その仕事が気が重いのは時間がかかるからじゃない|Claude Codeで仕事を軽くする方法
「あれ、まだやってなかったな」
「今日はちょっと無理だから、明日の朝イチでやろう」
なんとなく気が重くて「先延ばし」にしている仕事はありませんか?
先週から「あとでやる」と3回思った仕事がなかなか手につかない…。
私は人事として約10年働いてきました。
いまは個人の活動で、AIエージェント(Claude Code)に仕事を任せる実験を続けています。
その両方の経験から、今日は「気が重い仕事の正体」と「Claude Codeを使った気が重い仕事の解決策」について書きたいと思います。
この記事でわかること
「気が重い」仕事の正体とは?
気が重い仕事の4つの型と、Claude Codeで仕事を軽くする方法
実演:年度末の組織変更を帳票ごとAIに渡すとどうなるか
4,000字ほどの記事です。
読み終わったときには、自分の「気が重いリスト」のどれから渡すか、決められる状態になっています。
そう聞いただけで、Claude Codeを使ってみたくなりませんか?
「月曜の朝が重い」という方は、ぜひ最後までお読みください。
※これから出てくる資料と会社は、すべて実演用に作った架空のものです(会社名・人名・数字はすべて架空)。
「気が重い」の正体は「時間が掛かるから」ではない

気が重い仕事を紙に書き出してみたことがあります。
並べてみると共通点がありました。
どれも「時間が掛かる仕事」ではありませんでした。
「白紙から始まる仕事」でした。
メールの返信の文面が白紙。
資料の構成が白紙。
どこから手をつけるかが白紙。
作業そのものより、最初の一歩を考えることに心のコストがかかっています。
着手した後より、「着手する前」がいちばん気が重いのはこのためです。
「やり始めたら意外とすぐ終わった」という経験は、誰にでもあると思います。
あれは怠けていたのではありません。白紙のコストが高かっただけ。
ここが分かると、AIの使いどころが変わります。
AIが効くのは「速いから」ではありません。
「下書きの状態から始められるから」です。
白紙の仕事が、直すだけの仕事に変わる。
気が重い仕事ほど、この変化が大きく効きます。
では、気が重い仕事には、どんな型があるのでしょうか?
気が重い仕事はだいたい4種類

自分の書き出した「気が重い仕事」リストは、ほぼこの4つに収まりました。
①先延ばしにしている返信
長文のメールが来て、読むだけで面倒なとき。
内容が難しくて、理解が追いつかないとき。
そして、自分だけでは判断できないとき。
3つ目が曲者です。
判断待ちの返信は、時間があっても書けません。
このタイプは、AIに「返信に必要な判断は何か」を先に整理させると動き出します。
長文の要約と返信の下書きまで含めた手順は、こちらの記事に書きました。
②ミスが怖い転記・チェック
私の場合は、経費と人員管理の仕事が厄介でした。
役員会に出す人員関係の資料を作っていたころ、数字を間違えるのが本当に嫌でした。
何回かミスをして、気づいた人から指摘されたことがあります。
怖いのはミスそのものより、指摘される瞬間でした。
このタイプは後半の実演で扱います。
③白紙から作る資料
新しい提案の資料が「白紙から作る資料」の典型です。
以前は「どういう切り口にしよう」と悩むところから始まっていました。
いまは、詳細をばーっと打ち込めば、切り口の違う案がClaude Codeからいくつか返ってきます。
悩むところから始まっていた仕事が、相談するところから始まる。
仕事のスタート位置が、明らかに変わりました。
④億劫な調べ物
調べ物自体は、AIで簡単になりました。
大事なのは「どの切り口で調べるか」と「ファクトチェック」です。
1人のAIに全部聞くと、意見が1つしか出てきません。
Claude Codeには、調べる係を複数に分けて同時に走らせる機能があります(サブエージェントと呼びます)。
「公式の一次情報を読む係」「体験談を集める係」と係を分けて同時にタスクを走らせることができます。
係を分けると、AIからの回答の偏りが減ります。
「そういう機能がある」と知っておくだけで、調べ物の設計が変わります。
サブエージェント機能については、また違う記事で紹介したいと思います。
4つの型のうち、今日は②を実際にClaude Codeに任せてみます。
実演|年度末の組織変更を帳票ごと渡してみた

