Nvidia_RTX_Nodes_ComfyUIと他のアップスケーラーの比較検証(静止画像)
先日Nvidia_RTX_Nodes_ComfyUIについての記事を書きましたが、あくまでもredditでの評価やもととなったRTX VSRに対する経験にもとづくもので、実際の出力での検証はしていませんでした。
その後、実際にアップスケール出力して他のアップスケーラーと比較しましたので記事としてまとめます。
なお先日の記事に書いたとおりNvidia_RTX_Nodes_ComfyUIは動画に使用するべきだと考えていますが、動画での検証は大変なのでとりあえずは静止画像を使った検証です。
2026/6/20: 実写系検証画像の「ノイズのような粒」は、アップスケーラーによるものではなくQwen-Image生成時からのものであることを追記
参考となるアップスケーラー解説記事
本記事では各アップスケーラーやHires.fix、ワークフローについての解説はしません。
アップスケーラーとHires.fix全般に関しては、きままさんのnoteに大変詳しい解説がありますのでそちらをご覧ください。
また本記事との関連は薄いですが、違った視点でのAIアップスケーラー解説記事がComfyUI Blogにあります。こちらも参考になる点が多いと思います。
検証方法
検証環境
CPU: Intel Core i5 14600KF
MB: MSI MAG Z790 TOMAHAWK WIFI
RAM: DDR-5600 128GB (64GB x2) ※Crucial CT2K64G56C46U5
GPU: Nvidia Geforce RTX 5090 (VRAM 32GB) ※Palit GeForce RTX 5090 GameRock
SSD: Samsung 990 EVO Plus 4TB
OS: Windows 11 Pro (25H2)
Driver: Game Ready 595.79 WHQL (2026/3/10)
Soft: ComfyUI v0.17.0 (2026/3/13),
Nvidia_RTX_Nodes_ComfyUI 2cda5ed (2026/3/11)Others: Python 3.12.12, torch 2.10.0+cu130, triton-windows 3.6.0.post25, sageattention 2.2.0+cu130torch2.9.0andhigher.post4, nvidia-vfx 0.1.0.1
ComfyUIの起動オプションは以下です。
--normalvram --preview-method auto --use-sage-attention --disable-xformers
検証に使用した画像
比較検証に使用する画像はアニメ系と実写系の2枚です。
アニメ系はWAI-illustrious-SDXL v16.0、実写系はQwen-Image-2512を使用して解像度896x1152で生成しました。
Qwen-Imageにとっては推奨解像度より小さいですが、ComfyUI-Upscaler-Tensorrtはアップスケール対象の画像解像度が1280以下という制約があるためSDXLの推奨解像度に合わせました。


細かい線が多いほうがアップスケールの優劣を比較しやすいと考え、雨とケーブルを含んだモチーフにしました。
検証手順
画像1と画像2それぞれに対して各種アップスケーラーで縦横それぞれ2倍にアップスケールして出力画像と処理時間を比較します。4倍をターゲットにしているアップスケーラーが多いですが、個人的によく使用するのが1.5~2倍であるためです。
処理時間は、No.1~14のワークフローを変えながら初回の時間を計測します。つまりアップスケール処理単体の時間のみではなく画像ファイルの入出力、各モデルの読み込み時間も含みます。
それぞれ4回実行し、もっとも短かった時間を記録します。
使用したアップスケーラー
以下のアップスケーラーおよびHires.fixを使用します。

No.1のNearestは整数倍アップスケールの場合は単純リサイズ(1ピクセルを整数×整数ピクセルにコピー)と同一になります。今回の比較の基準になるでしょう。
No.4~7のAIモデル型は4倍固定のため、アップスケール後にワークフロー内でLanczosで0.5倍にダウンスケールします。
No.12のRTX VSRが今回のターゲットです。QualityはULTRAを使用します。
No.13~14のHires.fixはA1111 WebUIによる命名ですが、アップスケール後に画像生成モデルでimg2imgして仕上げる手法として一般的だと思います。
アニメ系に対しては生成時と同じWAI-illustrious-SDXL v16.0を使用します(No.13)。
実写系に対してはZ-Image-Turbo (ZIT)を使用します(No.14)。ComfyUIのテンプレートに含まれる「Image Upscale: Z-Image-Turbo 2K」というワークフローを流用しています(そのままでは2Kになり2倍にはなりません)。ちなみにQwen-Imageでも同じことを試しましたがZIT以上の品質には仕上がりませんでした(プロンプトが悪かったか、QIEを使えばよかったのかもしれません)。
検証結果
完全な出力画像はRTX VSRのみ掲載します。他のアップスケーラーの出力画像は顔周辺の640x640サイズの切り抜きでまとめて掲載します。
4x-UltraSharpと4x-UltraSharpV2_LiteについてはUpscaler-Tensorrtを利用した場合と利用しない場合で出力画像にほとんど差がないため「5. 4xUltra」「7. 4xUltraV2 Lite」は省いています。
アニメ系


