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[JP] Ep.7|その声

From My Closet To You
~ファッションと心を綴る、創作エッセイ~


1. 切り抜き

目の前は、濃い霧で覆われている。一歩先も見えない―灯りが欲しい。どうしよう、何か…。ポケットを探る。手に、紙の感触があった。取り出すと、それは切り抜きだった。レオパード柄のワンピースを着た女性の写真。雑誌の一部を小さくカットしたようなもの。霧の中でも、その黒点模様がはっきり見えた。この状況に合わない、モードな雰囲気。なんで、こんなものが?そう思った瞬間、人の声が聞こえた。「…て」え、何?「探して」

2. 現実
―私はベッドの中で目を覚ます。夢を見ていた。あの切り抜き、どこかで…声も…なんだっけ?「疲れてるなぁ」ため息をついて起き上がる。もう昼を過ぎていた。半年前の異動から、ずっと疲れが取れない。好きだった仕事を離れ、違う仕事へ。その変化に、心が追いつかない。沈んだ気分を変えたくて、携帯に手を伸ばす。実家から着信が入っていた。ここから1時間ほどの古びた戸建て。あぁ、今日顔を出すって、私から連絡してたんだ。

3. 幸せ
実家の玄関を入ると、父が話しかけてきた。「マミちゃん、2人目生まれたって」誰のことかわからない。察した父が続ける。「お前のいとこ。名古屋の」「あー!就活で泊まりに来た」当時を思い出した。「こっちで服飾の仕事したいってな。結局、どこもダメだったけど。あの子も幸せになれて良かったよ」…幸せ?言葉に詰まる。同時に、ある記憶が浮かんだ―そうだ、あれは!―父に荷物を置きに行くと伝え、私は2階へ駆け上がった。

4. 彼女
あれはマミちゃんの…。私は押し入れから段ボール箱を取り出した。中には、たくさんのノート。昔、ファッション誌を切り抜いてコラージュをつくっていた。手にした順にページをめくる。これじゃない…違う。気づけば最後の1冊になっていた。諦めかけながら、静かに開く。目に飛び込んできたのは、レオパード柄のワンピース。そう、夢で見た切り抜き。少し色褪せた彼女に、私は言った。「見つけたよ」―その夜、あの日の夢を見た。

5. 探して
マミちゃんが帰り支度をしている。私は声をかけた。「何時に出るの?」彼女が振り返る。「準備が終わったら行く」そして、小さな紙を取り出した。レオパード柄のワンピースを着たモデルの切り抜き。「あげる」「どうしたの?」彼女は笑った。「これはお守り。なりたい自分を諦めない、イイ女の。服飾の夢は、もうすぐ叶うから。年上としてプレゼント!今度は、あなたの番」その声が言う―どんな自分になりたいか、いっぱい探して。


Fin (Ep.7 その声)
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*Coming soon:Ep.7 ファッションを読む

◆シリーズとファッション、作者について
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