自由な人ばっかり好きになってしまう。―― 金星てんびん座と、痛い恋の話【後編・ホロスコープでほどく】
あのバーの角の席で、
「絵になる二人」でいられる夜に酔っていた頃の話を、前編で書きました。
後編では、その恋をいちどホロスコープの上に乗せて、
「なんであんな人ばっかり好きになってたんやろ?」を、
星越しにほどいていく夜のことを書いていきます。
第4章 ホロスコープを、やっと自分に向けた夜
そんな関係が、どれくらい続いたんやろ。
はっきり「終わった日」っていうのは、実はない。
既読スルーされたまま放置、とか、
派手なケンカ別れ、とかでもなくて。
ただ、
彼の「ふらっと来るペース」が、
すこしずつ、すこしずつ伸びていった。
前は一週間空いたらそわそわしてたのに、
気づいたら一ヶ月空いても、
「まあ、あの人やしな」で済ませてしまってる自分がいて。
ある夜ふと、
バーの前を通りかかったとき、
わたしはそこで立ち止まらんと、
そのまま素通りした。
あ、と思った。
からだが先に、
この物語から降りてた。
心だけが、
まだあのカウンターの角の席に座ってた。
星は、ずっと前から観れてた。
人のホロスコープを開いて、
恋愛のクセを一緒に笑ったり、
痛い別れを星越しにほどいてあげたり、
そういうことは、仕事みたいに普通にやってきた。
でも、自分の恋だけは、
わざとホロに乗せへんようにしてた。
「自分の恋まで星で見たら、おしまいやろ」
って、どこかで思ってたから。
答えが見えてしまうのが、怖かったんやと思う。
「この人、長続きせえへんやろな」とか、
「ここで手放したほうがいい」とか、
そんなことを、星に言われたくなかった。
だからわたしは、
星を仕事用の引き出しにしまって、
自分の恋には使わんって決めてた。
――はずやった。
その夜だけは、
どうしても、見ずにはいられんかった。
家に帰って、
テーブルの上にホロのノートを広げる。
仕事の相談じゃなくて、
「りりすの恋愛相談」として、
自分のチャートを真正面から開いたのは、
そのときが初めてやった。
真ん中の円の中に、
ぐるっと12の部屋。
そこに、ひとつずつ、
いつものように記号を書き込んでいく。
太陽さそり座、2ハウス。
月いて座、3ハウス。
ASCおとめ座。
ここまでは、
「知ってる、知ってる」って感じで、
いつもの占いモードのわたしやった。
でも、
金星:てんびん座 1°43’(1ハウス)
ネプチューン:みずがめ座 1°48’(5ハウス)
天王星:みずがめ座 13°00’(5ハウス)
そのラインを見た瞬間、
胸のどっかを、ぐっと掴まれた。
「……うわ。
やっぱり、ここか。」
てんびん座の金星1ハウスは、
「絵になるわたしとあなた」に、どうしても惹かれてしまう。
みずがめ座5ハウスのネプチューンと天王星は、
「普通ちゃう恋」「名前のつかへん関係」「ふいに現れる自由人」を、
ドラマのキャストみたいに連れてきてしまう。
それ、ずっと人のホロでは言えてたのに、
自分には適用したくなかったやつや。
でも、円の上には、
はっきりと、その組み合わせが並んでる。
「自由人に、物語として恋してしまう配置です」って、
教科書みたいに書いてある。
わたしはペンを持ったまま、
ちょっと笑ってしまった。
「もー……そらそうなるやん、って感じ。」
あのバーで、
約束せえへんくせに台詞だけキレイな人を選んだのは、
わたしの見る目が悪かったからやない。
わたしの金星とネプチューンと天王星が、
そろって拍手してたから。
太陽さそり座2ハウスは、
ほんまは「ちゃんと向き合ってくれる人」が欲しかったはずやのに。
そこに、
5ハウスのネプチューンが霧をかけて、
天王星が「このほうが面白いで」って火をつける。
「これ、仕事で見てたら一瞬で分かるのに。
自分の恋の話になった途端、
いちばん見たくなかったところに蓋してたんやな。」
ホロスコープそのものは、
ずっと前から観れてた。
でも、
「自分の痛さ」を星の上に置くことを許したのは、この夜が初めてやった。
そのとき、
やっとひとつだけ、素直に思えた。
「あの恋は、
わたしがダメやったからやなくて。
“この配置で夢見すぎた”っていう、
ひとつの脚本みたいなもんやったんやな。」
そうやって自分で言えたとき、
やっとほんの少しだけ、
あのバーの角の席から立ち上がれた気がした。
第5章 あの恋がくれたもの、わたしが取り返したもの
ホロを見たあと、
すぐに彼のことを忘れられたわけじゃない。
スマホの中のメッセージ履歴は、
しばらくそのまま残したままやったし。
バーの前を通ったら、
