オリジナル漫画「scope」原作-18
【吹星姉妹篇】VS違法ドラッグ組織(橙)第7話
瞬斗 「 防御力は最新式って訳ねぇ こりゃ厄介だ… 」
ここ 「 闇相手ってことは、初めから分かってたことじゃん。 …だから、どーしたー!!んなこたぁ カンケーネー!! 」
もも 「 ダネ! ロボだろうがサソリだろうが、んなこたぁ。カンケーネー!! 」
ゴウラク 「 クックク 果たして防御力だけかな? 貴様らの泣き叫ぶ顔が目に浮かぶぜ。 」
特殊拳銃をロボットにセットし、シンクロさせる事によってさらなるパワーアップがなされる最新技術。 明らかに闇企業単体でなせる業では無い。まさに国家の研究機関レベルである。推測に推測を重ねてみるだけで、闇が深まるばかり。
ゴウラク 「 くらえ! 猛毒弾(ポイズン)→ BEAM!! 」 < ビーーーーーーー!! >
ロボの右腕から毒のビームが発射される。放たれた紫色の“ポインズンライン”に沿って、周辺が毒に侵されて行く。 立ち込める毒の噴霧。< ジュグブシュー >
瞬斗 「 毒のビームて… めちゃくちゃだな。 あと、この毒霧を吸い込むのはちょっとヤバいぜ。これ使いなよ、“ここち” “ももち”! 」
簡易防毒マスクを2人に投げ、自らは“特別な”マスクを装着しフードを被る。かの有名な、“ケツアゴデス”仮面だ。
ここ 「 おまっ、ホントなんでも持ってんな。なかなかやるじゃん、キモイけど。で、何?その仮面は… 」マスクを装着する。
もも 「 キモっ 完全に中二病じゃん。お前何歳だよ… 」嘲笑しつつ、マスクを装着する。
ゴウラク 「 ケツアゴデスとはな、ハロウィンパーティーでも始まるのか? クックク。 」
瞬斗 「 ( これだけ堂々と被ると何も疑われないんだよねぇ。。 本物なのに ) 」
ゴウラク 「 さて、パーティーを盛り上げようかー! ハッハハハ!! 鋏(Nipper)! < ズガンっ!ズガンっ!ズガンっ! > 」
巨大なサソリのハサミ弾が、左腕から発射される。 ロボから発射される砲弾は、デカさも威力も特殊拳銃の数倍のようだ。まともに食らっては一たまりもない。
あまりの威力に大きく距離を取る、3人。
ここ 「 まるで大砲じゃん、スゲー威力だねぇ …でも、こっちも元々バズーカだしぃ 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil) 】くらえ! 爪(Claw)! < ドゴーン、ドゴーン、ドゴーン! >
被弾と同時にロボを凍結させる。 < バリバリバリ > ロボを破壊するまではいかないが、凍結した強化ガラス伝えに、操縦席のゴウラクが少し寒そうにしている
ように見える。
もも 「 こっちもいくよー! 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 爆炎弾(Flame)】ぶっ飛べ! 卵(Egg)!< ポンッ!ポンッ!ポンッ! >
上空に発射された、ダチョウの卵を模したグレネード弾が、ゴウラクを空襲する。爆撃した途端に巻き上がる業火 < ドガ! ドガ! ドガ! ボウッ! >
広がる火の海に、ゴウラクのロボが仁王立ちしている。 ロボ本体はほぼ無傷だが、操縦しているゴウラクが今度は暑そうな表情をしている。
瞬斗 「 んじゃ、オレもいっちゃうよー! 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 痺毒弾(ナンブネス)】進め! 突(Stab)!
