事を云ったとうんですって。あまり高いもんだから少し負けないかと云うと、その女がいきなり九冊の内の三冊を火にくべて焼いてしまったそうです」

「王様は九冊が六冊になったから少しは値も減ったろうと思って、六冊でいくらだと聞くと、やはり元の通り一文も引かないそうです。
 
それは乱暴だと云うと、その女はまた三冊をとって火にくべたそうです。
 
王様はまだ未練があったとみえて、余った三冊をいくらで売ると聞くと、やはり九冊分の値段をくれと云うそうです。
 
九冊が六冊になり、六冊が三冊になっても、代価は元の通り一厘も引かない。それを引かせようとすると、

残ってる三冊も火にくべるかもしれないので、王様はとうとう高い御金を出して、焼け余りの三冊を買ったんですって……」
 
そして、一説によると、この「焼け余りの三冊」、この3冊に、ローマの運命が書かれていたと言いいます。


水彩画は夏目漱石の『吾輩は猫である』の猫を、古代ローマの路地裏を徘徊する姿にイメージしました。

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