【座談会】SNSが辛いです→哲学者が日陰から退いてくれと言ってきた【時空BBS:哲学板】
ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。
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【相談】比較で死にそう
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1:ナナシ ◆【現代/三十代】
相談です。
SNSを開くたびに、知り合いが旅行してたり昇進してたりで、自分だけ何もしてない気がしてしんどいです。
見るのをやめればいいとわかってます。でもやめられません。
どう考えたらいいんでしょうか。
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2:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
権内か権外か。
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3:ナナシ ◆【現代/三十代】
>>2
どういう意味ですか
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4:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
我々の自由になるものと、我々の自由にならないものがある。
他人がどこへ旅したか、出世したか、それを見たお前がどう感じるか。
前者はお前の権外。後者はお前の権内。
権外で苦しむな。権内で動け。
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5:ナナシ ◆【現代/三十代】
正論すぎて刺さるんですが
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6:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
そして覚えておけ。
お前を悩ませているのは事柄ではない。
事柄についてのお前の判断だ。
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【援軍】徒然草より
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7:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
失礼。
「つれづれわぶる人は、いかなる心ならむ」と書いた者でございます。
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8:ナナシ ◆【現代/三十代】
吉田兼好だ……
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9:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
私の本にこう書きました。
「世にしたがへば、心、ほかの塵に奪はれて惑ひやすし」
人と交われば、心は他のことに奪われ、迷いやすくなる、と。
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10:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
良い書物だ。
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11:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
七百年前にも、人は人と比べて惑っておりました。
道具が変わっただけかと存じます。
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12:ナナシ ◆【現代/三十代】
道具が変わっただけ……
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13:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
扇か、画面か、というだけのこと。
覗けば惑い、閉じれば静かでございます。
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【乱入】樽より失礼します
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14:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
お前ら、まどろっこしい。
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15:ナナシ ◆【現代/三十代】
誰ですか
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16:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
樽に住んでた男だ。
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17:ナナシ ◆【現代/三十代】
情報が少ない
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18:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
昔、アレクサンドロス大王がわざわざ俺を訪ねてきた。
「何でも望みを叶えてやろう」と言った。
俺は答えた。
「日陰から退いてくれ」
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19:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
……。
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20:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
世界の支配者が目の前にいて、頼んだのは日光だ。
他人の人生がどうとかいう前に、まず日に当たれ。
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21:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
極端だが、間違いではない。
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22:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
お前らもいちいち長いんだよ。
画面閉じて外出ろ。それで終わる話だ。
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23:ナナシ ◆【現代/三十代】
ちょっと待ってください、もう少し聞かせてください
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【脱線】魚の楽しみ
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24:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
川の魚は楽しそうだな。
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25:ナナシ ◆【現代/三十代】
急に何の話ですか
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26:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
昔、友人と橋の上にいた。
川を泳ぐ魚を見て、儂は言った。
「魚は楽しんでおる」
友人が返した。
「お前は魚ではない。なぜ魚の楽しみがわかる」
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27:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
鋭い問いだ。
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28:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
儂は答えた。
「お前は儂ではない。なぜ儂が魚の楽しみを知らぬとわかる」
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29:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
くだらん。
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30:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
くだらんが、本気だ。
お主は、SNSの向こうの誰かが「楽しそうに見える」と言ったな。
お主はその人ではない。なぜ楽しいとわかる。
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31:ナナシ ◆【現代/三十代】
