Stable Diffusion A1111系WebUIまとめ⑤ ~ 画像比較編 ~
「Stable Diffusion A1111系WebUIまとめ④ ~性能編(Loraあり)~」の続きです。このシリーズは今回でいったん最終回とします。
それぞれのA1111系WebUIの生成画像について、どういう場合に違ってどういう場合に同じになるかや、優劣についての私見をざっくり書くだけなので、技術的なことや核心的なことには期待せずお読みください(まとめるのはとても大変でしたが)。
今回も私の環境における結果ですので、GPUのメーカーや世代が異なる場合などは別の結果になると思います。
関連記事一覧
① 基本編
② 機能編
③ 性能編(Loraなし)
④ 性能編(Loraあり)
⑤ 画像比較編 ※この記事
概要
プロンプト、サンプラー、ステップ数、seedなど、画像ファイルのメタデータに記録されるような各種のパラメータを同じにしても生成画像が変わることについては、私の過去記事でも書きました。
まとめると、メタ情報が同じでも生成画像が変わる要素は私が挙げられるものだけでも以下のようなものがあります。
ツールの違い
A1111、Forge、reForge、Classic、Neo、ComfyUIなど、ツールによって画像が少し変わります。ツールのバージョンの違い
大幅な内部処理変更があった場合にバージョンによって画像が少し変わることがあります。PyTorchのバージョンの違い
PyTorchのバージョンによって画像が少し変わることがあります。最適化の違い
最適化の種類によって画像が少し変わります。処理精度や処理設定の違い
fpの精度を変更したり、Epsilon scalingなどの処理を有効にする起動オプションや設定によって画像が少し変わります(今回は触れません)。GPUの違い
GPUのメーカーや世代によって画像が少し変わることがあります(今回は触れません)。
「性能編」において各ツールを様々な最適化設定で性能評価しましたが、同様に生成画像の違いについてもまとめました。
検証環境
生成画像に影響がありそうな環境の情報は以下のとおりです。
GPU: Nvidia Geforce RTX 5090
Driver: Game Ready 591.86 WHQL (2026/1/27)
生成内容
過去記事の生成内容を流用しました。
「Stable Diffusion A1111系WebUIまとめ③ ~性能編(Loraなし)~」
832×1216:神里綾華ベンチマーク(画像1)


確認したツール/バージョン/最適化、生成画像の違いの有無
表1が今回生成画像を確認したツール/バージョン/最適化の一覧です。

生成画像が同じだったものについて備考欄に記載しています。
逆に備考欄に何も記載されていないものは他のいずれとも違う画像ということです。
※ 目視で分からない違い(一部のドットについてRGB値が1のみズレるなど)は「同じ」と扱っています。
※ Classicと旧NeoはPyTorch 2.10でのFP16 accumulationに未対応でした。
表1から生成画像の「違い」の有無について気づくことは以下です。
A1111系WebUIでPyTorch 2.10.0の場合、pytorch attentionとxformersの生成画像は同じ
ComfyUIの場合は変わります。
詳細は過去記事「RTX 50ユーザーはxformersを窓から投げ捨てろ(動作させる方法もあるよ)」をご覧ください。旧Neoのpytorch attentionと新Forgeのpytorch attentionの生成画像は同じ
Neoは新Forgeの最終版 (dfdcbab) からforkしており、Neo 2.9で大きなメモリ管理変更がされるまで、SDXLの画像生成に関わる処理変更がなかったためだと思われます。旧Forgeと新Forge、旧Neoと新Neoの生成画像は違う
それぞれ大きな内部処理変更があったためだと思われます。
ただし旧Neoと新Neoのsageattensionでの生成画像は同じです。
また旧reForgeと新reForgeの生成画像は同じです。
ツール/バージョン/最適化による生成画像の違いの例と優劣についての私見
生成サンプルが少なすぎるのでツール/バージョン/最適化による生成画像の違いについて何か確定的なことが言えるわけではありませんが、感じたことはおおよそ「PyTorchのバージョンによっても画像は変わりますよ」で書いたことと同じです(あくまで私見です)。
全体的な雰囲気、輪郭、顔はどれも似ている。
髪型の細部、飾り、服や背景の模様などの装飾的なものは結構変わる。
人体構造が破綻するSeedではどのツール/バージョン/最適化でもたいてい破綻しているため優劣は無いと感じる。
指の本数、形、長さが変わることがある。seedによって正しく見えるツール/バージョン/最適化は変わるため優劣は無いと感じる。
全体的な雰囲気、輪郭、顔、人体構造は精度や処理が違っても近い値に収束しやすく、模様や手指はそもそも不安定で少しの精度や処理の違いで変化しやすいのだと思います。その変化が良い結果になるか悪い結果になるかはSeedによって変わり、ツール/バージョン/最適化の優劣は(あるかもしれませんが)ほとんど無いように感じました。
表1のComfyUIを除いたNo.1~No.32(同じものを除いた23通り)の組合せで画像1と画像2をbatch count=9で9枚ずつ(①~⑨)生成し、刀の構造が変だとか、障子の間隔が均等でないとか、構えが変とかは無視して、人体構造/指の本数・形・長さが明らかに破綻しているものは×、正常なものは○とした結果をまとめたのが表2です。