< ザザッ! ザザッ! >
全身の針をむき出しにしたヤマアラシが、ロボに突進して行く。< ビン!> 被弾した途端、デコピンではじかれたように簡単に弾き返されてしまう。
操縦しているゴウラクに何の影響もないようだ。
瞬斗 「 …………………。 」
ゴウラク 「 貴様の小さい拳銃では、全く歯が立たんなぁ エアコンの送風が来たのかと思ったわ クックク。 」
ここ 「 お前は黙ってみてろ、 キモイし。まだまだいくよー!! もも!! 」
もも 「 そだねー 黙っててくれ、仮面もキモイし。 おけ! いくぞーー!! ここ!! 」
ゴウラクが放つサソリの毒弾と、“ここ”の白熊バズーカー砲弾、“もも”のダチョウライフル弾が入り乱れ乱戦となる。たちまち倉庫が戦場と化す。
< ズガンっ!> < ドゴーン! > < ポンッ! > 立ち込めては消える、毒霧と氷と炎のアンサンブル。おかしな仮面を被って瞬斗が1人体育座りしている。
復讐への強い思いによって分泌された、ドリンクバーの如くあふれ出てくるアドレナリンにより、何とか誤魔化していた満身創痍が、突如姿を現して来る。
ここ 「 ぜぇ ぜぇ しぶといヤツめ。 お前はぜってぇ許さねぇんだよ! いいか? 粉々にしてやんよー… くっ 」
先の戦闘で受けたダメージとバズーカの連射によって、体力も握力も限界を迎えていた。“もも”も同様に限界に近い。
ゴウラク 「 どうした? 結局お前らの復讐ってのは、その程度だったんだな。 そろそろクスリを処方してやろう、…毒薬だがな!! 」
ロボがギューッと力を溜め込む格好で、縮こまっている。どんどんパワーがチャージされて行く。
ゴウラク 「 いよいよフィナーレだ! くらえ! 悪の針祭り_ポインズンズフェスティバル 」
縮こまっていたロボが、両手両足を広げて一気に跳ね上がった。途端、全身から発射されるサソリの毒針。< ドダダダダダダダ! >
上空を見ると、円形にくるくると舞っている無数のサソリのしっぽが浮いている。刹那、らせん状に回転したサソリのしっぽが針を剥き出して3人を襲う。
ここ 「 ヤバっ …取りあえず、2人共アタシの後ろに隠れて! 咆哮(Roaring)! 」 < バオォーーーーー!! >
白熊の咆哮がバリアとなり、サソリの毒針を相殺…し切れない。衰えない勢いの毒針弾のコンボが、3人を襲う。< ドダダダ! グルグルブシュ! >
< ぐはっ!! どさ… >
両手を広げ、とっさに2人の楯となって立ちはだかった、瞬斗。無数の毒針が背中に直撃し、力無くその場に倒れてしまう。瞬斗のおかげで、直撃は免れたが、数発の毒針を食らってしまった“ここ”と“もも”。被弾した箇所が紫色に変色している。
ここ&もも 「 !? 」
毒により、みるみる内に全身が紫色に変色している瞬斗。おかしな仮面は被ったままだ。
ここ 「 お前… ありがとう、ナス。 」
もも 「 …ありがとう、キモイ ナス。 」
瞬斗 「 …ナスって。。 もう助けられないぜ、これで最後だから。【 解毒弾(アンチドーテ)】針(Needle) < プスっ プスっ > 」
プルプルと震えながら、渾身の力を振り絞った瞬斗が2人に解毒弾を撃って、力尽きた。
ここ 「 おい! お前 何勝手な事してんだよー! 似合わない事するなよ、ナスヤロー!! うぅっ 」涙ぐむ。
もも 「 !? 紅いもヤロー!! ちょっと待ってろよ、すぐ終わらせるから。 …くたばったらシバくからな!! うぅっ 」 同様に涙ぐむ。
ゴウラク 「 1人逝ったか? クックク。 次はお前らだ。 もう そろそろ飽きたからな、終わりにしてやろう! 」
極限の状況が2人を覚醒させたのか、双子姉妹は簡単なアイコンタクトで戦略会議を終えたようだ。その時間、0.7秒。この世に以心伝心は存在するのだ。
“ここ”がゴウラクに向けてバズーカを構える。信頼と信頼が呼応する。
ここ 「 ちょっと弱めに調整してっと …いくよー!“もも” 3・2・1 爪(Claw)! 」 < ドゴーン!>
もも 「 おけ! 待ってろよ、紅いもマン。 ちょい行って来るぜ! 」 <ガシッ >
ゴウラクに向け、放たれた瞬間の砲弾をとっさに左手で掴み、一直線に最短距離を飛んで行く、“もも”。限界に達しているとは言え、尋常ではない握力だ。
<ビューン!> 左手で砲弾を鷲掴みをし、右手にライフルを持った状態で飛んで行く。 グングンと近づいてくる憎き仇の顔。<スタっ>ゴウラクが乗っているロボのフロントガラスに見事着地する、“もも”。強化ガラスを挟み、超至近距離に迫った。とっさの事で全く反応が出来ない、ゴウラク。
もも 「 おこんばんはー ニコっ 」
簡易防毒マスクを外し、鷲掴みにしていた砲弾を投げつける。< ドゴーン! > さらに本番の銃撃が始まる。
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 爆炎弾(Flame)】嘴(Beak)→ 乱!!
