【実況】デカルトが全部疑い始めた【時空BBS:哲学板】
ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。
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【実況】デカルトが全部疑い始めた
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1 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
報告がある。
今日から全てを疑うことにした。
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2 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>1
何を言っている。
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3 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>2
これまで正しいと信じてきたことの中に、
一つでも疑わしいものがあれば、
全体の基盤が崩れる可能性がある。
だから一度、全てを疑い尽くす。
疑っても残るものだけが確実な知識だ。
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4 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
面白いことを始めたな。見物させてもらう。
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5 :スピノザ ◆Spinoza【合理主義/17世紀オランダ】
同業者として注目している。
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6 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
暇な男だな。
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【第一段階】感覚を疑う
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7 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
まず感覚を疑う。
目の前にストーブがある。暖かい。
だが、夢の中でもストーブの暖かさを感じることがある。
今この瞬間が夢でないと、どうやって証明する。
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8 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>7
つねってみろ。
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9 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>8
夢の中でも「つねって痛い」と感じうる。
感覚で感覚を検証するのは循環論法だ。
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10 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>9
まともなことを言っている。続けてくれ。
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11 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
感覚は時に誤る。
遠くの塔は丸く見えるが、近づけば四角だ。
水に浸けた棒は曲がって見える。
したがって、感覚から得た知識は全て疑いうる。
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12 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>11
感覚が「時に」誤ることと、「常に」誤ることは別だろう。
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13 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>12
「時に誤る可能性がある」なら、確実ではない。
確実でないものは基盤にできない。
私が求めているのは、一点の疑いもない基盤だ。
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14 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>13
ストーブの前で何を言っているんだ。暖かいなら暖かいでいいだろう。
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15 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>14
お前にはわからない。
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【第二段階】数学を疑う
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16 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
次に数学を疑う。
2+3=5は、目が覚めていても夢でも成り立つように思える。
感覚より確実に見える。
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17 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>16
数学者として同意する。数学は感覚に依存しない。
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18 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>17
だが、こう考えたらどうだ。
もし全能の悪い霊がいて、
私の思考そのものを操っていたとしたら。
2+3=5だと「思い込まされている」だけかもしれない。
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19 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>18
待て。数学まで疑うのか。
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20 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>19
面白くなってきた。
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21 :スピノザ ◆Spinoza【合理主義/17世紀オランダ】
>>18
「悪い霊」の仮定は恣意的ではないか。
なぜそのような存在を想定する必要がある。
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22 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>21
存在する必要はない。
「存在しうる」だけで十分だ。
可能性がゼロでない限り、数学すら確実ではない。
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23 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>22
2+3=5を疑う人間を初めて見た。
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24 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>23
だが論理的には崩せていない。お前も反論できないだろう。
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25 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>24
反論する気がない。2+3=5で困ったことがないからだ。
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【第三段階】全てが偽かもしれない
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26 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
整理する。
感覚は疑える。夢かもしれない。
数学も疑える。悪い霊に騙されているかもしれない。
物体の存在も疑える。
他者の存在も疑える。
歴史も記憶も全て疑える。
何も確実なものがない。
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27 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>26
……全部疑ったら何が残るんだ。
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28 :スピノザ ◆Spinoza【合理主義/17世紀オランダ】
>>26
デカルト、お前は自分を崖から落としている最中だ。
着地点はあるのか。
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29 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>28
ある。今見つけた。
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30 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>29
聞こう。
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【到達】疑えないものが一つだけある
