オリジナル漫画「scope」原作-39
【入来篇】VS殺人代行組織(藍)第1話
入来瞬斗< イリキ シュント > 元々、父との縁で条一狼とコンビを組んでいた情報屋=古太郎の孫で、天才ハッカー集団 「ケツアゴデス」のメンバー。
現在、古太郎の紹介で 嫌々ながら条一狼のパートナーになっている。幼くして両親と死別した瞬斗は、古太郎に引き取られ、幼少期より、闇の情報屋としての生活を共に過ごして来た。何でも話す仲の良い関係だったが、両親の事となると一転して口を閉ざしてしまう古太郎であった。真相が気になる瞬斗、頑なに口を閉ざす、古太郎。予期せぬアクシデントにより、その真相が今、打ち明けられる!?
【 --- 回想 --- 】
< 数年前、警察病院にて >
医者 「( 気味が悪いなぁ )…お前らが誰だか知らんが、これで関係者枠分は全て完了だ。 」< 服の上から肩口に注射をする >
入来(母) 「 ウィルス兵器なんて古くさい手を使うわよねぇ、全く。 」 < 覆面で顔を覆っている >
入来(父) 「 全くだ。 もっとうまくやれよなぁ 金儲けならよぉ。 」 < 覆面で顔を覆っている >
瞬斗の母親は、闇専門の情報屋であった祖父古太郎の血筋を受け、謎の諜報部員として“世の中の裏”を生きる生活をしていた。長年、諜報部員の仲間としてタッグを組んでいた父親と結婚し、晴れて正式なパートナーとなる。 両親の諜報部員としての実力は界隈で評判で、多額の資金にて、抱え込みを希望する輩が多数いた。 依頼主によってその姿をカメレオンの如く変貌させるが、現在は国家に関わる案件を抱えていた。
< 数年後、闇のオークション会場裏にて >
表社会では扱えない、いわく付きの商材を取り扱う闇のオークション。 この日は、人身売買と宝石のオークションが開かれており、同時にネットで生配信中である。700カラットの人工フリージングサファイヤの後に、10歳前後の、双子の少女が競売に出されている。
入来(母) 「 …これは、思ったよりも酷いわねぇ。 何とかしてあげたいけど、私にはどうにも出来ない… どうしたの? いつになく険しい顔して。 」
入来(父) 「 クッ 最近やたらと頭痛が… ひどく響きやがる… 数十本のフォークで、直接脳を突き刺されているような感覚だ… 」 < バタリ >
入来(母) 「 あなた!大丈夫? …仕方ない、ここは一時退散ね。 」 < シュタタタタ >
自宅にて、寝込んでいる瞬斗(父)。 高熱にうなされたまま、3日が過ぎても一向に目を覚ます気配がない。
入来(母) 「 …ま、まさか、あの時の注射?? それ以外、思い当たるふしが無いわ。あっ、もしもし父さん… 」
高熱にうなされる父の隣室で、再起動を繰り返すコンピューター音のような寝息で、ベビーベッドにてすやすや眠っている赤子。 夫婦ともに待望の、男の子。半年前に誕生していた、瞬斗(0歳)であった。 一見、可愛い赤ちゃんのように見えるが、近くで見ると既に生意気そうな顔つきをしている。
古太郎 「 あぁ、お前の言う事が当たっておったぞ。 事前アナウンス等無く、まだ未検証の実験台になってしまったようじゃ… 」
入来(母) 「 分かったわ、ありがとう。 かなり副作用も酷そうね… 私は運が良かっただけ。 ただ、それだけじゃ無いみたいなの。」
古太郎 「 どうしたんじゃ? 熱は無いんじゃろ? 」
入来(母) 「 何て言うか、うまく言えないんだけど。 情報処理速度が異常に速い気がして… 1ページ数千文字の論文が1秒で次々と頭に入って行くような感覚なの… 8ケタの掛け算なんて、見る前から答えが分かっちゃうレベルよ… 何かが覚醒したような… 」
古太郎 「 …すまんが、ちょっと、わしには付いて行けん話のようじゃな。」