前職の会社は900名ほどの規模でした。
年度末に組織が変わるたび、人員関係の帳票を作り替える仕事がありました。
帳票は何個もあり、下手をすると帳票の修正に1週間かかっていました。
あの仕事をいまのAIに渡したらどうなるのか?
架空の会社を作って、試してみました。
用意したもの
実演用に「株式会社サンプル精機」という架空の会社を用意しました(100名・4本部)。
Claude Codeに最初に渡したファイルは2つです。
社員名簿(100名分のCSV)
組織変更の通知文(部の分割・統合・名称変更など。ただの文章です)
渡すといっても、ファイルを1つのフォルダに入れて、読むように頼むだけです。
指示はこれだけです。
社員名簿と組織変更通知を読んで、
2026年度の新組織で次の3つの帳票をExcelで作ってください。
①部署別人員表
②役職別人員表
③前年度対比の増減表
旧組織と新組織のどこがどう対応しているかも分かるようにしてください。記事にするために丁寧に書いていますが、「組織変更を反映した人員表を作って」くらいの軽い指示でも動きます。
結果
「3分52秒」で、Excelの帳票4シートが出てきました。
対応関係も分かるようにとは頼みましたが、それが独立した1枚の「新旧組織の対応表」になって出てきました。
旧・営業1部第3課が新・営業2部になった、という対応関係の一覧です。
100名の会社は、前職の900名よりずっと小さな規模。
実際の環境では、ここまで思い通りには進まないので、この何倍もかかります。
それでも、実務作業の山場の位置は変わりません。
組織変更で部署が消えたり増えたりすると、前年度と単純に比較できなくなります。
昔の私は、この読み替えを頭の中で整理するのに何日も使っていました。
3回走らせた話
正直に書きます。
この結果が出るまでに、「3回」走らせています。
1回目は、増減表が「どの部署も人数の増減なし」という結果で出てきました。
考えてみれば当たり前で、組織変更は箱の組み替えなので人数は動きません。
年度替わりには入退社があるという前提が、渡した2つのファイルのどこにも入っていませんでした。
入退社リスト(退職4名・新卒入社7名)を追加で渡して、やり直しました。
2回目は、合計行の増減だけがゼロのまま固定されていました。
明細は合っているのに、合計だけ間違っている。
人が見なければ、そのまま通っていた数字です。
3回目で揃いました。
人数の検算(退職4名・入社7名で、100名が103名になっているか)は、最後に自分の目で確かめました。
役員会の資料で数字を間違えて、指摘されるのが嫌だった。
その話を先ほど書きました。
AIに渡しても、間違いは出ます。違うのは、間違いが見つかる場所です。
会議の席ではなく、自分の手元で見つかる。
しかも、出し直しが3分で終わる。
指摘される前に、自分で見つけられる。
しかも実務はほとんどAIエージェントが代行してくれる。
ほんの2〜3年前と比較しても、実務をAIに任せられる「レベル」と「範囲」が劇的に変わりました。
AIエージェントに指示を渡すときの3つのコツ

実演でやったことをコツとして3つにまとめます。
①白紙で渡さない
「いい感じに帳票を作って」では、AIも白紙から始めることになります。
去年のファイル・名簿・通知文など、手元にある材料を全部渡すのが先。
材料を渡すほど、返ってくる下書きの精度が上がります。
②完成品を期待しない
実演では3回走らせました。
1回目の「どの部署も増減なし」は、こちらの渡し忘れが原因でした。
間違いは出る前提で、確認する時間ごと見積もる。
それでも白紙から自分で作るより、ずっと早く終わります。
AIの精度が高いからといって、一発で完璧な回答が出るわけではありません。
何回もAIとやりとりをして、MDファイルをアップデートすることで、精度がどんどん上がっていきます。
「MDファイルって何?」という方は、こちらの記事もお読みください👇
最後の確認と提出は自分で
合計行のバグは、人が見たから見つかりました。
人間の作業と同じで「ダブルチェック」は必須です。
「数字の確認」作業や「最終提出のボタンを押す」作業は人間の仕事です。
ここを渡さないから、安心して他を渡せます。
会社でAIエージェントを使えなくても始められる

「うちの会社では、AIにデータを渡せない」という方も多いと思います。
それでも、始められることはあります。
自分の手元の作業から始めることです。
会社のデータを使わず、架空のデータで型を作っておく。
今回の実演も、実データはひとつも使っていません。
それでも「組織変更の帳票をAIに渡す」という型は、手元に残りました。
型といっても、指示文と手順のメモ。
次に本物の組織変更が来たら、同じ指示文を貼るところから始められます。
AIを取り巻く環境には、時代が絶対に追いついてきます。
今はAIエージェントを使えない人も、そう遠くない未来(下手をすると数ヶ月後)にAIエージェントを使う未来がやってきます。
AIの進化スピードと世の中への広がり方は私たちの想像をはるかに超えてきています。
明日、会社でAIエージェントを使えるようになったとして、取り残されずにいられますか?
型を持っている人は、会社のルールが変わった日に、その日から動けます。
まとめ|変わったのは仕事の始まりの位置
今回の持ち帰りは3つです。
気が重いのは、時間がかかるからではなく、白紙から始まるから
AIが効くのは、速いからではなく、「下書きの状態」から始められるから
間違いは出る。ただし、見つかる場所が会議室から自分の手元に変わる
今日やることは1つ。この3ステップです。
自分の「気が重いリスト」を3つ書き出す
そのうち、白紙度がいちばん高い1つを選ぶ
手元の材料を渡して、下書きだけ作らせる
リストが会社の仕事ばかりで材料を渡せない場合は、私用の1件(家の手続きや調べ物)から試してください。
①の返信や③の資料づくりなら、ChatGPTでも今日から試せます。
ファイルを読ませてExcelまで作らせる②のような仕事が、Claude CodeなどのAIエージェントの領域です。
出てきた下書きは、たぶん完成品ではありません。
それでも、白紙(1からの仕事)は消えています。
悩むところから始まっていた仕事が、相談するところから始まる。
始まりの位置が変わると、月曜の朝の重さが変わります。
Claude Codeが初めての方は、始め方をこちらにまとめています。
HITO|現役人事×AI実運用
元採用担当。人事・事務の実務にAIエージェントを持ち込む実験を発信しています。
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