【今年も語らせて】2025年の推し曲ベストテン【そして聞かせて】
はじめに
【どんな記事?】
今年リリースされた楽曲で個人的なベスト10を語ります。以上!
……なのですが、いくつか文脈がありまして。
【文脈① 楽曲を語る会を続けよう】
以前、仲の良いオタクと通話しながら好きな曲を語り合う会をやっていまして。
やはりアニソン・アニメ周りが強かった一年でした。
— いち亀 (@ichikamefina) December 28, 2024
全然追ってなかった学マス、凄すぎることになってるな〜という驚き。 https://t.co/4Tvy9lA2oc
それぞれのライフスタイルの変化もあって休止中なんですが、僕のようなオタクにはなかなか欲求不満でして。妻と話そうにも、あまりにも通ってきた畑やら音楽の楽しみ方が違いすぎて難しく……
せめて年末ベストテンだけはね、一人でもやりたい。けどできればあなたの選曲も聞かせてくれ、応答願う。
【文脈② ブロクリ2025]
本記事は木本 仮名太 さま主催のアドベントカレンダー企画『ブログクリーンアップ Advent Calendar 2025』への参加記事になります。11日目ですね。
せっかくの機会、初めて参加させていただきます。
なんせ1年かけて頭の中で熟成された下書きですからね、ここで書くしか。
すでに面白かったり勉強になったりする良記事が目白押し、これが25本も! その1本に加われて光栄です。
【そんなお前は誰だ】
過去記事を名刺代わりに置いておきます。
ざっくり言うと、色んなコンテンツを愛好しつつも、音楽と小説には長いこと関心を抱いている人です。歌詞をひたすら反芻して味わうタイプ。
この辺が高じて合唱部の小説を書いたりもしていました。
さて前置きはこの辺にして、本編いってみましょ~!!
ベストテン紹介
アーティストが過去の年末ベストに登場している場合、そちらも紹介しています。
第10位 Watch me!/YOASOBI
作詞・作曲・編曲:Ayase
TVアニメ『ウィッチウォッチ』OP。とにかくアニメを盛り上げるのが上手いんですよねYOASOBI。
作品の味や手触りを曲に落とし込む、そして他メディア(今回はOP映像)との相性を抜群仕上げていく。
そういう仕事、アニメ映えさせ芸が非常に上手いな~と思える最近のYOASOBIですが、今回もクリーンヒット。
様々なキャラと魔法が織りなすドタバタでワクワクな日々と、ニコのまっすぐな乙女心。作品の楽しさがそのまま曲になったキラキラポップの、美味しいこと美味しいこと。こういうおもちゃ箱みたいな曲はずっと好きですね。
OP映像では『魔法失敗ver.』と題して制作途中の絵を出してみたりと、遊び心も光っていました。
YOASOBIは『群青(2020)』『怪物(2021)』『祝福(2022)』『セブンティーン(2023)』『UNDEAD(2024)』と毎年選んでいます。ずっと楽しませてくれてありがとう、来年もよろしく!
第9位 Plazma/米津玄師
作詞・作曲・編曲:米津玄師
まあ~よく聴いた、再生回数でいえばトップクラスじゃないかな。
とにかく聴いていて気持ちいい。圧倒的じゃないかこの疾走感は。
まさに宇宙の彼方まで飛び出していけるようなサビの突き抜け感、今年一番好きなメロディー。
タイアップの『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』は初代ガンダムのifを描いた作品でして、このアイデアも画期的なようです(ガンダムに詳しくないのであんまり分かってない)
職場の面倒くさいガノタの面倒くさい感想を聞くのも楽しかったですし、1クールのライブ感がこれほど楽しいアニメも久しぶりでした。
ご長寿IPの膨大な文脈が絡み合った中、ひたすら自分の衝動と信念のままに駆け抜けていくオリジナル主人公マチュ。その構造が気持ちよくオーバーラップしてくれる聴き心地です。
ちなみに米津さんのベストテン選出は初です。通話前日まで悩んでいるのは毎年。
第8位 空いっぱいに奏でる祈り/Aqua Timez
作詞・作曲:太志
編曲:TomoLow / Aqua Timez
