オリジナル漫画「scope」原作-5
【以臓篇】VS人身売買企業(赫)第1話
( 漁業都市にて )
金歯おやじたち 「ありがとうございましたー!」
金歯おやじ総出で車を見送る描写。保冷ケース(=少女3名を無理やり詰め込んでいる)を積んだ闇組織(赫)幹部たちが乗る、黒塗りの高級車(GENGORO)が走り出す。現地視察も無事に終え、子供の調達が順調な事を確認できた車内の雰囲気は、皮肉にも闇組織の人間と非対称で、非常に明るい。
< シュタタタタ >
…その車を一定の距離を保ちながら追い掛ける一つの影が。 なぜか釣り竿を片手に持ち、クーラーボックスを背負ったままで非常に邪魔そうだ。
【 --- 回想 --- 】
闇サイトにて人身売買の噂を聞きつけ、防波堤にて釣り人のフリをしながら、単独での潜入調査に乗り出した、とある男。
不侍林 以臓 < フジバヤシ イゾウ >
先祖代々伝わる忍者の名家、不侍林家の末裔。忍者と言っても血筋がはるか遠いため、忍者らしい事は苦手で、現代社会において古典的な忍術しか使えない。また、以臓には年の離れた妹、椿<ツバキ>がおり、幼少期より仲の良い兄妹だった。
いつものように、近所の神社にて遊んでいる二人。かくれんぼをしている。
鬼の妹にわざと分かりやすく見つかる、以臓。< 隠れ身の術であきらかに違う柄の裏に隠れている > ※そもそも隠れ布が異常に小さいため、柄云々は全く関係無い。
椿 「 みーつけた 苦笑! えへへっ 今度はお兄ちゃんが鬼の番ね。」
< 布ちっさ! >
以臓 「 やるなぁー まさか見つかると思わなかったぞー よしっ 今度は兄ちゃんが鬼だな!オニいちゃんだけに…… 」
< 角が生えたポーズをして、モ~と鳴く >
椿 「 ははは…<失笑> それ鬼じゃなくて、牛じゃん…。 さぁっ 絶対見つからないところに隠れるからね~ 頑張って探してね、おウシちゃん!笑」
目を隠し、数を数える、以臓。
以臓 「 いくぞー い~ちっ、にぃ~い、さぁ~ん、しぃ~いっ……… 」
以臓のカウントと同時に、隠れるところを探す、椿。
椿 「 よぉ~し、こっちなら絶対バレないかな。 」
嬉々として神社特有の長い石段を下り、小道に出かけたその刹那… 突如猛スピードで迫って来た黒塗りの車に連れ去られる。<バタンっ>
椿 「 キャ―――――――! 」
以臓 「 もう~いい~かっ… !? <悲鳴に気付く、以臓> どこだ? どこだ?? 」
辺りを見渡すも妹の姿は無い。
悲鳴が遠くから聞こえていた事に気付き、石段まで走る以臓。石段の上から周りを見渡す。するとカーブを曲がる黒塗りの車(GENGORO)がかすかに見切れた。「 あれか!!?」急いで石段を飛び降りるも、一瞬間に合わず、車は走り去ってしまった。
以臓 「はぁ はぁ はぁ… 椿ぃーー! 椿ぃいいーーーー!!」
地べたに倒れ込みながら、妹の名を叫ぶ、以臓。
…それ以来、妹は二度と帰って来ることは無かった。長い梅雨が明け、暑さも本格化したある日、椿があられも無い姿で見つかった。外傷はほとんど無く、真っ白い綺麗な顔。ただただ凍るように冷たい体だった。後の司法解剖にて死因が判明したのだが、その体からは一滴残らず血液の全てが抜かれていたのだった。明らかに何者かによって、意図的に処置された遺体であった。
【 --- 回想明け/現代に戻る--- 】
…妹の最後の姿を思い出し、握っている釣り竿に力が入る以臓。< 椿が連れ去られた時の黒塗りの車(GENGORO)を覚えている >
以臓 「 …む? 何故竿なんぞを握ってるのだ? クーラーボックスも、邪魔だ 」
< 釣竿とクーラーボックスを投げ捨て、身軽になる、以臓 >
金歯おやじ達の会社を出た、黒塗りの高級車GENGOROはスピードを落とさず、(赫)アジトに向けてさらに進む。依然、漁業都市の人さらいが順調で、ご機嫌な様子の車内。
闇の部下 「 マドロさん(幹部)この様子だと安泰ですね! 観光客をあれだけ呼べるとは、偶然できた巨大渦潮に頭が上がりませんねぇ。 くっふふ 」
マドロ ( 偶然ねぇ… フッ ) < プルルルル、携帯が鳴る >
マドロ 「 はい。 おぉ これは これは、下衆谷会長。 お久しぶりですねぇ、いつもお世話になっております。(チッ ド変態の大富豪か) 」
下衆谷 「 どうですかぁ 最近は? 久々ですがねぇ。新しく若いメイドでも雇おうかと思いましてぇ。 でぃっひひ 」
