平成30年・九州場所雑記
場所前には誰も予想しなかった、小結・貴景勝の初優勝で、平成30年の大相撲は幕を閉じました。
先場所全勝優勝の白鵬、ここまで年間最多勝のトップだった鶴竜の両横綱が場所前から休場を発表。唯一残った稀勢の里は初日から4連敗を喫して全敗のまま途中休場と横綱不在の場所となり、加えて大関・豪栄道も途中休場、栃ノ心は絶不調と、上位陣が締まらない場所になりましたが、貴景勝をはじめとする若手陣の活躍で救われた感があります。
小結の優勝は、非常なレアケース。大相撲で場所ごとの優勝を表彰するようになって以来、およそ110年、489回のうち、小結の優勝はわずかに9回目。前回が魁皇で平成12年5月場所ですから、おおよそ18年ぶりです。
かつては不吉だった「初優勝が小結」フラグも、平成になってからは貴乃花、若乃花、魁皇と、小結優勝者がいずれも大関以上に昇進し、払しょくされた感がありますね。【参照→史上最強の小結】
貴景勝は兵庫県芦屋市の出身。私はかつて芦屋市の隣の西宮市に住んでいたことがあるのですが(いや関係ないけど)、関西の高級住宅地として知られえる芦屋市の出身者が幕内優勝を果たしたのは、これが初めて。芦屋市長は名誉市民賞のひとつも出すべきでしょう。
今年名古屋場所に御嶽海が優勝した際には「長野県出身力士の優勝は史上初」と盛んに報道されましたが、では貴景勝の「兵庫県出身力士の優勝」は何度目でしょう?
じつはこれまでに、わずかに2人(3回)しかない、これもかなりのレアケースなのです。過去の2人は、姫路市出身の初代・増位山(昭和23年秋場所と昭和24年夏場所)と、神戸市出身の貴闘力(平成12年3月場所) これで通算4回目となり、千葉県に並びました。
さて、千秋楽結びの一番まで可能性を残しながら大魚を逸した大関・高安。不調ぞろいの上位陣の中で唯一気を吐いたのですが、初優勝は寸前でお預けとなって、やはり残念でしょう。
これで今年は、初場所、春場所、九州場所と、じつに3度目の準優勝となりました。まあ年間3回くらいはさほどめずらしくはないのですが(平成28年の稀勢の里は4回を記録しています)、3回のうち2回は下位に優勝をさらわれているので、本人は悔しいでしょう。なんか「優勝に縁がない」ようにも見えますが、来年こそは賜杯を抱きたいものですね。
十両優勝も千秋楽までもつれましたが、こちらは単独トップに立っていた友風が勝って、すんなり優勝を手にしました。おめでとう。
ちなみに友風は、わが地元・川崎市の出身(川崎区)
川崎市出身の関取はずいぶんひさしぶりな気がしたのだが、そうそう、元小結の隆三杉がいたよなと思いだした。なんと、今場所幕内優勝の貴景勝の師匠である千賀の浦親方、その人なのでした。そうか、今場所は川崎場所だったのか(笑)
その千秋楽結びの前に、すったもんだした一番があったように、今場所はなにやら騒然とすることが多かった気がします。
毎日見ていてちょっと気になったのは、取組中に足を滑らせる力士が多かったこと。いや回数を数えたわけではないし、勝敗に直結したものばかりではないので、印象にすぎませんが。
本場所の土俵は、場所ごとに築かれ、そのつど使い捨てられる消耗品。なので場所ごとにその品質が変わるのはいたしかたないことでしょう。また冬場は気候が乾燥するので、土俵づくりはむずかしいそうです。
優勝を賭けた貴景勝の千秋楽の一番でも両足がズルっといった場面があったし、何日目だったか、土俵の一角が崩壊した日もありました。初場所はそんなことが無いよう、呼び出しのみなさんは頑張ってください。
6場所中3場所で関脇、小結、平幕の下位力士が優勝をさらうという波乱の一年も、これで終了。若手の台頭があり、一方でその若手たちも、もうひとつ伸び悩みと、まだまだ群雄割拠の戦国時代とはいかないようですが、来年も楽しめそうです。