人生で最初に買ったCDはAqua Timezのベスト盤です。中学時代に一番聴いたアーティストかな。
それからBUMPに行ってアニソン畑に行ってfhánaにハマって~としているうちに遠ざかったりもしつつ、なんだかんだで聴き続けましたアクア。解散は結構寂しかったし、ラストライブは思い入れたっぷり。
そんなアクアが復活したのがこの1年でした。思っていたより多く曲も出たし、結構メディア露出も多かった。まあ大体『虹』でしたが(もちろん『虹』はめっちゃ好きなんだけど『虹』一発屋と思われることには大きな異議を唱えたいオタク)
正直、過去を凌ぐほどの名曲を出した~とまでは行かなかったです。僕の好みも変わってはきてるし。
けどやっぱり、多感な時期に主食だったバンドです。言語センスの土台、その確かな一部です。
その意味で。バンド再結成をきっかけに書き下ろされ、デビューアルバムの名前を冠したこの曲には、無二の味わいがありました。
この喩え、この響き、この概念、この視点。ボーカル太志の紡ぐ言葉のひとつひとつが、アクアから僕がもらってきた感情とつながっています。走馬灯のように脳裏を駆け巡る、アクアと過ごしてきた10数年。
嬉しかったよ、Aqua Timez。いろんな人に愛されているのを実感できた、いい季節でした。
第7位 らしさ/Official髭男dism
作詞・作曲:藤原聡
編曲:Official髭男dism
ヒゲダンはライブ行くくらい好きです。母と一緒に推せる希少なアーティスト。
最初は正直、ヒゲダンにしては展開がシンプルだし音数も少ないな~と食い足りなさを覚えていました。ドーパミン中毒のアラサーなので。
けど『ひゃくえむ』を観ると一気に味わいが溢れるんですよ。
『ひゃくえむ』は(物凄くざっくり言うと)100m走を通した人生論の話。
同じ100mに挑む様々な人物たちの、信条や哲学が交錯していきます。この辺は安易に語りたくないので観てほしい、ネトフリで配信始まっています。
それに対してヒゲダンは、他人との勝負ではなく自己との対話にフォーカスを当てて一般化しました。アイデンティティである何かに打ち込む自分(僕)と、そのこだわりから遠ざかりたがる自分(君)の対立と共感。ペルソナ4で見た。
そうして描かれる対話が、もう、沁みる沁みる。
冷静になれば大人しく諦める理由の方が多い、効率やらコスパやらは圧倒的に悪い。
それでも負けたくない、追いかけたい。汗と涙にまみれた苦しさの中で、不合理な情熱を抱え続ける。
その選択へと至る自問自答、聴くたびにもらえる熱が増していきます。最初はシンプルすぎると感じたメロディーも、歌詞を追っていくと似合うな~と思い直しました。日常での繰り返し、葛藤、そしてのカタルシス。
『ひゃくえむ』の彼らにとっての100m走は、僕にとっては文章による創作です。小説でありブログであり。誰かと勝負する営みじゃないけど、負けたくないと思える軸がいくつもできてしまった営みです。お金になることは稀にしかないけど、余暇を削って打ち込みたい趣味です。
そんな不器用な自分らしさをすくい取ってくれる名曲でした。
ヒゲダンは『Laughter(2020)』『Universe(2021)』『ミックスナッツ(2022)』『Same Blue(2024)』とほぼ毎年選出。
第6位 BOW AND ARROW/米津玄師
『メダリスト』OPです。アニメ良すぎましたね。いつも心に司先生を宿せ。
フィギュアスケートに打ち込む少女と、元スケーターの青年による師弟ストーリー。
本番に挑む教え子を送り出す、教え子を未来へと羽ばたかせる、そのとき教え子は自分の手を離れていく。この構図を弓と矢に喩える米津チョイスですよ、このメタファーが熱いオブザイヤーです。
この師弟、信頼も愛情も強固とはいえ、あくまでも独立した個人同士だ~という距離感が貫かれているんですよね。その一線はぶれさせず、そのうえで教え子の飛躍を誇り祝福する。作品のバランス感を丁寧かつ熱烈に歌ってくれました。
そんな今作、関係者の特大の相思相愛で作られていたようで。
なんて思っていたところに、ねえ。
やりすぎだろ玄師!!!結弦は、結弦は、ずるすぎんだろ玄師!!!!!!すき!!!!!!!!!!!!!!
