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【じーじは見た!】後編:日本の稼ぐ力には何が必要なのか?

Z世代応援団、未来世代応援のじーじです。

今回は、経産省主催の有識者会議『「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会』の取りまとめ資料からじーじなりの視点で内容を吟味しています。

本編は後編です。前編から読んでいただくと話が繋がります。


4️⃣ 稼ぐ力を強化する取締役会5原則 その1~価値創造ストーリー~

原則1(価値創造ストーリーの構築)

前編でお題目だけ確認した5原則の中の一丁目一番地です。
「自社の競争優位性を伴った※価値創造ストーリーを構築する。」とはいったい何なのか?

要するに今だけ良ければいいではなくて、未来においてもその企業が稼ぎ続けることができると確信するナラティブ(ステークホルダーの共感を生むストーリー)が重要だということです。

※ 長期的に目指す姿の実現に向けて、どのようなビジネスモデルを通じて、どのような社会課題を解決し、どのように長期的な企業価値向上に結びつけていくかに関する一連のストーリーを価値創造ストーリーと呼ぶ。

今月の日経新聞の「私の履歴書」は、キリンホールディングス会長CEOの磯崎氏ですが、キリンの価値創造ストーリーの評判は良く、高く評価されています。

磯崎氏が初回の投稿で述べておられたように主力のビール事業は、少子高齢化によるパイの縮小に加えて、健康志向アルコール飲酒に対する国際的な規制の強化からの需要減退もあって、何もしなければ企業価値は落ちて稼ぐ力が低下していきます。

そこで「プラズマ乳酸菌をはじめとした独自素材や技術を持つ強み」を活かしたヘルスサイエンス事業領域を拡大していくこと、人間の本来持っている免疫力を高める製品を開発・供給することでヘルスサイエンスカンパニーに変貌するナラティブをCEOが語っておられるのです。

何が企業の強みなのか?そして未来には何で稼ぐ企業になっているのか?

そんな未来の種まき投資を躊躇しないためにも、稼ぐ力強化のための取締役会の第1原則は、「価値創造ストーリーの構築」なのです。

5️⃣ その他の原則

原則2(経営陣による適切なリスクテイクの後押し)

原則3(経営陣による中長期目線の経営の後押し)

原則4(経営陣における適切な意思決定過程・体制の確保)

原則5(指名・報酬の実効性の確保)

日本人はというのか、日本企業も個人も実は短期志向で未来のあてっこが下手くそです。それはどういうことかというと正しくリスクを取ることが苦手で、リスク回避ばかりをやってきたので、稼ぐ力が衰えてきたのです。

そこを挽回するための取締役会の役割は、短期業績の話題は執行に任せて、取締役会としては「未来における会社のありたい姿」をテーマに目線を長期にした事柄を議論していくことが必要だと提言しています。

つぎのような事項をしっかりと定義して、取締役会の運営を機能させていくことが求められています。本研究会では下記に関する事例も多く示されています。

A)取締役会構成の見直し
①取締役会構成の見直し
②スキル・マトリックス
③経営戦略と取締役会構成の連動
④外国人取締役を含む取締役会運営

B)議長/筆頭社外取締役の役割定義
①議長等の配置方針及び役割
②議長の果たす役割

C)アジェンダ(議題)・議論活性化/ 権限委譲の見直し
①取締役会アジェンダ・運営
②戦略委員会(社長が委員長/社外取締役が委員長)の設置
③経営戦略に沿った委員会の設置
④デジタルツールの活用

D)実効性評価(取締役個人評 価含む)の透明化
取締役会実効性評価全体プロセス
②「実効性」の定義
③評価方法・個人評価のプロセス
④評価方法・個人評価の進展

E)エンゲージメントの促進
株主・投資家との対話の基本方針
②戦略委員会による対応

6️⃣ まとめ

最後に、研究会議論の全体像をまとめた資料からポイントをピックアップして「まとめ」を引用しておきますね。

政府がやるべきこと

政府として、企業経営者が大胆なリスクテイクを行い、事業ポートフォリオの組替えや積極的な成長投資を実行していくことを後押しするための制度環境整備(会社法改正等)を進めていく必要がある。

その際、我が国企業の企業経営や企業をとりまく資本市場の今後の変化を踏まえつつ、コーポレートガバナンスの運用面と法制度の一体的な見直しの議論を不断に進めていくことも必要である。

例えば、資本市場を含む多様なステークホルダーの意見が、取締役会を通じて企業経営に適切に反映できるようになるのであれば、株主総会と取締役会の権限配分の在り方について見直していくことも考えられる。

企業がやるべきこと

①適切なリスクテイクを伴う攻めの経営判断を行うことができる社長・CEO を選任する
②そこで選ばれた社長・CEO が、自身を支える強靭な経営チームを組成して、迅速・果断な意思決定を行い、事業ポートフォリオの組替えや積極的な成長投資を実行する
③その上で、取締役会が評価・検証プロセスを通じて、このような経営陣の実効性・持続性を高めていく、という全体メカニズムが実効的に機能することが必要となる。

その際には、取締役会と経営陣を対立関係や上下関係として捉えるのではなく、 役割分担として捉え、ともに持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するための「車の両輪」として、両者の機能強化を考えていくことが重要となる。


昭和の時代、多くのカリスマ経営者たちは、こうやって有識者がまとめてくれたことを自分の頭で考え、粗削りでも実践してきたのでしょうね。

それが85年までの戦後復興の成功方程式だったのだと思います。
しかし、その後の40年はどうやら欧米流の経営方程式が、戦後のカリスマたちが思い描いた経営を科学して先に発展させてきたのでしょう。

有識者が「企業がやるべきこと」としてまとめた内容の①②は、四半世紀も前のことになりましたが、正にゴーン改革そのものだと思います。しかし③が機能せず、現場のコミットメント疲れをまねき、ガバナンスが効かずに経営チームがゴーン親衛隊化してしまいゴーンさんを裸の王様にしてしまったことを忘れてはなりません。

昭和の良さも忘れずに振り返りながら、今から日本の反撃開始です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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