入来(母) 「 ネットに精通した知り合いも多いから、私の方でも探ってみるわ。 …万が一私たちが危なくなった時は、瞬斗をお願いね。」
古太郎 「 …おいおい、縁起でも無い事言うな! くれぐれも無理するんじゃないぞ。」
…これが入来(母)との最後の会話になってしまった。 独自の調査により、闇深い真相に辿り着き、行動に移していた入来(母)だったが、相手が悪く、何者かの手によって極秘に殺害されてしまった。 後を追うように、その数日後に父も息を引き取ったようだ。 その後、周辺の人間にまで影響が及んだが、超アナログ人間且つ凄腕の情報屋だった古太郎は、その足跡を追う事が非常に困難で、難を逃れる事に成功する。 そう、引き取られた瞬斗も同様に。
< 瞬斗サイド/ヒットマンに追われている >
瞬斗 「 しつけぇ… ったく、あいつら寝てんのか?? 昼でも夜でも、場所がどこであろうが、お構いなし。 人間じゃねぇな… 」
“海中ネットカフェ”にて身を潜めている、瞬斗。 館内全てのPCカメラをハッキングして各部屋を監視している。 今のところ追手の気配が無く、束の間の休息が取れている様子だ。 このタイミングを利用して、古太郎への連絡を取る。
瞬斗 「 < プルルル、ガチャッ > あっ もしもし、ジィちゃん? 」
古太郎 「 ん?瞬斗か? どうしたんじゃ? 」
瞬斗 「 無事か? 電話に出られるって事は問題無いか… 時間無いから簡潔に言うよ、今、濡れ衣を着させられて闇の組織に追われてて。 」
古太郎 「 !? なんじゃと!? お前、何をしたんじゃ? いつものように、危ないところにハッキングしたんじゃろ…? 」
瞬斗 「 それが、違うんだよ! “ケツアゴデス”会議中に、国家警察に内部事情をリークしたとか何とかで… 完全にでっち上げなんだよ! 」
古太郎 「 …む? 警察? これは勘だが、お前だと分かってピンポイントに罠にハメてる感があるな。 まさか、相手はプロの殺し屋か?? 」
瞬斗 「 あぁ、殺人代行系闇企業(藍)のヒットマンに追われてる…。 」
古太郎 「 !? …なるほど、ではすぐに帰って来るんじゃ! お前に話してお… < バキューン! > うぎゃッ!! 」
< プツー、ツー、ツー。>
瞬斗 「 おい! ジィちゃん!! どうしたー!? 大丈夫かぁ!! クソっ すぐに戻らないと… !? ヒッ 」
< ボゴボゴボゴ > 目の前の海中に、ウエットスーツを着たダイバーが水中銃を構えている。 瞬斗を確認するや否や、容赦なく水中銃を撃ち込んで来た。< ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ! > 円を描くようにガラスに突き刺さる銛。 開いた小穴からチョロチョロと海水が室内に入って来る。< ピキピキッ >
瞬斗 「 バ、バカヤロー! そんな事したら海水入って来るじゃねぇか!! うわわわわわぁぁあぁああああああああああ 」
< ボゴン! > 円状に突き刺さった銛を一気に引っ張ると、大きな穴が開いてしまう。< ドゴォゴォゴォゴォゴォゴォオオオ > 勢い良く流れ込んで来る海水。瞬く間に室内が浸水して行く。 それと同時に、大きく開いた穴から、ダイバーがにゅるんっと侵入して来た。 ウエットスーツに身を包んだヒットマンだ。
ヒットマン 「 < プシュー >いい加減に観念しろよ、お前。 経費掛かってんだ、こっちは。 」< チャッ > 瞬斗に向け、水中銃を構える。
瞬斗 「 クソっ 何が経費だよ!こんなん領収書で落とせるか! ハリネズミ型拳銃 「ヘッジホッグ」 突(Stab)!! 」< ドゴォンッ!>