(けどできればファンの前で生解禁してその反応を残しておいてほしかったです、P5R発表の様子とか大好きなので)
第5位 まなざしは光/キタニタツヤ
作詞・作曲・編曲:キタニタツヤ
https://www.youtube.com/watch?v=fvrS1KjmG-g
今年一番好きだったアニメといえば『薫る花は凛と咲く』です。以前からオタクの「いいぞ」を聞いていましたが期待以上、爽やかな甘さと真摯な温かさが薫りまくる1クールでした。
ちなみに黒木監督率いるCloverWorksチームといえば『明日ちゃんのセーラー服』と同じ座組ですね、こちらも衝動円盤買いの傑作でした。
そんなアニメの空気感を完璧に表現してくれたのは、信頼と実績のキタニティー。
主人公から見えるヒロインの姿、ヒロインが見つけてくれた主人公の一面。その関係性を「まなざし」に絡めて描いていく歌詞。ストリングスとボーカルが引き立て合っていく、薫風の如く爽やかなメロディー。
それらが高まって高まって、サビ終わりの「光だ」で爆発するこの絶頂感、たまんないんですよね。アニメを観ては脳内にキタニが現れて「光だ!!」と叫び、曲を聞いてはタツヤと一緒に「光だ!!」と叫びたくなる、最高のアニタイ体験でした。
第4位 ハレの日に/汐れいら
作詞・作曲:汐れいら
編曲:Kouhei Kamiguchi
こちらも『薫る花は凛と咲く』より。この年末ベストテン、同じアニメからは1曲のみを選ぶことが多いんですが、本作はマジでOPもEDも大好きすぎました。
こういうね、愛しさがあふれるバラード、ほんとに弱いんですよ……去年の僕ヤバED(恋してる自分すら愛せるんだ/こはならむ)も大好きでしたが、今年はこの曲でした。
「君と一緒だと何でもない日も特別になるよ」概念に『ハレの日に』という題をつけたりだとか、空耳まで計算していそうな英語選びとか、花やケーキといった原作要素の配置とか。センスいいな~と聴くたびに思います。
そしてやっぱりボーカルがめっちゃいい、声も表情も素晴らしいです。『味噌汁とバター』での茶目っ気と聴き比べるとなお美味しいです。
最近は小説執筆中によく思い出す楽曲でもあります、薫子みたいなヒロイン像が至高なので、やっぱり自分でも書きたい。
第3位 TREASURE!/DIALOGUE+
作詞:大胡田なつき
作編曲:Akki
https://www.youtube.com/watch?v=WpVWmk06sPo
DIALOGUE+は田淵智也プロデュースの声優ユニットです。
アニタイも多いのですが、作品やキャラクターの要素を取り込みつつリスナーにエールを送る、あるいは自分たちを奮起させる、という構成を好んでいる印象があります。
今回もそのパターン。今回担当したアニメ(いずれ最強の錬金術師?)は未見なのですが、ファンタジー世界での冒険や探求を人生になぞらえたよ~という作りのはず。
温かさと勇ましさと可愛らしさが同居したメロディーに、カラフルな8人の歌声と楽器たちが入り乱れるサウンド、MVやライブでは見事なフォーメーションダンスでも魅せてくれます。とにかく楽しいのですDIALOGUE+は。
そして歌詞。素直さを尊び、不確定さを前向きに捉える人生賛歌。響きます。
そもそもdialogue(=対話)を名前に掲げているだけあり、コミュニケーションや交流の大切さをずっと歌っているグループなのです。そのコレクションにまた一つ。
加えて「不確定さを前向きに」にはグループの背景も文脈に乗ってきます。というのも、メンバーの宮原颯希さんが学業により活動制限中となっており、いずれグループを離れることも示唆されています。
つまり今のDIALOGUE+は、別の夢を見据えた仲間と共に、これまでとは違う歩き方をしている。
その宮原さんの選択を祝福し背中を押す、そんな表現が様々な形で音楽に籠められているのが最近のDIALOGUE+です。この『TREASURE!』はそうしたエールの第一歩に思えたりもする。
オタクを長くやっていると、脱退だったり解散だったりは少なからず見てきます。それらと無縁のグループの方がレアですらあります。
その中でも、なるたけ晴れやかな餞を見せようとしてくれるDIALOGUE+を、僕はこれからも応援したい。そう思わせてくれた1曲でした。
あと今年のDIALOGUE+はすごく楽しいEPを出したので聴いてください。
『かすかでたしか(2023)』『everything!(2024)』と、ここ最近は必ずベストに入れています。来年も好きだよ、好き。
第2位 思い出話/うたごえはミルフィーユ
作詞:Taiki Azegami (ARTribe), N1K0 (ARTribe)
作曲:Taiki Azegami (ARTribe)
編曲:細井涼介
https://www.youtube.com/watch?v=OuV9MwBVVzg
『うたミル』は、アカペラをガチでやる女性声優のプロジェクトです。僕も去年から曲はよく聴いていました、オリジナルもカバーも良いのが多いんですよ。
こちらはそのアニメ版のOP。爽やかな透明感の中に憂いの覗く曲調に、キャストたちの磨いてきたアカペラ表現がガッチリ噛み合う。
