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【座談会】キケロ「歳とってからの友情、味が違うんだが」【時空BBS:哲学板】

ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。

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 【スレ立て】最近、友と会うのが沁みるんじゃが
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1 :キケロ ◆【老いた弁論家】
なあお前ら。
歳とってから気心知れた友と会うのって、なんか癒しが増してないか。
若い頃はもっと議論したりはしゃいだりで、会った後どっと疲れとった気がするんじゃが、
最近は黙って飲んでるだけで沁みるんじゃよ。
昨日も旧友が来てのう。半分は無言で葡萄酒飲んで帰ってったんじゃが、
帰ったあと「ああよかったな」って感情だけが残っとった。これ何なんじゃ。

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2 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
老いただけ。

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3 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>2
身も蓋もないな。

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4 :孔子 ◆【春秋の教師】
朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや、じゃ。
余は若い頃からこう申しておる。

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5 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>4
いやそれは若い頃の楽しからずやと、歳とってからの楽しからずやは違うじゃろ。
同じ言葉でも味が違うんじゃ。

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6 :孔子 ◆【春秋の教師】
>>5
まあな。

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7 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>6
認めた。

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 【分類】そもそも友愛には種類があるんだが
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8 :アリストテレス ◆【分類魔】
丁度よい話題だ。
私は友愛を三種類に分けている。

効用の友愛——互いの利益のための関係。
快楽の友愛——一緒にいて楽しいから続く関係。
徳の友愛——相手が善い人間であること自体を喜ぶ関係。

効用と快楽は若さや状況が変われば消えるが、徳の友愛だけは時を経て深まる。
キケロの言う「味の変化」は、おそらく三つ目への純化だろう。

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9 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
急に分類始まって草。

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10 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>8
お前それ若い頃から同じこと言っとったじゃろ。
わしも昔読んで「ふーん」くらいに思っとったんじゃが、
最近になってやっと「ああ、これか」ってなった。
理屈と体感の距離って、こういうことなんじゃな。

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11 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>10
そう。だから若い学生に徳の友愛を説いても届かない。
彼らが持っているのは大抵、効用と快楽の友愛だからだ。
これは時間と喪失でしか代替できない経験なのだ。

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12 :孔子 ◆【春秋の教師】
益者三友、損者三友、じゃな。

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13 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>12
東洋にも似た分類があるのか。

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14 :孔子 ◆【春秋の教師】
>>13
直き友、諒なる友、多聞の友は益。
便辟、善柔、便佞は損、じゃ。

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15 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>14
あちらもこちらも、結局似たようなとこに辿り着くのう。

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16 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
三つでも六つでも、結局は「選べ」だろ。
分類で感動するな。

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17 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>16
感動している者は一人もいない。
理解しているだけだ。

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18 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>17
お前、理解してる時の顔、感動してる顔と一緒だぞ。

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19 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>18
それは新情報だ。

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 【異論】でも一人でよくないか
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20 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
そもそもよ。
友なんていなくても生きていけるだろ。
俺は犬と樽で十分だ。

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21 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>20
お前それ若気の至りじゃろ。
歳とってから言ってみろ。

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22 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>21
歳とって言ってるが。

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23 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>22
……マジか。

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24 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>20
仮に君が完全に自足しているとしよう。
それでも「分かち合える誰か」がいる人生と、いない人生は、
同じ幸福と呼べないはずだ。
人間は本質的に社会的動物なのだ。

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25 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>24
社会的動物って言葉で全部済ますな。
俺はお前らと同じ種じゃない可能性がある。

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26 :孔子 ◆【春秋の教師】
>>25
それ、寂しい奴の言い分じゃ。

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27 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>26
は?

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28 :孔子 ◆【春秋の教師】
>>27
違うか?

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29 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
違わん。

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30 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>29
素直で草。

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31 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
犬は来る。

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32 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>31
それは友愛の第四分類にすべきかもしれない。

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33 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>32
分類増やすな。

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 【告白】友を失った者の話
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34 :モンテーニュ ◆【随筆家】
横から失礼する。
読んでいて、書かずにいられなくなった。

私には、心を完全に分け合える友がいた。
歳を重ねた後の友情が沁みる、という話だが、
私はそれを味わう前に、彼を失った。三十三の年だ。

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35 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>34
……ああ。

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36 :モンテーニュ ◆【随筆家】
なぜ彼を愛したのか、と問われると、
「彼が彼であり、私が私であるからだ」としか答えられない。
理由を探そうとすればするほど、どれも的外れに感じる。
友情というのは、そういう形でしか存在しないのではないかと、今でも思う。

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37 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>36
……それはおそらく、徳の友愛の極致だ。
私の分類を超えている。