ヒットマンが開けた穴と反対側のガラス窓に、突(Stab)を撃ち込む瞬斗。 針を剝き出しにしたハリネズミ弾が突進して行き、ガラスに見事な大穴を開けた。< ピキピキッ …ドゴゴゴゴゴォオ!!> 両サイドから、さらに勢いを増して流れ込む海水。 みるみるうちに水嵩<カサ>が増して行く。 対峙したまま動かない2人。互いに攻撃のタイミングを図っているようだ。 無意味に背伸びをする振りをして、特殊弾丸をセットする瞬斗。 すると、海水が膝上になったところで突然叫んだ。
瞬斗 「 あぁーー!!! で、ででで伝説のセクシー海女さんが、ウミガメに跨ってやって来たぞぉーーーーーーーー!!!! 」
ヒットマン 「 !? 伝説の海女さんだと!? 」
まんまと振り向いてしまうヒットマン。 < くるっ >
瞬斗 「 ( …アホで良かったぁ )特殊弾丸を選択する 【 痺毒弾(ナンブネス)】 針(Needle)!! 」 < シュタタタッ >
油断したヒットマンの両太ももに、麻痺毒を纏ったハリネズミの針弾が突き刺さる。< ダスッ ダスッ ダスッ > 下半身が麻痺して、思うように動かない、ヒットマン。
ヒットマン 「 どこだ? いねぇぞ。 ん?足が動かん。 」
鈍感なのかポーカーフェイスなのか、麻痺毒を纏った針弾に撃たれた事に気付いて無い様子。
瞬斗 「 …今は、お前の相手なんかしてる暇は無ぇんだよ。 今度ゆっくり相手してやっから、龍宮城でも観光してこいや!針(Needle)!!ドォオラララララララララァアア!!!! 」
< シュタタタタタタタタタタタッ!! >
気が狂ったねずみ花火のように、四方八方に針弾を乱射する瞬斗。ガラス窓が崩壊し、一気に部屋が海水に覆われた。 急いで泳ぎ、脱出を試みる、瞬斗。平泳ぎにて海上へと向かう瞬斗に向けて、下半身が動かないヒットマンが水中銃を撃って来る。< ボシュー!ボシーュ! > 妙な腰つきで必死にかわす。
瞬斗 「 ( ごぼぼっ 何なんだよ、あいつ。 やっぱ人間じゃねぇ… 頭に撃ち込むべきだったな。) ヒエぇ~ 」 海中で涙目を浮かべる。
【 --- 場面転換して、謎の会談 --- 】
薄暗く怪しい雰囲気の大会議室にて、2つの人影が密会をしている。 百戦錬磨、幾多の修羅場を乗り越えて来た者だけが放つ事が出来る、独特のオーラ。善悪の概念とは関係無く ストレートに感じる“重鎮感”とは、まさにこの事を言うのであろう。 この大会議室の外には、SPらしき大男数人が仁王立ちをし、近づくモノ全てを溶かすような、熱い睨みを利かせている。 周辺の酸素さえもビビッて失神してしまいそうな、圧のある警護体制である。
謎の影A 「 計画は順調に進んでいるのだろうな? ここ最近、庭が荒れているように思えるが。均衡が崩れ、どちらかに手を抜かれても困る。」
謎の影B 「 闇界隈でのトラブルは付き物、気にする事も無いでしょう。クソ企業がいくつ潰れようが、次から次へと湧いて出るってもんですよ。」
謎の影A 「 …そうか、なら良い。ピークを選挙にさえ持って行ければ、後は成るように成るだけだからな。」
謎の影B 「 そうですねぇ。ただ、高みの見物をするにも、調整の気苦労が絶えませんなぁ、ったく。あの方らは好き放題、気楽で良いぜ。」
謎の影A 「 そう愚痴るな。 …我々は既に“選ばれた存在”なのだぞ、少しは弁えろ。官僚だろうがセレブだろうが、まだその権利は無い。民衆に至っては、選別どころか、何が起きているのかさえ知る由が無いのだ。今 置かれている立場に、くれぐれも感謝する事だな。…さてさて、各々のキーパーソンの事だが、活かすも殺すも戦略次第。 奴らはどう出ると思うかね? 」
謎の影B 「 …重々分かってます、感謝しますよ。それで、キーパーソンですかぁ? 当然過激派は、全力で消しに掛かるでしょうね。 …って、そもそも過激派しかいねぇか。 パッハッハ 」