マドロ 「 メイドさんですか、ありがとうございます。ではプロフィール候補送りますので、折り返しお願いします。(きっちり儲けさせてもらいますぜ) 」
下衆谷 「 楽しみにしてますわ。 若い娘、宜しく頼みますよ。でぃっひひ 」
< プルルルル、ひっきりなしに携帯が鳴る。闇の違法取引となる人身売買だが、多方面からの需要が絶える事は無い。まさに社会の闇である。>
マドロ 「 はい。いつもお世話になってます。 」
謎の研究機関 「 お世話様です、マドロさん。 今月の“定期購入”の件なのですが、問題ないですか? 」
マドロ 「 えぇ 問題無いです。 ストックが安定してますので、予定通り月末納品しますよ。」
謎の研究機関 「 承知しました。もし余っているようであれば、追加注文をお願いしたいので、宜しくお願いします。もう少しで研究の成果が出るのでね。 」
マドロ 「 それはそれは、楽しみですね。 また宜しくお願いします。( 何の研究だか、胡散臭い連中だ )」
闇の部下 「 すこぶる順調ですね、マドロさん。リスク背負って、高い金払って、ガキを買うヤツの気がしれませんが… ボロい商売だ。」
マドロ 「 全くだな。100%当たる宝くじと言うのもスリルが無くて興ざめだが、ビジネスとしてはこれ以上無い。」
闇の部下 「 お前の出番も中々ねぇなぁ ジレイジ。 」
< 後部座席で後頭部に手を組み、居眠りしているモヒカンの男 >
用心棒ジレイジ 「 ……暇でも金貰えるし、忙しくても殺しを楽しめるから、オレはどっちでもイイわ。!? お前の指輪、いい宝石入ってんな、くれよ。へへ 」
ブロロロロ~
しばらく車を走らせると、巨大なトンネルが見えて来た。全長10㎞以上はある長いトンネルだ。車はと言うとこのトンネルに入ると思いきや…側道にひっそりと存在する、旧トンネルの方にハンドルを切った。新トンネルが完成した現在では、通行を禁止されている旧道で、手掘りのトンネル内は剥きだしの岩がゴツゴツしており、昼間でもほぼ明りが届く事がなく非常に暗い。全国の闇鍋特待生たちが、屋外で試合をするのにちょうど良いぐらいの暗さだ。…比喩のほったらかし感含め、とにかく不気味の一言である。さらに、この旧トンネルは地元では有名で、通称“お化けトンネル”と呼ばれているようで、幽霊の目撃情報も多く寄せられている。
以臓 「 !? こっちのトンネルに行くのだな。よし 」
< 車の速度に合わせ、長時間走っているのに、差ほど息を切らしていない。 驚異の体力だ。>
旧トンネルに入って行った車を一定の距離を保ってさらに追走する、以臓。 釣り道具一式を捨て去り、身が軽そうだ。< シュタタタタ >
< ピチョン ピチョン >
謎の水滴が滴り落ちる不気味なトンネルを数百m進むと、やがて出口の光が見えて来た。トンネルを出ると、しばらく手入れがなされていない、雑草だらけの荒れた砂利道が続き、前方1㎞ほど先に何やらビルのような建物が見える。ビルに向かい1本道を走って行く車を見届けながら、一旦走りを止める、以臓。
以臓 「 …どうやら、あの建物のようだな。 」
< トンネル内を縦横無尽に走って来たせいなのか、何故か蜘蛛の巣だらけになっている以臓。 本人は至ってシリアスな表情である。 >
ついに妹の仇である、人身売買系 闇企業組織(赫)のアジトを突き止める事に成功した、以臓。仲間なのか?誰かに連絡を取っている。目の前に存在する仇に対し、感情的になる自分を、もう一人の冷静を装った自分が必死に制している。相反する感情がぶつかり合い、爆発しそうになった時、妹、椿の顔を思い出す。
大きく深呼吸をし、何とか冷静さを取り戻す以臓。
以臓 「 せっかくここまで辿り着いたのに、感情に任せて玉砕をしてしまっては椿が報われない。 」
一旦準備のため退く事を決意した、以臓。諜報活動としては、これ以上ない程の一大成果だ。複雑な思いを道程に捨てつつ、人身売買系 闇企業(赫)のアジトを後にした。
【 --- 場面転換して、ダークサイド/ 人身売買系闇企業(赫)アジト--- 】
地下駐車場にGENGOROを停車させる、闇企業(赫)視察団ご一行。
< バタン >
マドロ(幹部)、部下、用心棒のジレイジが車から降りて来る。
部下 「 いや~ 代表への報告が楽しみですねぇー アッハッハ 」
駐車場直結の、地下エレベーターに乗り込み、最上階の社長室を目指す。
< ウィーン 、チンっ>
エレベーターを降り、社長室のドアをノックする幹部 <コンコン>