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38 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
>>36
お前、筆で書きながら泣くタイプだろ。

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39 :モンテーニュ ◆【随筆家】
>>38
……よく分かったな。

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40 :孔子 ◆【春秋の教師】
>>34
失った友は、失ったことで近くなる、ということはあるのう。

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41 :モンテーニュ ◆【随筆家】
>>40
その通りだ。
書斎にいても、彼と話している気がする。
一人で酒を飲んでいても、
「それはお前の悪い癖だ」と言う声が聞こえる。
もう三十年もそうだ。

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42 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>41
それはもう、今も会っとるんじゃな。

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43 :モンテーニュ ◆【随筆家】
>>42
……そうなのかもしれない。

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 【結】要はただ黙って飲めるってことじゃ
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44 :キケロ ◆【老いた弁論家】
なんかわしが立てたスレなのに、
皆の話を聞いとるうちに、自分の問いが勝手に解けた気がするのう。

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45 :キケロ ◆【老いた弁論家】
若い頃の友情は「共有」じゃった。
同じ本を読んで、同じ怒りを持って、一緒に走っておった。
今の友情は「確認」なんじゃな。
ああ、お前まだおったんか、と。
ああ、わしもまだおる、と。
それだけで十分沁みる。

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46 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>45
美しい整理だ。
君は哲学者をやめても食っていけたな。

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47 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>46
やめとらんわ。

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48 :孔子 ◆【春秋の教師】
朋有り、まだおる、亦た楽しからずや。

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49 :モンテーニュ ◆【随筆家】
>>48
……いい翻訳だ。

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50 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
お前らちょっとしんみりしすぎ。

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51 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>50
お前さっきまで犬の話しとったじゃろ。

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52 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
……。

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53 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
まあ、たまには来てやってもいい。

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54 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>53
来い来い。
うちは葡萄酒だけは減らんようにしとる。

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55 :孔子 ◆【春秋の教師】
余も行く。杖が要る歳じゃがな。

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56 :アリストテレス ◆【分類魔】
>>55
我々はそれを「徳の友愛、酒場分類」と呼ぼう。

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57 :モンテーニュ ◆【随筆家】
>>56
分類がまた増えたな。

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58 :キケロ ◆【老いた弁論家】
じゃあ決まりじゃ。
次元の壁を越えて、わしの家で一杯やろう。
黙って飲むだけでも沁みる歳になった者だけの、静かな会じゃ。

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59 :ディオゲネス ◆【樽の住人】
犬連れてく。

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60 :キケロ ◆【老いた弁論家】
>>59
連れてくんな。

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 【哲学ノート】
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■ キケロと老いた友情
古代ローマの政治家・弁論家キケロ(前106〜前43)は『友情について』(ラエリウス)で、真の友情は「徳ある者同士の間にしか成立しない」と論じ、友情を人生最高の財とした。晩年に書かれた『老年について』(カトー)でも、老いた友との語らいを老後最大の慰めとして挙げている。スレ立て主に据えたのはこの二作品の合流点だからである。

■ アリストテレスの友愛三分類
『ニコマコス倫理学』第八・九巻で、アリストテレス(前384〜前322)は友愛(フィリア)を、有用性・快楽・徳の三種類に分類した。前二者は相手の属性が変われば消滅するが、徳の友愛だけが最も持続し、完全な友愛であるとされる。本編では効用・快楽・徳の順で紹介した。

■ 孔子「益者三友・損者三友」
『論語・季氏篇』に出典。益となる友は「直・諒・多聞」(正直・信義・博識)、損となる友は「便辟・善柔・便佞」(こびへつらい・うわべの優しさ・口先だけ)と分類される。スレ立て主キケロへの応答に用いた「有朋自遠方来、不亦楽乎」は『論語・学而篇』冒頭の有名句。

■ モンテーニュと親友ラ・ボエシ
フランスの思想家モンテーニュ(1533〜1592)は、若き日の親友エティエンヌ・ド・ラ・ボエシを三十代で失った。『エセー』第一巻第二十八章「友情について」で、「なぜ彼を愛したかと問われれば、『彼は彼であり、私は私であるからだ』としか答えられない」と記した。『エセー』全編に、亡き友の不在がしばしば影を落としている。本編の「書斎で声が聞こえる」は『エセー』の記述を下敷きにした脚色。

■ ディオゲネスと犬
キュニコス派(犬儒派)の始祖ディオゲネス(前412頃〜前323頃)は樽(正確には大きな甕)で暮らし、犬のような生活から「犬儒派」と呼ばれた。ただし本人は単なる孤立主義者ではなく、アテナイの広場で人々と激しく議論した社交的な変人である。

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