謎の影A 「 ふっ 予想するまでも無かったな。 …ちなみに、あっちの方はどうだ? 」
謎の影B 「 えぇ、ちゃんと手は打ってますよ。奴らはちょっと厄介なので、とっておきの秘策を用意してます。 例の実験、ご存知でしょ? 」
謎の影A 「 む? …なるほど。だが、現時点ではあまりに未知過ぎる違法手術なのでは無いか? 」
謎の影B 「 確かにそうですが、そんな事言ってたら人類の進歩は無いですよ。まぁ、任せてください、悪党の扱い方には慣れてますから。 」
日差しなど、一切の光が決して届く事の無い、地下深く。 堅牢無比につくられた牢獄に、ひっそりと幽閉されている人影がひとつ。 生物として果てしなく苦痛な、“無の空間”にて、手足を縛られ身動きが取れない様子。 < キー、バタンッ > 牢獄の外に出てそれを見下ろす、もうひとつの人影が… < ニヤっ >
謎の影A 「 …さて、そろそろ報告会の時間だ。 準備を。 」
謎の影B 「 え? もう そんな時間ですか、分かりました。 …繋ぎますよ。 」 < ウィン >
これからモニターに投影されるであろう人物に対し、深々とお辞儀をしながら待機する、2人の重鎮。縦社会と真摯に向き合う、異様な光景である。
< 数日後/飛山サイド >
< プルルル、ガチャッ > 自宅にて電話を取る、飛山。 相手は舞のようだ。
飛山 「 どうだった? 」
< ハリネズミを抱きながら電話している。 >
舞 「 予想的中ね。院長と副院長の2人が、何の説明も無く辞任したわ。院内の噂では謎の失踪だってさー、一切連絡もつかないらしいよ。ちなみに地下への入り口は、綺麗にコンクリート詰めされてたわ… まるで何事も無かったかのように。正直ゾッとした… 」
飛山 「 なるほど。 じゃ、院長らの独断では無く、さらにその上に何者かが関与してたって事ね。 …タイミングを見て、お前も退職するんだな。 」
舞 「 あぁ それねぇ。もう退職して来たから大丈夫よ。< うふっ > これで一区切りついたし、暇だし、開業でもすっかなぁ。 」
飛山 「 …相変わらず判断が早いな。 一体誰に似たんだか。 」
舞 「 あなたに言われたくないですぅ。ところで、お兄ちゃんは、これからどうするの? 」
飛山 「 さてねぇ。やる事だらけで、何から手を付けていいのやら… また連絡する、落ち着いたら叔父さんのとこにでも顔出さないとな。 」
舞 「 OK じゃ、まったねぇー 」
飛山 「 …よし、やるか。 」
コキコキと首を鳴らしながら、あらゆる分野の膨大な資料に囲まれた、資料ROOMへと向う 飛山であった。
< 条一狼サイド/車内にて >
愛車の運転席にてリクライニングを倒し、仮眠を取っている、条。…険しい表情で、額には大量の汗を掻いている。 さらには、こめかみに血管が浮き出る程に必要以上に力んでいる。…またお馴染みの悪夢にうなされてるようだ。
大声と共に、うなされていた条一狼が目を覚ます。
条 「 くっ ・ うっ ・ くっ! …… ぅぅうっちゃりぃーー!!!! はぁ はぁ はぁ …危うく寄り切られるところだったぜ。獲ったぞぉぉおーー!!」
もぎ取った“まげ”を握りしめ、高々と拳を突きあげる、条。…どうやら、いつものダイアナの悪夢では無く、伝説の力士とガチで相撲を取っている夢だったようだ。もし、今まで見られた全ての夢を分野ごとに集計出来るのならば、金太郎以来2度目のガチ相撲の夢だろう。 分野としては、素人・無謀・相撲と言ったところか。
条 「 んあ? なんだ、夢か。 チッ こいつを迂闊にぶっ放したせいで、全身の筋肉がこわばっちまってるぜ… だが、この湿布も効き目がヤベェな。 」
