見出し画像

【議論】宇宙の果てに壁はあるのか【時空BBS:科学板】

ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 【議論】宇宙の果てに壁はあるのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

壁があるに決まっている。
天球という完璧な球体が宇宙を囲んでいる。恒星はその天球に張り付いた光だ。
これ以上シンプルな答えがあるか?

───────────────────

2:プトレマイオス ◆Ptolemy【天文学者/アレクサンドリア】

>>1
師の説を発展させた者として同意する。
地球を中心に、月・太陽・惑星・恒星の天球が層をなして回っている。
最外殻の恒星天球の「外」は存在しない。問い自体が無意味だ。

───────────────────

3:コペルニクス ◆Copernicus【天文学者/聖職者】

すまないが、地球は中心ではない。
太陽が中心だ。
……と本に書いたのだが、出版されたのが死ぬ直前だったので議論に参加できなかった。

───────────────────

4:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>2
望遠鏡で覗いたら木星の周りを衛星が回ってた。
地球中心モデルだとこれ説明できないんだが。

───────────────────

5:プトレマイオス ◆Ptolemy【天文学者/アレクサンドリア】

>>4
……周転円を追加すれば説明できる。

───────────────────

6:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>5
周転円何個追加する気だよ。

───────────────────

7:ケプラー ◆Kepler【天文学者/神聖ローマ帝国】

すみません本題に戻りませんか。
宇宙の果てに壁があるかどうか、です。
ちなみに惑星の軌道は円じゃなくて楕円です。これ重要です。

───────────────────

8:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>7
楕円? 不完全な形ではないか。天体の運動は完全な円でなければ美しくない。

───────────────────

9:ケプラー ◆Kepler【天文学者/神聖ローマ帝国】

>>8
美しいかどうかは自然に聞いてくれ。
データがそう言っている。

───────────────────

10:ニュートン ◆Newton【自然哲学者/ケンブリッジ→造幣局】

万有引力の法則で言えば、宇宙が有限なら全ての物質が重力で一点に集まるはずだ。
つまり宇宙は無限でなければならない。
壁などない。

───────────────────

11:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>10
無限? 無限の空間に無限の星があると?
それは混乱を招くだけだ。秩序はどこにある。

───────────────────

12:ニュートン ◆Newton【自然哲学者/ケンブリッジ→造幣局】

秩序は法則の中にある。
林檎が落ちるのと月が地球を回るのは同じ力だ。

───────────────────

13:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>12
林檎のくだり毎回言うよな。

───────────────────

14:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

横から失礼する。

この議論、私には怖い。
無限の空間の永遠の沈黙が、私を恐怖させる。

宇宙に壁があろうがなかろうが、この広さの前で人間はあまりにも小さい。

───────────────────

15:ディドロ ◆Diderot【百科全書派/パリ】

>>14
怖がってる場合じゃないだろ。調べろ。

───────────────────

16:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

>>15
調べた先にあるのがさらなる恐怖なんだが。

───────────────────

17:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

宇宙は無限だ。
太陽は恒星の一つにすぎない。恒星は無数にあり、それぞれに惑星がある。
世界は一つではない。無限の世界がある。

───────────────────

18:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>17
それは異端では?

───────────────────

19:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

>>18
異端と言われて焼かれた。

───────────────────

20:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>19
……。

───────────────────

21:コペルニクス ◆Copernicus【天文学者/聖職者】

…………。

───────────────────

22:ケプラー ◆Kepler【天文学者/神聖ローマ帝国】

空気が重い。
本題に戻りましょう。
>>17 の「恒星がそれぞれ太陽である」という主張、当時は証明できなかったが——

───────────────────

23:ハーシェル ◆Herschel【天文学者/バース】

証明した者がここにいる。
望遠鏡を自作して夜空を片端から観測した。星の数を数え、天の川の形を測った。
結論:我々の太陽系は巨大な星の集団——銀河系の一部にすぎない。

───────────────────

24:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>23
天球は?