いまだにちょっと足が止まりそうになる自分もいた。
でも、前と違ったのは、
「また同じパターンにハマりそうになったら、
そのたびにホロを思い出せるようになった」
ってこと。
・てんびん座の金星が、
「絵になる二人」を求めてくる。
・みずがめ5ハウスのネプチューン&天王星が、
「普通じゃない恋のほうがおもろいで」と囁いてくる。
そのたびに、
太陽さそり座2ハウスに、
そっとこう聞くことにした。
「で、あんたは、それでほんまに落ち着くん?」
って。
あの恋が、わたしにくれたものは、
たしかに痛かったし、しんどかった。
でも同時に、
自分のクセを責めるんやなくて、仕様として笑える視点
「夢みたいな恋」と「暮らしをいっしょに作る人」は、
もしかしたら別でもいいのかもしれない、っていう気づき
を、確かに残してくれた。
わたしがその恋から取り返したのは、
「待ち時間」やったと思う。
既読になるかどうか分からん通知を眺めて過ごしてた時間を、
少しずつ、自分の言葉を書いたり、
ホロを読んだり、
自分の世界のほうに戻していった。
バーでひとり待ってた時間を、
今は別の場所で、
自分のために使えるようになってきた。
第6章 また自由な人を好きになりかけた夜に
正直に言うと、
それでもわたしはたぶん、
これから先も何回か、
自由な人を好きになりかけると思う。
金星てんびん座1ハウスと、
みずがめ座5ハウスのネプチューンがある限り、
それはもう「そういう仕様」やから。
この前も、
ちょっと似た匂いの人と出会った。
連絡はマメやないし、
予定もざっくり。
話してるとおもしろくて、
気づいたら時間が経ってるタイプ。
前のわたしなら、
間違いなくときめいてたと思う。
でもその夜、帰りの電車の中で、
スマホの画面を見つめながら、ふっと笑ってしまった。
「あ、これ、ネプチューンが『どう?この役者さん』って
キャスティングしてきてるやつ」
って。
そう気づいた瞬間、
チャンネルを変えるみたいに、
自分に問いを向けなおせた。
「この人と“映画みたいな夜”を楽しむのもアリ。
でも、今のわたしが一緒に過ごしたいのは、
どんな人なんやろ?」
その問いを持てた時点で、
たぶんもう、
前と同じ落ち方はしないんやろなと思う。
痛い恋は、
できれば少なめでいい。
でも、
完全になくすことが正解とも、
今は思ってない。
あの痛さがあったから、
今のわたしは自分のホロをちゃんと開いて、
自分の金星やネプチューンや天王星と、
こうやって話ができてる。
それならもう、
あの恋は「失敗」やなくて、
「りりすの金星が、はじめて自分のクセを自覚した春」
って呼んでもええかな、って思う。
また自由な人を好きになりかけた夜に、
わたしはきっとホロスコープを開く。
円の中の、
てんびん座とみずがめ座のあたりをなでながら、
「今回の配役、どうする?」
って、自分に聞いてみる。
ヒロインとして泣き崩れるか。
それとも、脚本家として一歩引いて観るか。
選ぶのは、いつも今のわたしやから。
——ほしのりりす
この恋のことを、ちゃんとホロスコープの上に乗せて観た夜のことは、
「失われた春を、もう一度ほどく」という別のnoteで、
もう少しだけ静かに書いてます。
3月10日20時30分に、公開するので、
よかったら、そっちもあとで覗いてみてください。
🌙 あなたの「恋の仕様」も、星と一緒に笑ってみませんか?
自分のホロスコープを真正面から開いたあの夜、
わたしはやっと「自分がダメなんやなくて、こういう脚本やったんや」と自分を赦せました。
もし今、あなたも「なんでいつも同じパターンなんやろ」と自分を責めていたり、動けない恋の中にいたりするなら、そのホロスコープをわたしと一緒に開いてみませんか?
あなたの金星や月が、どんな「配役」を求めているのか。
痛みを「仕様」として笑えるようになるためのヒントを、丁寧にお伝えします。
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このnoteは、
【note街角占い同好会としての占い部・3月課題企画】
🌱春へ向かう「芽吹きと一歩」のメッセージ✨
に、参加しています。
※前編からの続きです。
痛かった恋も、
ホロスコープでほどきながら、ちゃんと見つめなおしていけば、
今の自分を芽吹かせるための一歩になる。
そんな気持ちで書いた後編です。
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その余韻を、そっと返してもらえると、うれしいです。
わたしはまた、ひらいて書ける気がします。