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オリジナル漫画「scope」原作-26

【趙篇】VS遺伝子操作組織(緑)第4話


王家 「 さて、どうする? このままBBQとして、そこそこ美味しく焼かれるか、大人しく私の配下となるかの二択だ。 」

依然、白目を剥いて痙攣しながらヒクヒクしている、ボス黒豚。真顔でオイルライターで尻に火を着けるスナユキ。 < ボッ >そのまましばらく炙っているようだ。< ジリジリジリ > ちょっと焦げて煙が出て来た途端、奇声と共にボス黒豚が覚醒する。

黒豚  「 プ、プギィッ!! 」

慌てて飛び起きる、ボス黒豚。その場でのた打ち回り、必死に尻を砂にこすりつけて消火させている。

振り返ると、意味深な表情のスナユキが「CRAZY GORILLA」を構え、ニヤっとしていた。 < スチャッ >

王家 「 気絶 OR 絶命?…その後は、火あぶりの刑で良いんだよな? フッフフ 」

黒豚   「 ………………………。 」

王家 「  スーーッ   敬礼っーーーーーー!!!! 」
ビクっ!として冷や汗を掻ている。 観念したのか、スナユキに近づき、ペロッと靴を舐めた。

黒豚   「 ブヒヒィィ 」
仰向けに寝転び、腹部分をさらけ出して服従のポーズをしている。

“黒鼻の悪夢”と恐れられていた巨獣のボスまでも、簡単に手懐けてしまったスナユキ。“閻魔”と称されるその強烈な統率力は、生物の種別をも超越した。膝まづく黒豚の背中にピョンと飛び乗ると、懐から出したロープを黒豚の首に巻き付けた。

王家 「 よーし、あちらの助っ人に行くぞ。 走れるか? 鼻王<ハナオウ> 」伝説のゾウに付けるようなニックネームを豚付ける、スナユキ。

鼻王  「 ブピィイイイ… 」
気に入ったニックネームを付けられ、まんざらでもないが、ダメージが深刻な様子。

皮肉にもスナユキから食らったダメージが大きく、千鳥足状態の鼻王。 蛇行運転一筋50年の、80歳過ぎたジジイが運転するマイクロバスのようだ。


( アジト正面、砂漠地帯 )

まるで、迎撃され墜落して来た円盤型の巨大宇宙船のように、趙の奇襲によって飛び出して来たアジトの1F部分の衝撃で、砂まみれになった一帯。
もぞもぞと、ジャイクが砂中から顔を出す。< ブハッ >

ジャイク 「 あの野郎! 危うくお陀仏するところだったじゃねぇか!! 相変わらず加減ってもんを知らねぇ。 それにしても派手にやったな… 」

砂漠に突き刺さっているエントランス1F部分。 構成員たちはグロッキーのまま砂に埋もれている。 しばし見渡すもウォングの姿が見当たらない。

ジャイク 「 あいつの姿が見当たらんな。 …いやっ 正確にはあいつ“ら”か。 ヤツは2人いるのか‥? あるいは 」 足首を掴まれた事を思い起こしている。

< バサッ バサッ > ジャイクの前後で砂を振り払うような音が同時に聞こえる。ウォングと見られる男が同時に姿を現した。

ウォング   「 こりゃ 前代未聞だよ。やってくれるじゃないの? で、ヲタクらは何者? 仲間は何人いるの? 」正面にいる男がしゃべり出した。

ジャイク 「 どこぞのアホがやらかした事は知らねぇぜ! …それより、お前“ら”こそ何者だ? 噂の闇の用心棒ってとこだろ 」

ウォング 「 ふーん。それなりに情報は入っているようだね。ご名答、オレは雇われの用心棒だよ。ヲタクらは軍人か何かだろ? 」

ジャイク 「 まぁ そんなところだな。 …で、後ろにいるあいつは何なんだ?? オレにしか見えないとかやめろよ… 」

ウォンゲ 「 あれ? ボクの事言ってる? なんて事はないよ、双子の弟さ。 」

ジャイク 「 …って、意外と普通! ケロっとしやがって。 もっと何か意味深で怪しい事情とか無いもんかね? 普通に双子て。。 おもんなー。 」

ウォング 「 用心棒組織の中でも割と評判だったよ、華奢な双子だけど、揃って強いってね。 」

ジャイク 「 たしかに、見た目に反して腕は立ちそうだな。 お前らには特に恨みもねぇんだが、戦友の切なるお願いでね。 」

ジャイクを間に挟んだ位置で、互いに動きを警戒している3人。 前後の一定の距離を保ち続ける兄弟。背後を取らせないように、常に半身の状態で身構えているジャイク。互いの実力を察知しているのか、膠着状態が続く。 しばらくして、ジャイクがその場にあぐらを掻いて座り込んだ。

