アメリカ大統領決定リーグ戦・4

地上最大の選挙戦、2016年アメリカ大統領選挙をスポーツ観戦的にウォッチングする第4弾。

ちょっと目を離していると、どんどん進んでしまう候補者選びですが、序盤のヤマ場だった「スーパーチューズデイ」「ミニ・スーパーチューズデイ」から1カ月ほどが過ぎました。その後の情勢はどうなんでしょうか?

まずは、与党つまりディフェンディング・チャンピオンの民主党から。とはいっても現チャンピオンのオバマ大統領は出馬できないわけですので(3選は禁止)、厳密にはディフェンディング・チャンピオンではないですが。

3月15日の「ミニ・スーパーチューズデイ」前にはこんな状況でした。

  ヒラリー・クリントン  1099 + 465 = 1564

  バーニー・サンダース   774 +  24  =  798

向かって左側が獲得した誓約代議員数、右側が特別代議員の数で、その合計が右側。ご覧のとおり、ほぼダブルスコア

民主党の候補者選びでは、予備選挙/党員集会の結果どおりに党大会で投票しなければいけない誓約代議員と、各州選出の上院議員などで構成され党大会では自由に投票できる特別代議員の2通りがいます。その割合は、誓約代議員4051人に対して、特別代議員714人。つまり民主党の代議員総数は、4765人で、党大会での指名獲得に必要な過半数は2383人になります。

これを踏まえるとヒラリー陣営が圧倒的に優位に見えますね。過半数制圧まで、あと800人ちょっとですから、もう一押しって感じでしょうか。

ところが、「ミニ・スーパーチューズデイ」後の連戦で、やや潮目が変わりました。3月22日のアリゾナ、アイダホ、ユタ、26日のアラスカ、ハワイ、ワシントン、4月5日のウィスコンシン、9日のワイオミングの8戦を経た両候補の獲得代議員数はこうなっています。

  ヒラリー・クリントン  1310 + 477 = 1787

  バーニー・サンダース  1094 +  38  = 1132

その差は誓約代議員で216(前回までは325)と縮まってきています。なによりも、アリゾナを除く7州の選挙でサンダース候補が7連勝! イメージ的には猛然と巻き返しに出た感じですね。

こうなると微妙なのが、党大会での投票が自由な特別代議員たちの動向です。現時点ではヒラリー支持が圧倒的ですが、彼らが態度を変更すれば情勢は一気に混沌としてしまいます。

ヒラリー陣営としては、党大会前に過半数の2383人を、出来ればほぼ誓約代議員で確保して、サンダースを撤退に追い込みたいところですね。

さて、いっぽうの共和党は?

「ミニ・スーパーチューズデイ」終了後の状況は、こうでした。

  ドナルド・トランプ  693

  テッド・クルーズ   422

  ジョン・ケーシック  144

「ミニ・スーパーチューズデイ」で、地元フロリダでの戦いに敗れたマルコ・ルビオが撤退を表明し、レースは3人に絞られています。

このままトランプ優位で進み、早いうちに決着するかもという状況でしたが、こちらもやや潮目が変わった感じです。

民主党とはスケジュールが違い、3月22日のアメリカ領サモア、アリゾナ、ユタと、4月5日のウィスコンシンの4戦のみが消化されています。

共和党の代議員数は2472人。つまり指名獲得に必要な過半数は1237人

  ドナルド・トランプ  755

  テッド・クルーズ   521

  ジョン・ケーシック  144

圧倒的かと思われたトランプ候補が62人の上積みなのに対し、追うクルーズ候補はなんと99人を上積み。前回までの差が271人だったのに対し、234人と少しばかり詰めてきました。

まだ両者の差は大きいようにも見えますが、共和党の候補者選びで油断ならないのは、各候補の得票数に応じて代議員を分配する方式(民主党は全部このシステム)をとらず、勝ったほうの候補が全代議員を獲得できる「勝者総取り」システムを取っている州が多いこと。だから、一発逆転の可能性があるのです。たとえば、残る大票田のカリフォルニア(172人)がこのシステム。ここで一気に大逆転もあるかも

さらに共和党では、前回もちょっと触れた「トランプ包囲網」の動きもあります。まだまだ決着はつきそうにないですね。

4月19日には、次なる大票田であるニューヨーク州の戦いがあります。ますます面白くなり、かつ盛り上がることを期待して、見守りましょう。

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