飽き性の日記(2024夏)
この作品は『暗くないエッセイが読みたい』というエッセイ本に収録されています。
2024年6月23日(日)
都知事選、安野たかひろさんの街頭演説を聞きに中野駅に行く。50分遅れで演説開始。応援演説をする奥さまの顔の系統が自分と近く、なんとなく親近感が湧く。最後に安野さんご本人と握手をさせてもらい、人間どこまで行っても最後は一人と一人の対峙なんだと思った。テクノロジーで効率化できるところは効率化して、人間じゃないとできないことを手厚くしていく、そんな行政になってほしい。
2024年6月26日(水)

以前の職場では、ヤマトで荷物が送られてくるときに羽田のクロノゲートを経由してくるので、なぜか指定日の翌日に届くことになっていた。クロノゲートの見学は人気で、いつも予約が埋まっている。数日前に1名だけキャンセルが出ていたので申し込み、穴守稲荷まで行ってきた。
クロスベルトソータというベルトコンベアが優秀だ。一枚ずつはセルという名前で、それぞれにランニングマシンのようなベルトが付いている。荷物の伝票番号とセルが紐づけられて、左右にあるシューターに仕分けされていく。英才教育系の幼稚園児が来ていたが、マナーがよくて驚く。こうして体験格差が開いていくのか。
子どもたちはどの荷物がシューターに落ちていくか予想していたり、ベルトコンベアの合流地点で加速して運び込まれる荷物を見て盛り上がっていたりして微笑ましい。集中管理室以外は自動化された部分のみの見学で、人間がやっているはずの泥臭い部分が見えなかったのには少し物足りなさを感じる。
2024年6月27日(木)
同僚が通っていたジムでは、ヨガのことをオリエンタルストレッチと呼んでいたという話がじわじわくる。
2024年6月30日(日)

市ヶ谷という名前だけあり、坂を上って「市谷の森 本と活字館」へ。予約していた活版文学帳を作るワークショップ。吾輩は猫である、檸檬、銀河鉄道の夜の三つのデザインから選ぶ。本に載った猫がかわいくて迷ったが、思い入れのある銀河鉄道の夜にした。学芸会で銀河鉄道の夜をオマージュした劇をやったのだ。
好きな文字を入れられるのだが、結構悩んで日付とイニシャルというおもしろみのないところに落ち着いた。同じ回の他の三人は、サクっと決めていて潔い。
文字を拾う。銀河鉄道の夜ではジョバンニが活字拾いのバイトをしていたようだが、全く覚えていなかった。アルファベットと数字は半角の大きさで、ひらがなカタカナに比べて持ちづらい。
そして活版印刷本番。少し罫線がにじんだが、おおむね上手くいった。小学生の男の子が手で擦ってしまったようで、何回かやり直ししていて心のなかでエールを送る。無事に完成してよかった。

2024年7月1日(月)
隣駅の好きな古本屋で、ずっと気になっていた本を買った。山本文緒「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」550円だった。一日で読了。
駅前でおじさんふたりがももを売っていて、合法か不明だったが買ってみた。なりゆきで1,000円払わされそうになったけれど「500円で買えるだけ」と言ったら、2個で1,000円のももを3個ビニール袋に入れて、投げやりに手渡された。ほかの男性客は値段交渉に苦戦しており、じゃあいらないと言って帰っていった。食べごろでおいしいももだった。ももはひらがなで表記するとかわいい。読みにくいけれど。
2024年7月2日(火)
最短で医療脱毛の予約が取れたのが、薄毛治療の専門院だった。平日昼間だったからか、女性客のほうが多い。待合室のテレビに薄毛治療の情報が流れている。美容外科で流れる整形の情報に比べて、刺激が少なくて好ましい。
深夜の馬鹿力で話していた、少しすっぱい平塚タンメンが気になる。おそらく花水ラオシャン。
2024年7月3日(水)
とあるフェスに当選した。何度応募しても落選続きで行きたい気持ちがしぼんでいたのだが、当たった途端に楽しみになってきた。当選した勢いで、旅行の計画を進めた一日だった。
おばあちゃんからお小遣いで、家に眠っていたドル紙幣をもらったことがある。サイパンに卒業旅行に行ったときだ。その残りを1ドル140円を超えたあたりから両替しようと思っていたのだが、後回しにしているうちに1ドル160円まで円安が進んだ。新宿西口の両替屋に向かう。結局、1ドル159.5円のレートで23,000円になった。使い切れなかった台湾ドルも両替できたし、フェスの遠征費の足しになって嬉しい。両替できなかったコインをJTBの窓口に持っていき、ユニセフ外国コイン募金に寄付した。
夜ごはんに作った、ごぼうのみじん切りを豚ひき肉に混ぜたタコライスが美味しかった。
2024年7月4日(木)

ヨガのあと、フォーのお店で昼ごはん。昨年食べて美味しかった、夏限定のブンネムにする。揚げ春巻きとサラダがのっていて、ベトナムの冷やし中華といった感じだ。さっぱりしていて食べやすく、この夏はブンネムにお世話になりそうな予感がしている。
うちの下に古着屋がある。そこで売っているスカートのひとつが、私の持っているスカートの柄によく似ていると夫に言われた。私もまったく同じことを思っていた。
スカートの柄つながりで言うと、昨日知った奥田民生の「マシマロ」という曲に惹かれている。
2024年7月5日(金)
ゆるいグルテンフリー生活を送っている。昨日で米を食べ切ってしまったので、米粉でうどんを作った。一般的な米粉うどんのレシピには片栗粉が入っているがあいにく切らしていたので、米粉と水と塩だけで挑戦してみる。こねてのばして切って一本ずつ整形したのに、ゆでている間にぷつぷつ切れて、すべて小指ほどの長さになった。もともとの長さや太さはまちまちなのに、切れたあとの長さがそろうのが不思議だ。
一時間かけて作ったうどんはまずくはないが、スイッチを押すだけで炊きあがる白米のほうが美味しくてつらい。短いうどんを食べている最中に、ふるさと納税の米が届いた。明日からは米が食べられる。
2024年7月6日(土)