ロックシンガーがライブでアンプを踏むように、片足を上げてフロントガラス踏みつけ、トリガーを力の限り握りしめる“もも”。超至近距離からの、ライフルによる
怒りの乱射劇が繰り広げられる。

< ズドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! >
怒りの炎を纏い、真っ赤に燃え盛るダチョウの口ばしが、強化ガラスを猛烈に突く。その悪夢の光景を強化ガラスの内側、アリーナ席最前列から見ている、ゴウラク。ヒヤ汗を垂れ流している。若干ながらも、薄いひび割れが見え始める。
“もも”が飛び出して行った瞬間、“ここ”は「SHIROKUUMA-BZ」のトリガーを力いっぱい握りしめ、パワーをチャージしていた。
ここ 「 …ぐぎぎぎぎぎぎ 見てろよ! 特大の怒りを、ぶっ放してやんぜ 」
力を込め過ぎて、こめかみに血管が浮き出ている。
< ピキピキ …ビキっ! > 数百、数千のダチョウの突き弾により、ついに強化ガラスに目に見える程のヒビが入っていった。
< ズドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! >
さらにヒビが入った箇所を烈火のごとく、猛烈に突く。 < バキッ バリッ! > ついに開いた穴から、嘴の先端がゴウラクの顔面に届きそうな勢いでラッシュが続く。 炎の熱と口ばしの鋭利な衝撃が目の前に迫り、恐怖のピークを迎えた、ゴウラク。
ゴウラク 「 ちょ、調子に乗りやがって… くらえ! 猛毒弾(ポイズン)→ BEAM!! 」
< ビーーー! > 毒ビームで“もも”を追い払おうとする。
もも 「 アブナっ あと一歩のとこなんだけどな… まっ 後は “ここ”に任せよっ 」
フロントガラスから飛び降りる、“もも”。
穴だらけになった強化ガラスの中で、頭髪がチリチリに焼け焦げたゴウラクが取り乱している。“もも”がロボから離れたのを確認し、“ここ”が動く。
ここ 「 よしっ …覚悟しろよ! 全ての嫌悪を込めてぶっ放す! 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil) 】イケぇーー!! 白熊のヒップアタック_ジャイアントインパクト!
< ドドド、ドォゴォーン!! >
氷を纏った白熊の砲弾が上空に放たれた。
特大な白熊と化した砲弾が、尻もちを突くかの如く、振動と共に急落下して来る。
< ゴゴゴゴゴォ チュドォォオオオドーーーーン!!>
ゴウラクが乗るロボの脳天に直撃する。
<バキバキバキ!> 強化ガラスが粉々に粉砕され、ロボもろとも圧し潰される、ゴウラク。白目を剥いて倒れている。倉庫全体が凍り付き、冷凍庫のように寒い。静かに舞う冷気が戦闘の終わりを告げていた。
もも 「 やったぜ! さすが、“ここ”! ぜぇぜぇぜぇ 」
ここ 「 ぜぇぜぇぜぇ …どうだ、粉々にしてやったぜ 」
ここ&もも 「 やったよーー!!! ママぁーーー!!!! うぐっ 」
敵を討ち、大粒の涙を流している2人。
激闘により、全ての力を使い果たした2人はその場にバタリと倒れた。 母との思い出や今まで歯を食いしばって踏ん張って来た事を思い起こし、涙が止まらない。
やり切った事で保っていた精神も緩み、ふと気を失ってしまう。しばらくして目が覚めると…
瞬斗 「 ヤッホー! 気付いた? どうも命の恩人です。 」
ケツアゴデス仮面を被ったままの瞬斗が、2人を見下ろしている。
ここ&もも 「 ん?… ウギャーーー!! 変態がぁーーー!! えっえっ? ウチら死んじゃったの?? 」
条件反射で瞬斗を殴っている2人。
瞬斗 「 ぶげっ …大丈夫、大丈夫。死んでないから、みんな。 」
もも 「 何で何で? お前サソリの毒で死んだんじゃないの?? 」
瞬斗 「 2人だけ助けて力尽きた方がカッコイイと思ってさ。 自分用の解毒剤はステルスでこっそり撃ってたってわけ。 」
ここ 「 なんだそりゃ? キモっ …まぁでも助かったよ、ありがとう。ナス男。 」
瞬斗 「 …ナス男とかキモっとか、身体張った恩人に対して使う言葉かねぇ。まぁ、そんな“ここち”だから好きなんだけどね。さて、まだこいつに聞きたい事あるんじゃないの? もうすぐ意識取り戻しそうだけど。 」