ジャイク  「 ふ~ よいしょっと。このまま精神の削り合いしてても疲れるだけだよな? ちょっと休憩でもしようぜ … よっ! フィング!! 」

そのまま寝転ぶと見せかけて 「CRAZY GORILLA」を構えたまま、ブレイクダンスのウィンドミルでグルグルと回転する、ジャイク。 砂粒を巻き上げ、時々校庭に出現する小さな竜巻のようだ。激しい回転と共に、ゴリラの指弾を乱射する。 四方八方へゴリラのデコピン弾が飛んで行き、被弾と共にはじける。< ド・バチバチバチン!> 被弾した砂漠は、ネズミにかじられたチーズのようにボコボコと穴が開いている。

ウォング   「 よっ ほっ そらっ 」
ウォンゲ   「 さっ っと ほりゃっ 」

バック転、バック宙、側転を繰り返し、曲芸師のように軽快にゴリラのデコピン弾をかわす兄弟。 器用にも身をかわしながら、同時に拳銃で応戦する。

蛙型拳銃 「フキヤガエルHG」
蛙型拳銃 「ヤドクガエルHG」

兄弟揃ってハンドガンタイプの特殊拳銃だ。 カエルを模した色とりどりの銃身は、カラフルで綺麗ではあるが、見方によっては実に不気味で毒々しい。

ウォング  「 舌(ゼツ)!舌!舌ー! 」回転しているジャイク目掛け、カエルの舌弾が発砲される。< ゲコゲコゲコッ! >

ウォンゲ 「 舌(ゼツ)!舌!舌ー! 」< ゲコゲコゲコッ! >

ジャイク 「 フィ・フィ・フィ・フィ・フィ・フィーーーー フィングッ!!! 」さらにブレイクダンスの回転スピードを上げて、ゴリラのデコピン弾を乱射する。

3人による、激しい銃撃戦が繰り広げられている。 かなり近距離での銃撃戦ではあるが、かすりはすれど致命傷には至らない。
回転しながら乱射されるゴリラのデコピン弾と、ジャイクの前後から放たれるカエルの舌弾が、互いにぶつかり合い、激しく相殺される。

ウォング  「 ( こんなにグルグル回転して、良く目が回らないもんだね… しかも、しっかり狙って撃ってきやがる。 ) 」何やらアイコンタクトを取っている。

ウォンゲの方を見るウォング。< ガザザっ > 次の瞬間、兄弟が同時に砂中に潜り込み、姿を眩ませた。兄弟の姿が見えない事に気付き、回転を緩め、フィニッシュのポーズを取る、ジャイク。 巻き起こった小さな竜巻が、勢いそのまま上空へと昇って行く。改めて見ると、身体の至るところに裂傷が見受けられる。

ジャイク  「 久々に回ったからちょっと気持ち悪ぃぜ… さて、今度は兄弟仲良く砂場遊びってか? オレも仲間に入れてくれよ。 ヒャッハハ 」

兄弟が姿を消し、砂漠地帯に不気味な程の静寂が訪れる。 水面から頭をちょっと出すように、砂中からヒョコっと顔半分を出して、ジャイクを確認するウォング。砂中にてタイミングを見計らっているようだ。ジャイクは周辺を警戒しながらも砂地に寝そべっている。

< ドドドドドドドぉ > ジャイクが寝そべっている背後から、地響きが迫って来る。飛び起きたジャイクが振り返ると、遠くから黒豚に乗ったスナユキが迫って来た。

王家 「 おーっ! ジャイク! お前の方も片付いたのか? 」

ジャイク 「  !?  おーっ! スナユキ! 随分とご機嫌なノリモノに乗ってんじゃん! オレにも乗らせ…  なっ!? …しまった! 」

ここぞとばかりに一瞬の隙を突いて砂中から飛び出て来たウォングが、ジャイクに向けて拳銃を放つ。“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する【 粘着弾(sticky)】