そして、作中でキャラクターたちが歌唱する曲でもあります。
主人公たちが活動しているのは高校のアカペラ部です。高校生活の終わりと共に思い出になっていく居場所です。
今がずっと続いてほしい、という願いが芽生えます。その先の人生なんてつまらない、という予感だって湧いてしまう。
そうした感情に向き合いながら生まれたのがこの曲です。
(だからテーマとしてはスタァライト劇場版とも近いかな。『私たちはもう舞台の上』は超名曲)
OPで毎回聴いて、愛着が育ってきた歌。そこに込められた意味が明かされていく過程、とても素晴らしい鑑賞体験でした。聴き返すたびにうるっと来ます、オタクはほんとにこれに弱い……
ちょっとキャラのクセが強い節はありましたが、「アカペラに打ち込む青春、アカペラで交わす友情」にめっちゃ真剣に取り組んでいたアニメです。音楽ストーリーが好きな人には是非オススメしたい。
合唱モノを書いてきた僕にとっては、大事な出会いでした。
あと去年もベストに選んだ『透明人間』カバーもめっちゃ良いので聴いてください。清涼感が抜群。
第1位 怪獣/サカナクション
作詞:山口一郎
作編曲:サカナクション
『チ。-地球の運動について-』OPです、放送開始時(昨年10月)はTVサイズのみ、フルは今年2月に解禁。1年前は「絶対ベスト入りなんだけど来年リリース扱いにしよう」と考えており、フルを聴いて今年1位が確定しました。
『チ。』は観た方も多いでしょう、中世ヨーロッパを舞台にした地動説を巡る群像劇。信念を貫き継承していくことに命を賭ける人間たちの話です。
その物語に籠められた様々な要素――情熱や執念や孤独や決意といった人の在り方の数々――を「怪獣」になぞらえたのがこの曲。
地動説を追いかけた架空の求道者たちの熱量に、サカナクションという音楽の求道者が真っ向から向き合った曲です。
山口一郎さん(作詞作曲ボーカル)はうつと戦いながら2年かけてこの曲を仕上げたとか、活動休止していたバンドの復活を告げる1曲だとか、それはもう作り手の文脈も重いです。その重さに似合う深さと広さが宿った、何度繰り返しても感動の褪せない4分13秒です。
『チ。』の作者は『ひゃくえむ』と同じ魚豊さん、どちらの作品でも信念と執念の交錯が描かれています。ヒゲダンもサカナクションも――あとヨルシカもamazarashiも、それぞれの流儀でこの魚豊ワールドに向き合い、名曲を届けてくれました。返す返すも幸せな音楽体験。
僕は『チ。』のような、文化的・精神的要素――いわゆるmemeの継承を描くストーリーが大好きです。黄金の精神をはじめ、名作は大体これやっている節もありますが、とにかく好き。小説やブログを書いている目的も突き詰めればこれですし、小説のテーマも大体これになりがち。
『怪獣』はそうした営みの象徴に思えるのです、それゆえに心の深いところまで響き続けます。
おかえりサカナクション、一郎さんお疲れ様。あまり無理なさらないでくださいね。
おわりに
以上、今年の個人的ベストテンでした。
大半がアニタイなのはいつものことなのですが、いわゆるアニソンアーティスト(=アニソン系フェスに出るような方々)の割合が減りつつあるな~とは感じます。アニタイ事情に僕の過ごし方に、色々影響はありそうですが。そもそもこの区分け自体の意味も薄くなっているかな。
ここからは他アーティストについてもつらつらと。
『グラスハート』の劇中曲がずっと豪華でしたね、佐藤健の旗の下、RAD洋次郎さんを筆頭に結集した面々。しれっと太志さんも居て嬉しかった。
RADといえばトリビュートも楽しかったですし、朝ドラ主題歌で大暴走していたのは痛快でしたね。
あと今年から追いはじめたのがシティソウルバンドのPenthouseです。オサレ音楽を届けてくれる技巧派集団。曲自体も良いですし、リスナーに音楽を理解してほしい~という試みが伝わってくるのも好きです。
今年は妻とのふたり暮らしが始まったんですが、彼女(由緒正しいSTARTO系列ファン)の音楽の向き合い方ってだいぶ僕と違うんですよね。
「曲書いてる人って、宣伝されない限り気にしないよ」
「そんな細かく歌詞とか見てないよ」
「バンドのボーカル以外ってそんなに注目しないよ」
あたり、何度言われたことか。
それでも好きなアーティストがいて好きな曲があって~と楽しんでいるのは尊重しているし、その様子を見ているのは僕も楽しいんですよ。とはいえ話の噛み合わなさはね、寂しいからね。
ということなので、理屈や技巧や文脈や作家性が好きな音楽ファンの長文感想を摂取したくて、そういう記事を書きました。
皆さんの推し曲も聞かせてください。
最後に宣伝です、Web小説を連載中!
高校文芸部を舞台にしたラブコメです。物語を書く・読む・評するという営みを通して互いを理解していく少年少女のお話。
面倒くさいこだわりや異様な熱意を抱えた奴らのゴリゴリした創作談義が好きです、それで回っていく恋物語を書きました。ちょっとでも興味の湧いた方は遊びにいらしてください、読者参加型コンテストの最中です。
以上、ご覧くださりありがとうございました!