ツール/バージョン/最適化いずれで見ても、人体構造/指の本数・形・長さが破綻するかどうかはバラバラで、法則のようなものは無いと思います。
No.19 (reForge, torch 2.10.0, sageattention) は画像1では正常率が最低でしたが、画像2では上から2番目に良い結果になっています。
No.5 (A1111, torch 2.10.0, pytorch attention) は画像2では正常率が最低でしたが、画像1ではほぼ平均値です。
すべての画像を載せるのは大変なので、代表的なものとしてNo.5 (A1111), No.19 (reForge) , No.24 (Classic), No.32 (新Neo)の生成画像のみ載せておきます。
ツールや最適化によらず、微妙な変化で手指が破綻したりしなかったりすることの参考になると思います。
画像1
画像③④⑤は正常率0%ですので、それ以外の画像を正常に生成できるかどうかがポイントになります。

偏差値51.5
破綻:③④⑤⑥
※平均的。画像⑥は正常率30%の難しいseedで、右手が破綻しました。

偏差値17.2
破綻:③④⑤⑥⑦
※正常率最低。画像⑦は正常率87%ですが右手が破綻しました。
画像⑧の構えが他と違うのも特徴です。

偏差値51.5
破綻:③④⑤⑦
※平均的。難しい画像⑥は破綻せず、簡単な画像⑦で右手が破綻しました。

偏差値68.6
破綻:③④⑤
※正常率最高。
画像2
画像⑥⑨は正常率0%ですので、それ以外の画像を正常に生成できるかどうかがポイントになります。また画像③は正常率4%で特に難しい画像です。

偏差値22.7
破綻:①③⑥⑧⑨
※正常率最低。画像①は正常率87%、画像⑧も57%ですがそれぞれ左手と右手が破綻しました。
画像③の右腕の破綻の仕方も他と比べて酷いです。

偏差値61.9
破綻:③⑥⑨
※正常率2位。正常率13%の画像③の左手が正常でした。

偏差値71.7
破綻:⑥⑨
※正常率最高。画像③を唯一破綻せず生成できました。

偏差値52.1
破綻:③⑥⑨
※平均的。
まとめ
「Stable Diffusion A1111系WebUIまとめ」シリーズの最終回として、それぞれのA1111系WebUIの生成画像について、どういう場合に違ってどういう場合に同じになるかや、優劣についての私見をざっくりまとめました。
サンプルが少ないと言いつつも、画像2種 × seed9種 × 組合せ36種 = 648種の画像を比較することになったのでまとめるのはとても大変でしたが、特に法則性は無く「破綻」に関しては運次第、生成画像の良し悪しもseedや個人の嗜好次第だと思いました。
ですので画像の違いについてはあまり悩まずに、好みのツールや生成時間が短い最適化を使って試行回数を増やしたほうが個人的にはよいと思います。
個人的にはこのシリーズの第1回を書いた時点でreForgeからClassicに乗り換えるつもりだったのですが、いろいろ検証した結果でreForgeを使い続けることにしました(ComfyUIと使い分け、併用)。
決め手は拡張機能の互換性と性能です。
皆さんのツール選択の参考になれば幸いです。
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