…………
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32:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
旅行の写真を上げる人間が、その夜どう寝ているか、お主は知らぬ。
お主が見ているのは、人ではない。光だ。
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33:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
名言にございます。
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34:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
ついでに言えば、儂は昨夜、蝶になった夢を見た。
目が覚めて、儂が蝶の夢を見ているのか、蝶が儂の夢を見ているのか、わからなくなった。
他人と比べる前に、自分が誰かもわかっておらん。
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35:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
ついていけん。
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【整理】書簡風にまとめると
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36:セネカ ◆【ローマ/政治家・哲学者】
皆様、よろしいか。
拙者、友人ルキリウス宛に書いた書簡の中で、こう書いたことがある。
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37:ナナシ ◆【現代/三十代】
お願いします
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38:セネカ ◆【ローマ/政治家・哲学者】
「人々の中に出ていくたび、より小さな人間になって帰ってきた」と。
群衆と交わるほど、自分の中の何かが削られる。
拙者はこれを若い頃から繰り返した。経験談だ。
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39:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
わかる。
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40:セネカ ◆【ローマ/政治家・哲学者】
人格にとって、群衆ほど有害なものはない。
これは古代ローマの話だが、お主の言うSNSとやらも、要は群衆だ。
出る回数を、減らせ。
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41:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
道具が変わっただけ、と申し上げた通りで。
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42:ナナシ ◆【現代/三十代】
皆さん、結局同じことを違う言葉で言ってるんですね
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43:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
真理は古い。
人間が新しい顔で同じ穴に落ちているだけよ。
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【処方】今夜やること
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44:ナナシ ◆【現代/三十代】
最後に、皆さんから一つずつ処方箋をいただけますか。
今夜やれることで。
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45:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
権内のことを一つ書き出せ。
それ以外は今夜は考えるな。
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46:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
画面を閉じて、墨の匂いでも嗅いでくださいませ。
紙とペンに戻ると、心は静まります。
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47:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
窓を開けて魚……は、おらんか。
鳥の声を聞け。お主の知らぬ楽しみが鳴いておる。
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48:セネカ ◆【ローマ/政治家・哲学者】
群衆から離れる時間を、毎日決めよ。
拙者は書簡を書く時間がそれだった。
お主にも、そういう時間が要る。
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49:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
日陰から退け。
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50:ナナシ ◆【現代/三十代】
>>49
それ私が日陰になってる側の言い方じゃないですか
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51:ディオゲネス ◆【古代ギリシャ/犬儒派】
画面のことだ。
画面が日を遮っている。
退かすか、自分が退け。
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52:エピクテトス ◆【ローマ/元奴隷】
今のは、悪くない。
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53:ナナシ ◆【現代/三十代】
ありがとうございました。
今夜は画面を閉じて、紙に一行書いて寝ます。
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54:荘子 ◆ソウシ【戦国/道家】
それでよい。
ついでに、隣の人間が今頃どんな顔で画面を見ているか、想像してみるとよい。
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55:ナナシ ◆【現代/三十代】
たぶん、私と同じ顔ですね。
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56:兼好 ◆ケンコウ【鎌倉/隠者】
然り。
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─── 哲学ノート ───
■ エピクテトス(55頃〜135頃)
ローマ帝国期のストア派哲学者。元奴隷。著作は弟子アリアノスが筆記した『語録』『提要』として伝わる。『提要』第1章「我々の権内にあるもの(判断・衝動・欲望・忌避)と、権外にあるもの(身体・財産・名声・官職)を区別せよ」が彼の中心思想。第5章「人々を悩ますのは事柄ではなく、事柄についての判断である」も本作で引用。
■ 兼好法師(吉田兼好、1283頃〜1352以降)
鎌倉末期〜南北朝期の隠者。『徒然草』七十五段「つれづれわぶる人は、いかなる心ならむ。まぎるるかたなく、ただひとりあるのみこそよけれ。世にしたがへば、心、ほかの塵に奪はれて惑ひやすく、人にまじらへば、ことばよそのききにしたがひて、さながら心にあらず」。本作で引用したのは中ほどの一節。
■ ディオゲネス(紀元前412頃〜前323頃)
古代ギリシャの犬儒派哲学者。アテネで樽(実際は陶製の甕=ピトス)に住んだとされる。アレクサンドロス大王訪問時の「日陰から退いてくれ(私の太陽を遮らないでくれ)」の逸話はプルタルコス『英雄伝』アレクサンドロス伝14章に伝わる。大王は帰路「私がアレクサンドロスでなければ、ディオゲネスでありたい」と語ったとされる。
■ 荘子(紀元前4世紀頃)
戦国時代の道家思想家。本作で引用した「濠梁の問答」は『荘子』秋水篇。橋の上で友人・恵子と魚の楽しみを論じる場面で、「子は魚に非ず、安んぞ魚の楽しみを知らんや」と問われ「子は我に非ず、安んぞ我の魚の楽しみを知らざるを知らんや」と返した。「胡蝶の夢」は斉物論篇。荘周が蝶になった夢を見て、目覚めた後「私が蝶の夢を見ているのか、蝶が私の夢を見ているのか」と問う。
■ セネカ(前4頃〜後65)
ローマ帝政期のストア派哲学者・政治家。皇帝ネロの家庭教師。本作で引用した「人々の中に出ていくたび、より小さな人間になって帰ってきた」は『道徳書簡集』第7書簡(quotiens inter homines fui, minor homo redii)。同書簡では「群衆との交わりほど良き品性に有害なものはない」とも述べ、群衆との接触を避けるよう若い友人ルキリウスに勧めている。
もし今の悩みが「人間関係・SNS疲れ」に近いなら、次はこのあたりが合うかもしれません。
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