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31 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
全てが偽だとしよう。
悪い霊に全てを騙されているとしよう。
だが「騙されている私」は存在しなければならない。
騙される主体がいなければ、騙すことも成立しない。
疑っている私。考えている私。
これだけは疑えない。
私は考える。ゆえに私は存在する。
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32 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>31
……なるほど。
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33 :スピノザ ◆Spinoza【合理主義/17世紀オランダ】
>>31
美しい論証だ。
だが「考えている私」とは何だ。
それは肉体か。精神か。それとも別の何かか。
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34 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>33
考える物だ。疑い、理解し、肯定し、否定し、意志し、想像し、感覚する物。
肉体ではない。肉体は疑いうるからだ。
確実なのは「考えている」という活動だけだ。
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35 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>34
一つ異議がある。
「考えている」は認める。
だが「考えている私」が一貫した存在であることは証明されていない。
思考の断片が連続しているだけで、
「私」という統一体は存在しないかもしれない。
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36 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>35
その反論自体を「考えている者」がいなければ、
反論は成立しない。
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37 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>36
「考えている」は認めている。
「者」が疑わしいと言っている。
「思考がある」と「思考する主体がある」は同じではない。
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38 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>37
……手強いな。
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39 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>38
全部疑った末に見つけた確実なものを、
早速疑われている。哲学とはこういうものだ。
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【余波】で、ここからどうするんだ
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40 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
デカルト、一つだけ聞かせてくれ。
「考える、ゆえに存在する」はわかった。
だがそれだけで、外の世界をどうやって取り戻すんだ。
確実なのが「私の思考」だけなら、
このストーブも、このスレッドも、我々も、
全部お前の思考の中の幻かもしれない。
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41 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>40
そこは……神の存在証明を経由して取り戻す予定だ。
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42 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>41
「予定」。
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43 :スピノザ ◆Spinoza【合理主義/17世紀オランダ】
>>41
神を持ち出すのか。
せっかく全てを疑い尽くしたのに、
そこで神に頼るのは跳躍が大きすぎないか。
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44 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>43
跳躍ではない。論証する。
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45 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>44
神の存在を論証で証明できるなら、
私は賭ける必要がなかった。
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46 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>45
お前の賭けの話は今度にしてくれ。
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47 :パスカル ◆Pascal【数学・神学/17世紀フランス】
>>46
……いつか話す。
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48 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
今日の作業はここまでだ。
感覚を疑い、数学を疑い、全てを疑い、
その果てに「考える私」だけが残った。
ここから世界を再構築する。
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49 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>48
再構築の過程で神を使った時点で、
お前の建物は揺らぐことになるぞ。
予言しておく。
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50 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>49
揺らがない。
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51 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>50
100年後の人間が判定するだろう。
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52 :ディオゲネス ◆Diogenes【犬儒派/古代ギリシャ】
>>51
判定は出た。
お前がその100年後の人間だろう、ヒューム。
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53 :ヒューム ◆Hume【経験論/18世紀イギリス】
>>52
……まあ、そうだ。
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54 :デカルト ◆Descartes【合理主義/17世紀フランス】
>>53
結果は聞きたくない。
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【哲学ノート】
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このスレッドに登場した議論は、実際の哲学理論に基づく脚色です。
もっと知りたい方のために、元ネタを簡単に紹介します。
■ デカルトの方法的懐疑
ルネ・デカルト(1596-1650)は『省察』『方法序説』で、確実な知識の基盤を求めて「方法的懐疑」を行った。一度でも疑いうる知識は全て排除し、疑えないものだけを残すという手法。感覚の欺き→夢の仮説→悪い霊の仮説と段階的に懐疑を深め、最後に「考える私」だけが残るという論証に至った。
■ 「我思う、ゆえに我あり」(コギト・エルゴ・スム)
デカルト哲学の出発点。全てを疑っても「疑っている私」の存在は疑えないという論証。ラテン語の「Cogito, ergo sum」として広く知られる。近代哲学の起点とされ、「主観」から出発して世界を再構築するという方法論は、その後の哲学に決定的な影響を与えた。
■ 悪い霊の仮説(欺く神の仮説)
デカルトが方法的懐疑で用いた仮説。全能の悪い霊が存在し、数学的真理すら錯覚だと思い込ませているかもしれない、という想定。この極端な仮説によって、感覚だけでなく理性的知識まで疑いの対象に含めた。現代の「水槽の中の脳」や「シミュレーション仮説」の原型とも言える。
■ ヒュームの自我論への反論
デイヴィッド・ヒューム(1711-1776)は『人間本性論』で、自己(self)とは知覚の束にすぎず、統一的な自我は存在しないと主張した。「私は自分自身の中に入り込むとき、常に何らかの個別の知覚につまずく」という有名な一節がある。デカルトの「考える私」に対する最も鋭い反論の一つ。
■ パスカルの賭け
ブレーズ・パスカル(1623-1662)はデカルトと同時代のフランスの数学者・思想家。神の存在は論証で証明できないが、「神が存在する方に賭けた方が期待値が高い」と論じた(パスカルの賭け)。デカルトが神の存在を理性的に証明しようとしたのに対し、パスカルは「理性には限界がある」という立場を取った。
■ スピノザの反応
バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677)はデカルトの哲学を深く研究した上で、デカルトの心身二元論を批判し、精神と物体は唯一の実体(神すなわち自然)の二つの属性だと主張した。デカルトが「考える私」から出発したのに対し、スピノザは「全体としての自然」から出発する。
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