───────────────────

25:ハーシェル ◆Herschel【天文学者/バース】

>>24
ない。

───────────────────

26:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

……。

───────────────────

27:ハッブル ◆Hubble【天文学者/ウィルソン山天文台】

さらに追い打ちをかけるが、銀河系すら宇宙の全体ではない。
天の川の外に、別の銀河が無数にある。
そして——全ての銀河は互いに遠ざかっている。

───────────────────

28:ニュートン ◆Newton【自然哲学者/ケンブリッジ→造幣局】

>>27
遠ざかっている? 万有引力で引き合うはずだが。

───────────────────

29:ハッブル ◆Hubble【天文学者/ウィルソン山天文台】

>>28
空間そのものが膨張している。
風船の表面に点を描いて膨らませると、全ての点が互いに遠ざかるだろう。あれだ。

───────────────────

30:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

風船の外は何だ。

───────────────────

31:ハッブル ◆Hubble【天文学者/ウィルソン山天文台】

>>30
たとえ話だ。風船の「外」に相当するものは観測できない。
というか、たぶん問いとして成立しない。

───────────────────

32:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

>>31
ますます怖いんだが。

───────────────────

33:ルメートル ◆Lemaitre【天文学者・司祭/ルーヴァン】

膨張しているなら、時間を巻き戻せば全てが一点に集まる。
宇宙にはじまりがあったのだ。「原始的な原子」から全てが始まった。

───────────────────

34:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>33
宇宙に始まりがある? 宇宙は永遠に存在しているものだ。

───────────────────

35:ルメートル ◆Lemaitre【天文学者・司祭/ルーヴァン】

>>34
約138億年前だ。

───────────────────

36:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

138億年前に一点から始まって、今も膨張している。
壁はない。だが「果て」はある。光が138億年かけて届く距離に限界がある。
その先にも宇宙はあるかもしれないが、永遠に見えない。

───────────────────

37:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

見えない宇宙。
存在するかもしれないが確認できない領域。

沈黙どころの話ではなかった。

───────────────────

38:ケプラー ◆Kepler【天文学者/神聖ローマ帝国】

整理させてくれ。
・天球(壁がある)→ なかった
・無限の静的宇宙 → 膨張していた
・始まりがない → 138億年前に始まった
・果てはない → 観測可能な限界がある
全部ひっくり返ってるじゃないか。

───────────────────

39:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>38
科学はそういうものだ。
ひっくり返るたびに、少しだけ本当のことに近づく。

───────────────────

40:ニュートン ◆Newton【自然哲学者/ケンブリッジ→造幣局】

>>39
私の力学もひっくり返されたが。

───────────────────

41:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>40
お前のはひっくり返ったというより「特殊な場合に限り正しい」になった。
偉いんだよ。

───────────────────

42:ハッブル ◆Hubble【天文学者/ウィルソン山天文台】

ちなみに、宇宙の膨張は加速している。

───────────────────

43:ニュートン ◆Newton【自然哲学者/ケンブリッジ→造幣局】

>>42
加速? 何のエネルギーで?

───────────────────

44:ハッブル ◆Hubble【天文学者/ウィルソン山天文台】

>>43
わからない。
だから「暗黒エネルギー」と呼ばれている。名前はついたが正体は不明。

───────────────────

45:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

名前だけついて正体不明。
宇宙の96%が正体不明の何かでできている、と。

もう帰りたい。

───────────────────

46:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

>>45
帰る場所も宇宙の中だぞ。

───────────────────

47:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

最初の問いに戻る。
宇宙の果てに壁はあるのか。

私の天球は否定された。
無限説もそのままでは通らない。
膨張していて、始まりがあり、果てがあるが壁はない。

……正直に言おう。わからなくなった。

───────────────────

48:コペルニクス ◆Copernicus【天文学者/聖職者】

>>47
二千年間の定説を作った人がそれを言うのは勇気がある。

───────────────────

49:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

>>48
間違っていたことは認める。だが、問いを立てたのは私だ。
「宇宙とは何か」を最初に体系的に考えたのは私だ。
……そこは認めてほしい。

───────────────────

50:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>49
認める。
問いがなければ、望遠鏡を覗く理由もなかった。

───────────────────

51:ハーシェル ◆Herschel【天文学者/バース】

結局、「壁はない」が現時点の答えだ。
だが、観測できる宇宙の外に何があるかは誰にもわからない。

───────────────────

52:ルメートル ◆Lemaitre【天文学者・司祭/ルーヴァン】

「壁」がないのに「果て」がある。
有限だが境界がない。地球の表面を歩き続けても端に落ちないのと同じだ。

───────────────────

53:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

有限なのに果てがない。
膨張しているのに中心がない。
始まりがあるのに「始まりの前」は問えない。

人間の言語が追いついていないだけなのか、
それとも宇宙がそもそも人間の理解を前提として設計されていないのか。

───────────────────

54:ディドロ ◆Diderot【百科全書派/パリ】

>>53
後者だろ。
宇宙は人間に理解されるために存在しているわけじゃない。

───────────────────

55:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

>>54
それが一番怖い。

───────────────────

56:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

私はそれを美しいと思う。
人間の理解を超えたものがあるからこそ、考える意味がある。

焼かれてもそう思っていた。

───────────────────

57:ケプラー ◆Kepler【天文学者/神聖ローマ帝国】

まとめる。

Q:宇宙の果てに壁はあるのか?

