見出し画像

【連載小説】w 「あたしの道草」⑥

前話  最初から  次話


(六)

鼻が光る紳士
明るい光で未来を照らす
得意になってもいいと思うよ

世界はあなたのために輝いている
あなたの鼻のように

あたしは恋人にも会えないまま
一人で暗闇を歩いてた

暗い夜道はピカピカの
あなたの鼻が役に立つ

ジングルべ、、、


あ、これってアレじゃん!

あたしは、書きながら自分の詩が、知ってる歌の歌詞に引っ張られているのに気がついた。

いい感じだと思ってたのに、やっぱり詩は難しいね。でも、誰かに見せるわけでもないし、まあいいか。やっぱり、鼻が光ってる紳士じゃ、あまりロマンチックじゃないよね。アオイちゃんもそうだけど、ヴェルレーヌとかランボーみたいにはいかないね。

あたしは、グレープフルーツジュースを一口飲んだ。

もしかしたら、韻を踏んでないのがいけないのかな。でもアオイちゃんの詩って韻なんて踏んでたかな。


高菜ピラフは、どこか懐かしい味がして美味しかった。好きなんだ、美味しいよね。チャーハンと似てるけど、微妙に違うよね。何が違うのかはわからないけど、あたしはピラフのほうが好きかな。

あたしは、グレープフルーツジュースを一口のんで、また大学ノートを開いた。

さっき書いた「鼻が光る紳士」の詩を読んでみた。うーん。

あたしは、ページを変えてもう一度衝動を言葉にしてみようとノートに向かった。


鼻が光る紳士
彼女の前で未来を照らす

鼻が光るあたしの前に
明るく広がる白いテラス

白いテラスに黒いカラス
白か黒かと大声で
紳士は叫んで声を枯らす

おお 鼻が光る紳士よ
あたしの鼻も光ってる

おお 鼻が光る紳士よ
あなたの鼻には完敗です

乾杯

ピラフを一つ
お願いします


なにこれ? 全然ロマンチックじゃないし、意味不明。

大体、鼻が光ってる紳士がそもそもロマンチックじゃないよね。ていうか、鼻が光ってるってなに? うーん。あたしなりに韻を踏んでみたんだけど、どうもそういう問題じゃないみたい。

ブブー!

あたしのバッグの中から、スマホのバイブの音がした。あたしはスマホをバッグから取り出して画面を見た。

「リエちゃん!」

リエちゃんから、SNSでメッセージが届いたみたい。あたしは、SNSのアプリを開いた。

”お疲れ! 今、どこにいるの? 家?”

”大学の近くの喫茶店でお茶飲んでます。リエちゃんは?”

”あ、こっち来てるんだ 今、私も駅にいるんだけど、どこ? ひとり?”

”ひとりです。西口公園のちょっと先にある「白いバラ」という喫茶店です。”

”そっか もし暇だったらちょっと付き合ってくれない?”

”大丈夫です。スズキさんに会うのがなくなったので暇です。”

”ありがと、じゃあ10分後くらいに西口公園の噴水のとこにいくから、そこで”

”わかりました”


「あたしの道草」⑦に続く


※)スキ/フォローありがとうございます。励みになります。

いいなと思ったら応援しよう!