ポンコツ
そもそも私は
最初の獣医選びから
間違っていたのではないか?
お猫がうちに来て
半年ほど経ったとき
ぬいぐるみ相手に
疑似交尾を始めたので
去勢手術を決めた。
動物病院は一番近いところにした。
その頃、開院して20年ほど
経っていたはずだ。
その後、尿路結石になったとき、
歯石で口内炎ができたときなど
何度も診てもらった。
今日、クレゾール消毒薬が
犬、特に猫には猛毒であることを知り
慄然とする。
猫は体内でフェノール類を解毒、
排出する力が極めて弱い。
微量でも吸い込んだり
なめたりすることは
危険だ。
その動物病院は
いつもクレゾールの臭いが
強く漂い、服に染み付くほどだ。
お猫はその動物病院が大嫌いだった。
知らない人に触られ、
痛いことをされる。
そして、クレゾールの臭い。
きっと目鼻に強い刺激があり
命の危険をも感じたのだろう。
飼い主も、まさか動物病院で
犬猫の身体に悪影響があるものを
使っているなんて、夢にも思わない。
お猫が急に具合が悪くなった
20日前の日曜日、早朝。
休診はわかっていたが、
すがる思いでその動物病院へ
電話をかけた。
急患は診ることがあるから
病状と連絡先を録音するようにという
メッセージがあった。
はたして返信は着た。
7時40分に来るように言われた。
籠から出すとき
お猫は激しく抗い
後ろ足の爪を怪我し
出血した。
獣医師は、軽くお腹を触って
「どこも腫れていないようだね」
と、言うと消炎剤だという注射と
少量の点滴をし、
診察は10分で終わった。
そして、
「もし、悪くなるようなら
他の病院に行っても良いから」
と言った。
良くなるわけがない。
うまく歩けない。
続く嘔吐。
変な声で激しく鳴く。
犬のような呼吸。
もう一度2人で病院を探した。
近くの比較的新しい病院に電話し、
病状を話すと
「予約制だが来てください」と
言ってくれた。
そして、待たされることなく
診てもらえた。
最初に電話をした
かかりつけ動物病院が
「今日は診られない」
「急いで他を当たった方が良い」
と、誠実な対応をしてくれたなら、
結果は同じでも
心のしこりは
もっと少ないだろう。
お猫が亡くなったあと、
私の枕の横に怪我したときの
爪が落ちていた。
にゃんちゃん。
つらかったね。
ごめんね。
小さな爪を押し抱いた。