ウォング  「 油断したねぇー こいつは一度まとわりつくとしつこいぞぉ ストーキング・ベター!! 」
放たれたカエルの舌弾からネバネバの液体が飛び散る。

< べと~ん >全身をネバネバ液に覆われてしまう、ジャイク。 超絶・強靭なトリモチのような粘液にまんまと拘束され、思うように身動きが取れない様子。

ジャイク  「 あちゃー …こりゃ簡単に拭えるような代物じゃねぇな。 チっ 」豊富な経験則がイヤな予感を即座に探知する。

顔を真っ赤にして全力で粘液を振りほどこうとするも… 暴れると逆効果で、まとわり付いた粘液がシワ寄せ状態でギューッと硬くなり、より強い緊縛になってしまう。 捕縛され横たわるジャイクの前に立ちはだかり、得意げに見下ろすウォンゲ。

ウォング 「 みっともないねぇ お前優秀な軍人だろ? こうなったら音を上げるしかないよ。 ホラッ! 」< ドゴッ > ジャイクを腹を思いっきり蹴り上げる。

ジャイク 「 グハッ! …おっ マッサージしてくれるのか? 優しいなお前。ちょうど肩が凝ってたところだぜ。( 何だ!?この重い蹴りは… )

王家 「 ジャイク! …貴様ぁ! 」

< ザサッ > 広大な砂漠にちょこんと出ている半分の顔、ウォンゲだ。 ゆっくりと鼻王の足元付近に近づいてくる。 ジャイクに気を取られ、全く気付いていない様子のスナユキ。 隙を突いて【 粘着弾(sticky)】にて スナユキを拘束するつもりだ。 容赦無いウォングの破壊工事がジャイクの身体を崩壊させて行く。虎視眈々と2人に迫ってくる危機。その“危機”とは相反する、“嬉々”とした反応を見せている人物が。

もも 「 みーつけた! これ命中したら、ポイント高いっしょ? にっひひ 」 うつ伏せに寝転び、棒付きキャンディを舐めながらライフルを構えている、“もも”。

ここ  「 どこ どこ? …うー、わからん。 よくそんなの見つけられるねぇ。でも1点は1点だから! 」高性能スコープを覗いている、“ここ”。

もも 「 ほらっ あそこ! スーッと 動てんじゃん、目から上の顔半分だけだから分かりづらいけど。 」

数Km先のターゲットを捉えるという行為は、難易度が非常に高く、1㎜の手振れでも簡単に見失ってしまう要因になる。さらに、制止しているならまだしも、動いているターゲットを捉えるのは、まさに至難の極みだ。“もも”は、駝鳥型拳銃 「OSTRICH-RF」付属のスコープ:駝目(Vision)にて、いとも簡単にウォンゲの動きを正確に捉えている。 ちなみに、スコープにてターゲットを正確に捉えるのと、その上で狙撃を成功させるのでは、また異次元の難易度である。

ベースキャンプにてゲームにも飽き、暇を持て余していた姉妹は、改めて狙撃ゲームを開始しようと現場を監視していた。 ジャイクとスナユキの活躍により、自分たちの出番が全く無いまま終わってしまうと思っていた“もも”たちは、ついに見せ場が来たかと嬉々となっている。

ここ 「 …マジか? わからん。じゃ、アタシはあっちをやってやろうかな?ジャイもかなりピンチみたいだしさ。 」

もも 「 ちょい待った! まずは、“気付かれてない”と思ってるヤツを“気付かれないまま”に葬るべし。 」スコープを覗きながら“ここ”を制止する。

虎視眈々とターゲットの狙撃を目論んでいる姉妹の裏で、ベースキャンプに近寄る怪しい人影が。

< ドゴゴゴゴゴッ! > ポケットに手を突っ込みながら、魔界の豪雨のような強烈な蹴りを連発する、ウォング。 粘着弾にて身体を拘束されているジャイクは、防御の体勢を取る事が一切出来ず、全ての蹴りをモロに食らっている。 見た目は華奢なウォングだが、闇の用心棒界隈でも周知されるその実力は、本物だ。

