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第3回:現場配属からの奮闘記 〜終電帰りの日々で、何を学び、どう成長したか〜

前回の第2回では、未経験で飛び込んだIT業界の新人研修で、まさかのJava資格取得に失敗し、社長から「覚悟が足りないのか?」と厳しい言葉をいただいたところまでお話ししました。

音楽を辞めてまで挑んだ道。このままでは終われないと、僕は心に固く誓っていました。


失敗からの挽回、そしてITの洗礼

研修期間中のSJC-A取得は、本当に悔しい結果に終わりました。
でも、そこで立ち止まるわけにはいかない。半端なことでは、音楽の仕事を辞めてきた意味がなくなってしまう。そう思い、すぐに翌月末の受験日を再設定しました。

この頃から、資格取得にチャレンジするときは、受験日を日曜日の夕方に設定し、土日で直前まで勉強してから臨むというスタイルが定着しましたね。そして、何とか入社から4ヶ月目。ようやくSJC-Aの資格を手にすることができました。

しかし、資格を取ったからといって、現場の仕事が楽になるわけではありません。研修で学んだことは、まさに「お遊び」だったんだと痛感せざるを得ませんでした。

現場の仕事は規模、複雑さ、どれをとっても研修とは訳が違う。膨大な量のソースコードは、読解することすら一苦労。

当時はJavaのフレームワークといえばStrutsが主流で、XMLの設定ファイルにあれこれ書くのが大変で、凡ミスでよくエラーを起こしていました。

エラーの解決にも、とにかく時間がかかりましたね。いくら調べても原因が分からず、ただ時間だけが無駄に過ぎていく。エラーの原因を調べて、直して、再テスト…その繰り返しの日々でした。

それこそ、毎日終電まで頑張っていました。なぜなら、"仕事で役に立てている実感"が全くなかったから

何の成果も出せずに帰ることはできなかった。

前職で毎日13時間働く生活には慣れていたので、長時間労働には地味に耐性があったのはラッキーでした。

でも、長時間の頭脳労働には慣れておらず、毎日クタクタ。音楽の仕事は体力とセンスと基礎知識があればこなせるものでしたが、ITの仕事はそうではありませんでした。

仕事でなかなか結果を出せず、自分の力不足を毎日嫌というほど思い知らされる日々。胸がつかえるような苦しさを感じながら、それでも毎日仕事に向かっていました。

音楽の仕事のときは、それなりに活躍できていましたし、大体の仕事の段取りは覚えていたので、やるべきことは常にはっきりしていました。

スタジオで録音してくれたバンドにも感謝してもらえたりして、「仕事ができている」という実感があったんです。

その頃の自分と比べると、目の前の現実はあまりにも厳しかった。

「前の仕事に戻った方が良いのでは?」

そんな葛藤が、何度も頭をよぎりました。その度に僕は、「3年は頑張ろう」と自分に言い聞かせました。「今戻って情けない姿を晒すのか?何かしらIT業界で結果を出すまでは戻れないだろ?」と。
そうやって、なんとか自分を奮い立たせていました。


優しき同い年のOJTと、小さな成功体験


僕のOJT(On-the-Job Training)を担当してくれた先輩は、今にして思えば本当に優しかったですね。いくら調べても解決できないエラーログの解析に時間を割いてくれたし、怒るようなことはなく、静かに淡々と教えてくれました。

OJTとはいえ、お互い同い年。向こうは新卒でIT業界に入り3年目、僕は未経験中途の素人。普通なら遠慮やプライドも出てきそうですが、僕は「実力がなく教えてもらう身なのだから、礼儀と感謝をしっかり」と、余計な考えは全部捨てていました。このOJTの先輩とは、今でもたまに会う大切な友達です。

最初の案件では、Java以外にもバッチ処理をPL/SQLで組むことになりました。書籍を購入して知識を入れながら、PL/SQLと向き合う日々。

この時に担当したバッチは、もともとJavaで作られており、処理完了までに10時間近くかかる代物だったんです。それをPL/SQLに変えて性能を意識した実装に変えたことで、処理時間を15分程度にまで改善することができました。

思えば、これがIT業界で初めて「意味のある仕事ができた」と感じた瞬間だったかもしれません。この時に徹底的にSQLと向き合ったおかげで、今では自在にSQLが書けるようになったもんなぁ。

小さな成功でしたが、僕にとっては大きな一歩でした。


デスマーチとカルチャーショック

次の現場は、まさかのデスマーチでした。
協力会社が主導の案件で、うちの会社からは3名のチームで参画。協力会社のリーダーは初めてPM(プロジェクトマネージャー)を担当する方で、お客様との要件調整や要件引き出しの遅れ、進捗管理の甘さから、後になって大炎上してしまったんです。

