ボネの時間
はあ…ドキドキする。
どうする?入る?
いや、ここまで来て入らないなんて選択肢は無いわ。
わたしは、買ったばかりのカメラを手に、ずっと訪れてみたいと思っていたイタリアンレストランのドアの前に立っていた。
再びカメラを手にしたとき、
心のどこかで、美味しいものを撮りたいと思っていた。
でも、ひとりでイタリアンだなんて
いきなりハードルが高すぎやしないか。
いやいや、今日、それが叶うかもしれないんだ。
思い切ってドアの取っ手に手をかける。
──こちらの不安など吹き飛ばすような優しい笑顔の店主。
良かった。
どの料理も優しい味でホッとする。

『美味しそうに撮ってくださいよ。』
そう言いながら、店主がDolceとCaffè Lungoをそっと置いていく。
「ボネ」という名前のドルチェ。
思ったより甘さ控えめのボネとLungoの苦みが見事に調和している。
時間がゆっくりと流れていく。
カメラを売ってから、
「この時間」まで長かったけど、案外悪くもなかったな。
💬今回からお試しで「小さなフォトエッセイ」を不定期で更新していきます。
前回投稿した2つの記事を書いていて、ふと「ちょっと書いてみたいな」と思いました。いつまで続くかわからないけど。笑
今回の記事は400字ちょっとです。
大切にしていたカメラを手放した話。
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