ジャイク 「 ゴホ、ゴホッ …大分肩こりがほぐれて来たぜ!中々良い腕してるじゃん、お前。。( なんだこいつ、イカレた軍隊の拷問よりやべぇぞ… )

ウォング 「 あらっ、気に入ってくれたなら良かったよ。 マッサージ師にでも転職しよっかな? …てか、もっとキツめがお好みなんだろ? 遠慮すんなよ! 」

王家 「 おい、貴様!いい加減にしろ!!急げ、鼻王!! 」
ダメージが深刻なようで、ヨロヨロと蛇行しながら走る、鼻王。

< ズズッ > 鼻王がスピードを上げようとした瞬間を見計らって、ピッタリと背後に潜んでいたウォンゲの顔が砂中からせり上がって来た。
< !? > それに気付いた“もも”の表情が一変する。 一気にぶち上がる集中力のゲージバー。 呼応するように張り詰める空気。 狙撃までのカウントダウンが始まった。 “スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 爆炎弾(Flame)】 トリガーに指を掛ける。

もも 「 何万とあるタイミングの中で、ベストなタイミングは一度だけ。絶対に外さないよ。 」細胞単位の繊細な調整をしながら、タイミングを見計らう。

ここ  「  ………………………。 」

空気を読んだ“ここ”は、飲む息さえ堪えている様子。 静寂と共にピキピキと張り詰めて行く空気。

緊張感が最高潮を迎えた次の瞬間、スコープを覗く“もも”の目が光る。<ピーン!> ベストタイミングを察知したようだ。 即座に狙撃が執り行われる。

もも 「 ここだ! ダチョウの爆走_カッソワリーインターセプショ… 」  


< わっ!!>


もも&ここ  「 ウギャッ!!< ビクッ!> 」
予測不可能な背後からの驚かせ声によって、一気に緊張と集中が解け、完全に手元が狂ってしまった。

< ズキューン!> バランスを崩し、のけ反った体勢で放たれたダチョウの炎弾が、爪を掻き立て猛スピードで明後日の方向に向かって行く。<ボゥ ドドドドド >< ボシュー! > ウォンゲには目もくれず …なんと、“鼻王”に被弾してしまった。 乗っていたスナユキを巻き込み、大爆発を起こす。激しい爆炎が上がっている。

もも 「 …あっ。。 」

冷や汗を掻き、“やってもうた”の表情をしている。

ここ   「 ………………………。 」

遠くで巻き上がる爆炎を見て、茫然としている後ろ姿。

もも 「 … って誰だよ!! 」

姉妹が振り向いた先に立っていたのは… なんと、条!?
大噛 条一狼、ここに見参!

条 「 よー お前ら、久しぶり。 揃って何やってんだ? ニヤっ 」

もも 「 “よー” じゃねーよ!! 土足で勝手に家に上がって来る親戚のおっさんか! せっかくの援護射撃が味方に当たっちゃったじゃん! 」

ここ  「 なんでこんなとこにいるんだよ! あぁ ビックリした… 」

条 「 …えっ、そうなのか? 見るからに悪そうな生物じゃねぇか。。…し、知らねぇー 撃ったお前が悪いんだろ。。 」
口笛を吹いてとぼけている。

もも   「 ノヤロ―! お前のせいだろ! いつか寝てるとこでも狙撃してやる… 」

“もも”の冗談に、必要以上に冷や汗を掻いて苦笑している、条。


< プギャァア!>

心配とは裏腹に、巻き上がる爆炎の中から、鼻王とスナユキが烈火の如く飛び出して来た。 そのままの勢いで、ウォングとジャイクがいる場所に突撃して行く。

王家 「 行けぃ! そのまま突っ込めぃーー!!!! 」

ウォング 「 …チッ トチ狂ったか 」とっさにジャンプをして脇に避ける。

ジャイク 「 おぅ 豚の丸焼き?が走ってる…  移動式の最先端ビュッフェなのか?? ん? スナユキも?? … 危なっ ぐわっ!! 」

< ボゥッ!> 横たわって動けないジャイクが炎に巻き込まれた。 < ドサッ > 煙を上げ、力なく倒れる鼻王。巻き上がる爆炎の中、2人の男が再び現れた。炎の熱によって粘着弾を溶かし、身動きが取れるようになったジャイクと、炎によって髪がチリチリになったスナユキだ。