特殊拳銃をセットした愛車にて、闇の用心棒 「ザクワーム」を一瞬で撃破した時の事を思い起こしている。…と同時に、両腕に貼られた特殊な湿布を眺める。この湿布、別れ際に舞から処方された「裏匠の調合」による怪しい湿布だ。カスタマイズこそされてはいるが、ベースは闇サイトから仕入れた情報であるため、当然市販されるような代物ではない。舞いわく、あくまで個人で嗜む趣味の範疇なので、問題無いとの判断だ。
条 「 ったく あのクソガキ全然連絡つかねぇじゃねぇか。 もしや、早々にくたばったか? …このまま車中泊続けても埒が明かねぇな、戻るとするか。」
< ブオンッ > 連絡がつかなくなった瞬斗を気に掛けながら、自宅へと愛車を走らせた。
< 瞬斗サイド/古太郎の元へと向かう途中 >
< ザパッ! > 命からがら、海中ネットカフェからの脱出に成功した瞬斗。 近隣の海岸から その姿を現した。 < キョロキョロ > 念のため周囲を警戒しつつ、ずぶ濡れのまま、その場にへたり込む。 ヒットマンに追われているという精神的なプレッシャーに、着衣での遊泳という肉体的疲労が重なり、ぐったりとしている。
瞬斗 「 ぜぇ ぜぇ ぜぇ ったく、麻痺で下半身の言う事がきかないくせに、ガンガン撃って来るんじゃねぇよ。 …待ってろよ! ジィちゃん!! 」
ヨロヨロしながらも必死にその場を離れる、瞬斗。 背負っていたエアボードに飛び乗り、古太郎の元へと急ぐ。
< ヴィーン!>
しばらくエアボードを走らせると、飲み屋がずらーっと立ち並ぶ、大きな繁華街に辿り着いた。 脇目も振らず、目的地へと急ぐ、瞬斗。 ワサワサと乱立する雑居ビルの側道に、ノスタルジックな雰囲気溢れる小さな商店街が現れた。 アーチ状の入口ゲートに古びた看板が付いている。 「レジェンド横丁」常連や、その道の通がこぞって通い詰める、席数10名以下の小さな飲み屋が軒を連ねる。 どの店も一見さんには敷居が高い、味が“ありまくり”の店ばかりだ。おもむろに、商店街のちょうど中間地点にある、Barに入って行く、瞬斗。
「BAR 50/50」
< カランコロン >
カウンターの内側で、酔い潰れるようにひれ伏しているBarのマスターらしき?人影。 …よく見るとロボットのようだ。電源が切れているのか微動だにしない。
瞬斗 「 < ごくり > …ジィちゃん。 」
大きく唾を飲み込み、不安とも恐怖とも取れる、ひどく緊張した面持ちの瞬斗。
カウンター裏にある隠し扉に手を掛けている、瞬斗。 特殊拳銃を構え、意を決してドアを開ける。< ガラガラガラ > 地下へと続く小さな階段を下ると…

うつ伏せの状態で、古太郎が倒れていた。 部屋中はメチャクチャに荒れていて、床には血だまりが出来ている。 さらには嗅いだ事のない、異臭も漂っていた。
瞬斗 「 !? ジィちゃん!! おいっ! 大丈夫か! 目を覚ませよ!! おいっ! おいっ! うぉいっーー!! 」
倒れている古太郎に駆け寄り、必死に抱きかかえ、声を掛ける。 …意識を失っているようだ。めげずに しばらく声を掛け続けると、古太郎が目を覚ました。
古太郎 「 …んん …おぉ 瞬斗か? 情けねぇな、このざまだ… ゴホッゴホッってか、おいおい うるせぇ 」重い瞼を微かに開く。
瞬斗 「 良かったぁ。死んでるのかと思ったじゃねぇか!! …あっ 無理しないで、寝てなよ。 」
古太郎をソファにもたれ掛けさせると、少し安心したのか、うっすら涙目になっている、瞬斗。
瞬斗 「 …ゴメン。何だか良く分からないんだけど、オレのせいだったらゴメンね、ジィちゃん。 」
古太郎 「 ………………………。 」
瞬斗 「 水でも飲むか? 持ってこようか? 」
( つづく )