ボロボロになったゴウラクが横たわっている。へしゃげたロボはスクラップ寸前だ。
もも 「 おーい、起きろー おーい、おいー 」
血がにじむ程の、キツめのデコピンをバチバチに食らわせている。
ゴウラク 「 …くっ つつつ 」
ここ 「 おっ? 起きたか。お前の顔なんか二度と見たくないけど、聞きたい事があるんだよー。 」
ゴウラク 「 ……………………。」
ここ 「 お前、ママの事知ってたよな? 研究所って何? 少しでもママの知ってる事を話してもらうぞ。 」
ゴウラク 「 …あの女は人殺しだ。クスリ欲しさにウチの売人を殺した、ただの人殺し。 」
ここ 「 …そんな事聞いてんじゃねーんだよ! 何の実験をしたんだ! 研究所って何だよ! 」
ゴウラク 「 あぁ 実験をしたのは事実だが、目的は何も知らねぇよ。研究所ってのも、どこぞの研究所って事だけしか知らねぇ。 」
もも 「 おーい、もっとキツいの食らうかー 」
< ビュッ! ビュッ! > コンクリートに穴が開きそうな勢いのデコピンの素振りをしている“もも”。
ゴウラク 「 …お前らにウソをついて何の得がある。 本当に知らねぇよ。 」
< バチン!> “もも”の渾身のデコピンが眉間にヒットする。 血と共に吹っ飛ぶゴウラク。
ゴウラク 「 何されようが、知らねぇもんは知らねぇよ。 …そんな事より儲け話に乗らねぇか? 来週大規模な取引があってな… クックク。 」
< ドゴっ!> “ここ”の渾身の肘打ちが、みぞおちにヒットする。 < グハッ > 息が出来ず、苦悶の表情をするゴウラク。
ここ 「 もう、それ以上口を開けるな。 …こんなクズに、まともに質問する事自体がナンセンスだったねぇ… 」
ゴウラク 「 ゲホゲホゲホ……。 」
もも 「 こいつ、どうしよっか? 取りあえず、けーさつにでも突き出しとく? 」
ゴウラク 「 ……………………。」
< ピッ > - 自動運転モード発動 – < ボワン >
< ボボボボボボボボッ > 目が光ったと同時に、スクラップ寸前のロボが起動し出した。油断していた3人の元に、暴走したロボが襲い掛かって来る。
それを確認したゴウラクが、ガレージに止めてあった黒塗りの高級車、GENGOROに乗って逃走を図る。ブロロロ~
瞬斗 「 あっ 危ねぇ… クソっ どうにもならねぇ… 」
暴走したロボが3人目掛けて攻撃を仕掛けたその時、 突進して来る獰猛な弾丸によって阻まれた。< ドゴン!! > 大破するロボ。
謎の影 「 角(カク) 」
銃口から煙が上がっている。この人影、大型のGenimaを所持しているようだ。
倉庫入口に立つ、謎の人影。その影の大きさから言って、かなりの巨漢である事が分かる。電波塔から戻って来た条が、その人影を見て驚いている。
条 「 !? あ、あの 図書館!… あいつだ! 」
足元からアングルが上がっていき、顔が判明する。その男、趙・砕雀<チョウ・サイジャク>であった。中華街にある、有名中華料理店の名物オーナーだ。
ここ&もも 「 あーーっ! あの肉圧! 中華屋のおっさんじゃん。何でこんなとこに?? 」
条 「 うぉーーーーーーい! てめぇーー!! やっと 見つけたぞ!! 一体何者だ! 」
瞬斗 「 なんだ、なんだ? 中華街で条が取り逃がしたって男か? 」
条 「 お前、こそこそと物陰に隠れて、中華街で“ここ”を狙ってただろ!! この図書館並みにバカでかい人影、間違えねぇ 」
趙 「 待て待て、誤解だ‥。 …私は君たちの味方だよ。 説明は後だ、まずは、あの逃走したヤツを追い掛けねば。 」
ここ 「 アタシを物陰から狙ってた? は? 何なの?? ゴリゴリのストーカー?」
ブロロロ~ GENGOROにて逃走中のゴウラク。大分遠くまで行ってしまった。
もも 「 おけ、一旦あいつを仕留めよう。話はその後って事で。アタシに任せて。 」
倉庫の屋根に上り、ライフルのスコープを覗き込む、“もも”。「 駝目(Vision)いたいた!よし 」駝目は、10Km先にいるアリまで判別する事が可能。
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 爆炎弾(Flame)】 ダチョウの爆走_カッソワリーインターセプション!!