AIモデルを利用したアップスケーラーはいずれも加工感が強いです。
特に"Anime" と名の付くアップスケーラーはベタ塗りになる傾向があり加工感が強いです。
一方で4x-UltraSharp系は粒子感が残ります。V1よりもV2のほうが粒子感が強く、ノイズのように感じる場合もあります。絵画タッチのアニメ系には4xUltraのほうが合う場合もありますが、最終的には個人の好みだと思います。
これに対してRTX VSRはよく言えば加工感が弱めです。悪く言えばLanczosと大差がないように見える部分もあります。今回の画像ではLanczosと4x-UltraSharpV2(Lite)の中間でやや4x-UltraSharpV2(Lite)寄りといった感じでしょうか。個人的にはボケ感があり物足りなく感じます。
WAIを使ったHires.fixは何の不満もありません。
実写系


"Anime" と名の付くアップスケーラーは実写系画像には合いません。今回はあくまで参考として出力しただけです。
4x-UltraSharpもV1はかなり加工感が強くなり、肌がイラストのようになってしまいました。逆にV2はノイズのような粒が各所に現れ汚くなってしまいました。この現象はLanczosにも少し見られますが、それがより強調されてしまった感じです。今回の画像とは相性が悪かったのかもしれません。
2026/6/20追記:上記の「ノイズのような粒」は、アップスケーラーによるものではなくQwen-Image生成時からのものでした。Animeアップスケーラーは平面的に塗りつぶすためノイズが目立たなくなりますが、実写系アップスケーラーは元の質感や輪郭がシャープになるようアップスケールするため、元のノイズが目立つことになってしまったようです。
Qwen-Imageのノイズ問題は以下サイト等で言及されています。
https://github.com/QwenLM/Qwen-Image/issues/51
"High frequency artifacts and unsharp generations"
QwenLM/Qwen-Image @GitHubhttps://huggingface.co/Qwen/Qwen-Image/discussions/52
"Halftone pattern and artifacts around edges of objects in the generated images"
Qwen/Qwen-Image @Hugging Facehttps://www.reddit.com/r/StableDiffusion/comments/1oytasv/
"Get rid of the halftone pattern in Qwen Image/Qwen Image Edit with this"
r/StableDiffusion @reddit
RTX VSRはやはり加工感が弱めで、Lanczosと大差がないように見える部分もあります。今回の画像ではLanczosと4x-UltraSharpV2の中間でややLanczos寄りといった感じでしょうか。4x-UltraSharp系の出力が良くなかったため今回の出力の中では悪くない結果だと思います。
ZITを使ったHires.fixは顔が少し変わってしまっていますが自然です。
処理時間
処理時間は以下の結果となりました。

RTX VSRはUpscaler TensorRTと同等の処理時間です。これが最大のメリットだと思います。
そして今回の検証目的ではありませんでしたが、4x-UltraSharpV2の遅さを再認識しました。さすがにESRGAN使用のHires.fixよりも遅いとは思っていませんでした。
まとめ
Nvidia_RTX_Nodes_ComfyUIで実際に静止画像をアップスケール出力して他のアップスケーラーと比較しました。
出力画像に関してはWebブラウザや動画再生アプリで使用できるRTX VSRと同じで加工感が弱くボケ感があり、実写系に対しては使える場合もあるかもしれませんがアニメ系に対して使うには物足りないという感想です。
そもそもは先日の記事に書いたとおり、静止画像に対しては単体のアップスケールよりもHires.fixを使うことが多いと思います。今回は試しませんでしたが、実写系画像に対するHires.fixでのアップスケーラーとしてRTX VSRを使ってみるのもよいかもしれません(Hires.fixではアップスケーラーの画質の良し悪しは出づらいですが)。
動画に対してはSeedVR2やFlashVSRが高品質ですが処理時間がかなり長いので、RTX VSRを使ってみるのもよいと思います。
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