ピーク時は毎日終電帰り。土日はどちらか出勤、月に何日かは完全徹夜という日々で、最高で月に380時間働いたこともありました。(今の時代ならヤバいよ。。)
私より後に入った同い年の社員と2人で、21時くらいにラーメンを食べてから、終電までもうひと頑張り。そんな生活を続けていましたね。

この炎上案件は結局半年くらい高稼働が続きましたが、何とかリリースを迎えて終了しました。この時、「杜撰なプロジェクト管理をすると、こういうことになるんだな」と、何となく肌に刻まれた気がします。

その次の案件では、さらに大きなカルチャーショックを受けました。
この案件は、僕の会社が請負でやっている案件で、自社のマネージャーが管理していました。

現場では、進捗とメンバーの作業が15分単位で管理される徹底ぶり。タバコ休憩で席を離れるパートナーさんも、その分稼働時間から減らす、というくらいまで徹底していましたね。

とにかくWBS(作業分解構造)がタイトでしたが、タスクは全てWBSにリストアップされていました。だから、「後でこの作業が抜けてたね」というようなことは、ほとんどなかったです。
ここは実力のある人はしっかり定時で帰ったりしていました。

管理が厳しいので、人に何かを聞くにしても、相手の時間を奪うからと、聞き方には本当に気を使いました。問題の背景や自分で何を調べたのか、その上で何がわからないのかなどを整理してから、有識者に質問に行くようにしていましたね。

そしてこの案件で、私は突如、管理側の作業をやることになります。入社してまだ2年目くらいの時だったので、管理手法もろくに知らず、現場の先輩に厳しく指導されながら必死に覚えていきました。

このプロジェクトは管理が厳しい反面、全体の品質は良く、スケジュールの遅延もほとんどありませんでした。合わない人はメンタルを病んだりしていましたが、お客様側から見ると、よく管理されたプロジェクトだったんだろうなと思います。

ここで、前回の大炎上案件との管理手法の違いと、システムの品質管理について、僕は大きなカルチャーショックを受けました。
プロジェクト管理と品質管理が、最終的なお客様への価値と、自分たちの時間の無駄な浪費を防ぐのかを、心で理解したのだと思います。

この経験があったからこそ、その後の私の仕事でもプロジェクト管理と品質管理は、特に強く意識を持つきっかけとなりました。


終わらない学びと、広がっていく世界


一方で、技術面ではいまだに自信を持てませんでした。成長はしていましたが、「自信を持って一人前です!」と言い切ることは到底できませんでした。

ITは技術分野が広すぎるんです。一つの現場だけで見ても、プログラミング言語、フレームワーク、DB、サーバーOS、その他様々なツールなどがあり、かつお客様固有の業務知識も覚える必要があります。

しかも、これが現場が変わると全く異なったりする。本当に広すぎる世界です。音楽のジャンルも色々ありますが、ここまで広くはない。

資格の取得にも継続してチャレンジしていました。SJC-Aの上位版であるSJC-Pは、2年目の時に取得できました。
現場が忙しかったので、通勤時間での勉強がメインです。

少しずつできることは増えていましたが、全く自信を持てない状況は続いていました。ただ、割とコミュニケーション能力は高かったこともあり、管理系の仕事は慣れるのが早かった。

技術力が足りないので、パートナーのベテランプログラマさんのソースレビューは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
もう途中から開き直って、「分かったフリ」をしてレビューするのをやめました。ソース内容を説明してもらって、分からないところはさらに説明してもらう。そして納得できるものならOK、という感じにしていましたね。
その中でパートナーのおじさんに教えていただくことも多かったです。
本当に感謝しかない。

一度、他のチームの方から「こっちのチームの機能について質問がある」と言われ、何となく怪しい記憶で回答したことがありました。後日、僕の回答を信じて機能を作ったその人は、テストでうまくいかずに僕に再確認に来ました。

実際、僕の回答は誤っていて、仕様が違ったんです。これが後に他にも波及してしまい、ちょっとした問題になったことがありました。
この時は本当に肝を冷やしましたね。これ以降、チーム間のQAに回答する時は、必ず裏取りをしてから回答するように徹底するようになりました。


ITの世界は本当に広大で、技術的な自信はまだまだでしたが、この3年間で、エンジニアとして、そして一人のビジネスパーソンとして、確実に多くのことを学び、成長できたと実感しています。次回は、僕のキャリアを大きく加速させた、さらなる「転換点」についてお話しします。どうぞお楽しみに!」

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