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別れ

ゲシュタルト崩壊を起こして
別れという文字は
こんな形だったっけ?
と、不安になる。

愛猫が突然
逝ってしまった。

16歳。
人間でいうと80歳越えの
ハイシニア猫。
でも、毛並みも美しく
歯も揃っている。

20歳まで一緒にいられると
根拠もなく、そう思っていた。

その一方で
愛猫が14歳越えた頃から
私は自分の心を守るために
猫が死んだ後の世界を
想像していた。

死因は「肥大型心筋症」
心臓の中に血栓ができ
それが血管の中に流れ出す。
猫の場合は脚の血管を詰まらせ
激しい痛みを引き起こす。

日曜日の早朝に
異変に気がつき
すぐさま受診したが、
火曜日の昼に死んでしまった。

セカンドオピニオンで診察し、
あずかってくれていた
クリニックから12時ごろ、
もう、危ないと
電話がかかってきた。
すぐに駆けつけ、
家に運ぶ5.6分の間に
こと切れてしまった。

最初に診てもらった
かかりつけ獣医の
誠意のない不適切な
診療に腹を立て
心のなかで呪った。
そして、
暑い中連れ出してしまった
自分をも呪う。
外で、キャリーの中で
死なせてしまった。

素人目にも、
死期が迫っているのは明白だった。
それでも、
なんとかなるんじゃないか。
私のエゴでそう思いたかったのだ。

帰宅後、顔を拭いて、
入念にブラシをかけ
お気に入りのダンボール箱に
寝かせた。

可愛いよ。
にゃんちゃん、
おかあたんに、おひげと
お腹のぽや毛をちょうだいね。
そう言って、少し切り取る。

火葬の前にもう一度、
硬くなった冷たい身体を
抱いて、ほおずりした。
花をちりばめ
好きだったおやつや
鰹節も一緒にいれた。

帰ってきた骨は
白くて本当に綺麗だ。
骨になっても可愛いんだね。

猫がいた痕跡を
何一つ捨てたくなくて
モップに集まった毛も
丸めてチャック袋にしまった。
爪研ぎに破片が残っていないか
入念に漁った。

ごめんね。
つらかったね。
うちにきて、しあわせだったかな?
おかあたんは、にゃんちゃんと一緒で
しあわせだった。

うちにきてくれてありがとうね。
にゃんちゃん。





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