マドロ 「 失礼します。ただいま戻りました。」
< ガチャっ ドアを開ける >
ドアを開けると… 眼前には、貴族の暮らしを絵に描いたような、贅沢の全てが備わっている、豪華な社長室が広がっている。特注のペルシャ絨毯に西洋の甲冑、そして、オーセンティックなバーカウンター。 屋内だが、小さな噴水まである。そして、真正面に位置する、まるで水族館かのような巨大な水槽には、見た事も無いような、獰猛そうで珍しい魚たちが泳いでいる。
マドロ 「 お待たせしました、代表 」 < 深々とお辞儀をする >
代表 「 おう 手間を取らせたな。マドロ 」
< 巨大な水槽をバックに、社長椅子に座っている、やせ型の男 >
人身売買系 闇企業(赫)代表 : クヌード
違法取引である 「人身売買」を生業に生計を立てている、闇企業(赫)のTOPである。
すぐ近くには、大男が立って睨みを利かせている。長年付き添っている、正規用心棒のバルサダだ。
マドロ 「 漁業都市での“人魚”の調達状況ですが、巨大渦潮の影響もあり、至極安定しております。今回、3匹仕入れて参りました。」
保冷ケースに閉じ込めて来た少女3人をクヌードに見せる。
クヌード 「 そうかそうか、巨大渦潮の影響でねぇ クックック いい傾向じゃねーか。その3匹は研究所に回しておけ。キッチリと請求しとけよ。 」
部下 「 はい、承知しました。 」
< 怯える少女3人を室外へと連れて行く。 >
< ピピッ、幹部の携帯が鳴る >
マドロ 「 !? これは 」
< 金歯おやじボスからの緊急連絡/悪のLINEみたいなチャット機能 >
クヌード 「 どうした、マドロ? 顔色が良くねぇーぞ 」
< バルサダの睨みがきつくなる。 >
マドロ 「 大変失礼しました。 いやっ 漁業都市の仕入れ担当から、大漁との連絡が入りまして… 行って参ります。 」
クヌード 「 そうか、せっかく帰ってきたばっかりだと言うのに、トンボ返りとは、また面倒掛けるなぁ。大漁の報告楽しみにしているぞ。 ニヤっ 」
マドロ 「 …おいっ 行くぞ ジレイジ、お前ら。」
ジレイジ 「 ヘイヘイ。 」
< やる気が無いようで、鼻をほじっている>
部下 「 はっ 」
GENGOROに乗り込み、漁業都市へと戻る、視察団一行。< 条一狼とジレイジとの戦闘へと繋がる描写 >
< 用心棒ジレイジを降ろし、再度アジトへと戻っている、マドロ/GENGORO車内にて >
マドロ 「 ( それしても、あいつ。 一体何者なんだ? )一般市場には決して出回らない闇界隈の拳銃Genimaを所持し、まさか”ダイアナ”を知っているとは… 」
部下達にUMA「神隠し」を地下牢獄に収監するよう指示し、単身、最上階の社長室に戻って来る、マドロ。 < コンコン >
マドロ 「 失礼します。緊急事態ゆえ、直ちに戻りました。 」
クヌード 「 あ? 大漁って話じゃ無かったのか? おいっ 」
マドロ 「 …それが、仕入れ担当を襲撃する“謎の男”が現れまして… 申し訳ございません。」
クヌード 「 何だ そりゃ? ただの街のチンピラだろ?俺らを闇の組織と分かってて暴れるバカは居ねぇはずだ。…それとも被害者連中か。 」
マドロ 「 ………………………。 」
クヌード「 どうした? 何か言ってみろ 」
マドロ 「 私も被害者連中かと思ったのですが、何故か闇の拳銃Genimaを所持してまして、黒い豹のような形をしておりました。 」
クヌード「 !? 」
マドロ 「 それと、ダイアナの事を知っている様子でした。 」
クヌード「 …まさかっ ブラックパンサー!?…いやいや、あいつは約20年前に始末されているはずだ。おい!そいつは今どうしている? 」
マドロ 「 はい、今頃用心棒のジレイジが始末しているはずです。 」
クヌード「 そうか、それなら心配はねぇが… その襲撃者に聞きたい事があるから、決して殺すなと指示をしておけ! 用心棒連中は加減ってもんを知らねぇ 」
マドロ 「 はっ 承知しました。 」
< 社長室を出て、自身の席がある別フロアに移動する >
マドロ 「 おいっ 例の襲撃者だが、生け捕りにしろとジレイジに伝えろ。わかったな!確実に生け捕りにしろと 」<漁業都市にいる、部下に連絡をする部下「 はっ… ( しかし、激しい銃撃戦で近付くことも…… ) 」
< 自身の席でタバコを吹かし、面倒な事になったなぁと心の声を漏らす、マドロ >
( つづく )