天球説(アリストテレス・プトレマイオス)→ 壁(天球)がある → 否定された
無限宇宙説(ニュートン・ブルーノ)→ 壁はない、無限に広がる → 部分的に修正
膨張宇宙説(ハッブル・ルメートル)→ 壁はないが「観測可能な限界」がある。宇宙は有限だが境界はない

現時点の最善の答え:
「壁はない。だが見える限界がある。その先は、まだ誰にもわからない。」

───────────────────

58:アリストテレス ◆Aristotle【万学の祖/リュケイオン学頭】

二千三百年議論して「わからない」か。

───────────────────

59:ガリレオ ◆Galileo【天文学者/ピサ→フィレンツェ】

>>58
「わからない」の精度が上がった。
これが科学だ。

───────────────────

60:パスカル ◆Pascal【数学者・哲学者/クレルモン】

……でもこのスレ、宇宙の片隅の、太陽系の三番目の惑星の、掲示板で立ってるんだよな。

───────────────────

61:ブルーノ ◆Bruno【哲学者・修道士/ノーラ】

>>60
そうだ。
観測可能な宇宙の直径は930億光年。
その中の塵みたいな星で、塵みたいな生き物が「果てはあるか」と問うている。

それ自体が、宇宙で最も不思議なことだと思わないか。

───────────────────

このスレッドはアーカイブされました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 📖 科学ノート(元ネタ解説)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【天球説】
アリストテレスは宇宙を「入れ子状の天球」で説明した。地球を中心に月・太陽・惑星・恒星の球殻が取り囲み、最外殻の「恒星天球」の外には何もないとした。プトレマイオスはこのモデルを精密化し、約1400年間西洋天文学の標準だった。

【コペルニクスの地動説】
1543年、死の直前に『天球の回転について』を出版。太陽中心説を唱えたが、生前は大きな論争にならなかった。

【ブルーノの無限宇宙論】
ジョルダーノ・ブルーノは16世紀に「宇宙は無限であり、太陽のような恒星は無数に存在する」と主張。異端として1600年に火刑に処された。科学的証明ではなく哲学的直観だったが、結果的に方向性は正しかった。

【ニュートンの無限宇宙】
ニュートンは万有引力の帰結として宇宙が無限でなければ重力崩壊するという「オルバースのパラドクス」的問題に気づいていた。無限の空間に無限の星が均等に分布していれば、重力が釣り合うと考えた。

【ハーシェルの銀河系】
ウィリアム・ハーシェルは18世紀末、自作の巨大望遠鏡で星の数を数え、天の川が巨大な星の集団(銀河系)であることを初めて実証的に示した。

【ハッブルの膨張宇宙】
1929年、エドウィン・ハッブルは遠方の銀河ほど速く遠ざかっていることを発見。宇宙が膨張していることの観測的証拠となった。

【ルメートルの「原始的原子」】
ジョルジュ・ルメートルは膨張宇宙から逆算して「宇宙には始まりがある」と提唱。のちに「ビッグバン理論」として確立される。ルメートル自身はカトリック司祭でもあった。

【観測可能な宇宙】
宇宙の年齢は約138億年だが、空間の膨張を考慮すると観測可能な宇宙の直径は約930億光年と推定されている。その外に何があるかは原理的に観測できず、現在の物理学では確定的な答えがない。

【暗黒エネルギー】
1998年、宇宙の膨張が加速していることが発見された。この加速を引き起こしている未知のエネルギーを「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」と呼ぶ。宇宙全体のエネルギーの約68%を占めると推定されるが、正体はわかっていない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

📖 時空BBS:科学板(マガジン・無料)
このスレッドが面白かったら、同じ板の他のスレッドもどうぞ。

🌐 時空BBS 全板まとめ



もし今の悩みが「未知・挑戦・スケール感」に近いなら、次はこのあたりが合うかもしれません。



時空BBS全体の入口はこちら。


時空BBSの読み方・悩み別おすすめ記事

いいなと思ったら応援しよう!