ジャイク  「 ふぅ~ 助かったぜ。 これは“もも”がやったのか? サイコーの援護射撃じゃねーか! ヒャッハハ 」全身打撲&火傷姿のジャイク。

王家 「 おっとと。 このままだと、本当の焼き豚になってしまうぞ。 ホラッ よくやったぞ!」
砂を掛け、ブスブスと燃えている鼻王を消火する、スナユキ。

ジャイク 「 おー イメチェンか? ナイスな髪型だぜ、ブラザー! …さてと、ここらでボチボチ反撃とでも行きましょうかねー 」コキコキと首を鳴らす。

王家 「 む?髪型? まぁ良い。もう陽動の必要は無いからな、好き勝手暴れさせてもらうぞ。お前は休んでいろ。 」 鼻王を優しく撫で、労う。

条の邪魔による“もも”の狙撃ミスが奇跡的に功を奏し、ジャイクのピンチを救う形となった。2対2の 闇の用心棒との本格的な戦いが始まる。


そのころ趙は…

特殊拳銃「クロサイ」を脇に構えながら2Fフロアを進んで行く。<バタン!>ドアを開けると、物陰に隠れた構成員たちが発砲して来る。 <パンパンパン!>軍人時代の戦場を思い出し、感覚を取り戻すように銃撃戦を繰り広げている。

趙 「 懐かしい感覚ゾネ。 多勢に無勢は慣れっこだゾイ。角(カク)! 」 クロサイの角弾丸が勢い良く飛んで行く。< ドダダダダッ!>

構成員 「 侵入者はひとり?のようだ。 怯むな! 撃て 撃てぇー!! …クッ 」< パンパン!>

趙 「 こいつはどうだゾイ? …熟すと爆破するフルーツ 「雷地<ライチ>」珍しいだろ? 遺伝子操作はされていないがな。 食らえ! 」

安全ピンを噛んで取り外し、ライチ型の手榴弾を投げ込む。 <ジュワー!> 爆発と同時に赤い煙幕が巻き上がる。

構成員 「 グハッ! ウギャーー!! 」追い打ちで“クロサイ”を撃ちまくる。角(カク)! < ドダダダダッ!>

次々と構成員たちを倒していく、趙。 現役を離れて数十年経つが、かつて“闘神”と称されたその腕は全く落ちていない。戦闘の様子を物陰に隠れながら見ていた幹部が、ヨウゼンに報告を入れる。

幹部 「 もしもし、ヨウゼンさん? 侵入者は恐らくひとり。 しかし、単独とは言え素人とは思えない程、かなり腕が立つようです。 」

ヨウゼン 「 は? なんやて? 単独で乗り込んで来たんか。 …随分となめられたもんやな。さっさと返り討ちにせぇや!! 」

幹部 「 分かりました、応戦してみます。 …では、アレの使用許可いただけますか? 」

ヨウゼン 「 おう、好きにせいや 」

幹部 「 ありがとうございます。…おい!お前ら、例の奴を準備してこい! 」

構成員 「 アレ使っていいんすね? ニヤっ 分かりました! 行くぞ! 」 < ダダダダっ >

幹部からの指示を受け、数人の構成員が3Fへと上がって行く。

趙 「 感覚が狂っているが、これが表向きには一般企業とはねぇ。社員共々、完全武装している株式会社なんて聞いた事ないゾナ… 」

冷静になって、治外法権化している闇企業の在り方を考えさせられる、趙。 リアルコミュニケーション以上にネットコミュニケーションが主流化している現代では、実企業の実態すらも距離が遠く、その真の姿まで見る機会が少なくなって来ている。 闇企業への復讐の裏に、現代社会を形成している政府が何かしら関わっているようにしか思えない。 軍の中枢に所属していた、趙ならではの感覚だ。 しかし、今は趙家の人生をめちゃくちゃにした、両親の復讐に集中している。

構成員 「 グハッ!! 」 < バタリ >

趙 「 よしっ このフロアも片付いたな。 上に上がる事にするゾイ。 待ってろよ、闇の鬼畜ども。 …骨も残ると思うなよ! 」

( つづく )


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