< ズキューン!> 爆炎弾にて、炎をまとったダチョウ弾が、爪を掻き立て猛スピードで遠方のターゲットに向かって疾走する。< ボゥ ドドドドドドドドド >
ゴウラク 「 あのクソガキ共め、覚えてろよ。 追い込み掛けてやる。 …ん? 何だか後ろがやたらと明るいな。 な、なんだ? ぐあっ! 」
< ボシュー! >
炎のダチョウがGENGOROを狙撃し、大爆発を起こす。 数Km先、肉眼にて辛うじて確認できるかぐらいの場所に爆炎が立ち上っている。
もも 「 おし! 」
“もも”とハイタッチをする、“ここ”。ゴウラクの逃走を阻止する事に成功した、“もも”。母の敵討ちは終焉に向かう。 しかし…
条 「 …まさか、あの距離を軽々と。 ……… お、お前やるなぁ 」
一瞬、何か引っかかるような表情をして、すぐにいつもの調子に戻る、条。
趙 「 確かに。ライフルの性能の高さもあるようだが、腕も抜群だゾイ。軍人でも中々いないゾネ。 」
目的を達成したと同時に、再度疲労がドッと溢れて床に座り込む、吹星姉妹。満身創痍ながらも、仇を討った達成感にて気力を覚醒させている。
瞬斗も条もボロボロの中、談笑している。しばらくして、趙が口を開いた。
趙 「 改めてだが、不審な行動を取ってしまって申し訳無かったゾナ。 確かに中華街で“ここ”ちゃんを物陰から監視していたのは私だゾイ。 」
条 「 だろーな。こんなデカいヤツ見間違う訳がねぇ。 で、目的は? ってか何語だ、その語尾は? 」
瞬斗 「 少しでも不純な目的だったら、許さねぇからな! この、変態肉だるまめ! 」
趙 「 お前ら口が悪いな。。まぁいいゾイ。私が“ここ”ちゃんを監視していた理由は、私の家族が闇の組織に殺された事が関係しているゾナ。 」
条 「 !? 」
ここ 「 え!? 」
自身の家族に起こった悲劇について話し出す、趙。 想像していなかった、まさかの理由にみんなも聞き耳を立てる。
趙 「 …という訳だ。 どうする? 一緒に来るゾイ? 」
吹星姉妹にやさしく語り掛ける、趙。
ここ&もも 「 ……………………。 」
もも 「 …ぶっちゃけ、頭がついて行かないけど、ママの事も少しでもわかるんだったら… 」
ここ 「 …行こう。その話が本当なら、完全にアタシたちの問題だし。」
趙 「 君たちはどうするゾネ? 」
条 「 オレは、取りあえず気になる別件があるから、そっち片付けるつもりだ。 まぁ、お前らとは いずれまたどこかで会うかもな。 」
瞬斗 「 オレも付いて行きたいけど… ジィちゃんに戻るように言われてるからさ… 」
ここ 「 そうなの? じゃ一旦契約も解消だな、瞬斗。 目的は完了した訳で。アンタもありがとうね!助かったよ。 」
もも 「 ダネー 契約解消! まっ 引き続き闇以外でも連絡はよこしてもらってイイけど と、ありがとね、条! 」
趙 「 そうか。残念だが、私の問題だ。強制はできんゾナ。 では、せめて私の店で休むと良いゾネ。私の作る薬膳料理は、効果てきめんだゾイ!」
みんな 「 おぉ! マジか? イイねー! 」
趙の乗るハマーのような軍用車に乗り込む、一同。
【 —- 回想-—- 】
< トントントントン >
仕込みをしている趙の両親の後ろ姿。 仕入注文していた魚が届き、いつもの通り、趙(少年)が厨房へと持って来る。
趙・父 「 おぉ 届いたか?砕雀!こっちに持って来てくれ 」
振り返った父の両目が大きく開く。怪しく光る、虹色の瞳。
第1部 吹星姉妹篇 -完-
( つづく )