御茶の水で友達(と子)と会う約束があった。その前に穂高で涼む。一人で行っても、ソファー掛けの四人席に座ることがゆるされているタイプの喫茶店だった。アイスカフェオレは氷が透き通っていて、紙のコースターがかわいい。
2024年7月7日(日)
朝から30度を超える暑さのなか、都知事選の投票に行った。投票所の小学校の体育館にクーラーが付いていて安心した。
友達が体調不良で会う予定がなくなったので、家でゆっくり過ごすことにする。来客用のふとんを干したり、懸賞に応募したり。ゼスプリのキウイに付いているシールを集めている。それを数えてはがきに貼り付けて、必要事項を記入する。時間と心の両方の余裕がないとできない作業だ。
夜ごはんは夫が買ってきてくれたうなぎ。投票行って外食はせず、家で涼しくいただいた。
2024年7月8日(月)
地元で観測史上最高の39.2℃を記録した。暑すぎる。人の形を保つので精いっぱいの毎日だ。高級スーパーで見切り品のももを購入したのだが、先日おじさんから買ったもものほうが美味しかった。
2024年7月9日(火)

母と新橋演舞場の七夕喜劇まつりへ。ひとつめの「唐木の看板」は、新しいお金や流行り病などの時事ネタがおもしろかった。幕間(INT)は40分。ふたつめの「はなのお六」は出演者が多く、セットも豪華だった。ファスト喜劇にしたら数分で終わるであろうスロウな展開を、少し眠くなりながらスロウに楽しんだ。
2024年7月10日(水)
漢方よもぎ蒸しに行った。ドーナツ型にくり抜かれた黄土の椅子で体育座りをする。岩盤浴のようなサラサラな汗をドバドバとかく40分間。終わったあとに壺診断なるものがあった。はじめてにしては毒素がたくさん排出されており、二週間前のおりものも出ていて、内蔵がおつかれらしい。ちょっと胡散臭い。
劇場アニメ「ルックバック」を見た。58分の上映時間に過不足がない感じがする。トイレが近い身としては、一時間くらいの映画がもっと増えると嬉しい。
2024年7月11日(木)
ヨガに行った。夜ごはんにアジの煮付けを作る。夫に「ししとうではなくオクラを入れてアレンジするところがみきちゃんらしいね」と言われたが、オクラを一緒に炊いたのは白ごはん.comに忠実なだけだった。ただ、オクラ入りのレシピを選ぶところに自分らしさがあるのかもしれない。
坂口恭平「生きのびるための事務」を読了。
2024年7月12日(金)
てぬぐいを染める体験をした。

木のヘラで糊を塗る「糊置き」と、糊で土手を作って染料を注ぐ「注染」が主な工程。布の上下がずれないように畳んでいく作業が一番難しかった。完成のイメージが浮かばないままフィーリングで染料を注いだが、想像以上の仕上がりで大満足。

ピンクと茶色を注いで作ったえんじ色が、ライチらしくて気に入っている。ノベルティでいただいたてぬぐいはロール捺染に注染を重ねているようで、こだわりを感じる。
三越前のタロー書房の前を通ったが、時間がなくて行けずじまい。またの機会に。
2024年7月13日(土)
ヨガの帰りにビッグイシューを購入。はじめて買うので少し緊張したが、販売者のおじさんは気さくで話しやすかった。ちょうど一週間前の雷雨の話などをする。
ビックイシューは一冊450円で、そのうち230円が販売者の収入になるそうだ。明朗会計で嬉しい。また気になる特集があったら、今日のおじさんから買いたい。
2024年7月15日(月)

昼の高速バスで名古屋から東京に帰る。三列シートで快適。足柄SAの時之栖で静岡おでんをテイクアウトする。フワは牛の肺のことで、食べやすいレバーといった感じ。みそだれをつけた大根と玉子焼きも美味しかった。また食べたい。
2024年7月16日(火)
夫が夏風邪をひいた。ふとんを三階に敷いた。
2024年7月18日(木)
ピーマン、赤パプリカ、ズッキーニの焼きびたしを作った。野菜を多めの油で焼いて、熱いうちに調味液に入れるだけ。醤油大さじ2、ぽん酢大さじ2弱、黒酢小さじ2、砂糖大さじ1、和風顆粒だし小さじ3分の1、水150㏄。
2024年7月20日(土)
宅飲みに磯子へ。伊勢丹の缶ビールを手土産に。二種類あって、赤と黄のタータンチェックはゴールデンエールで、落ち着いた柄のほうはアンバーラガーだった。
2024年7月21日(日)
夫とステーキランチに行った。店主がおしゃべりがゆえに、牛フィレの美味しさに集中できなかった。スーパーで店主のふるさと、新潟産のスイカを買って帰った。
2024年7月24日(水)
正午の時点で36℃以上あったのに、ゲリラ豪雨が通りすぎて一時間で14℃も下がった。積乱雲から冷たい風が吹き降ろす、ダウンバーストが起きていた可能性があるようだ。雨が上がった直後は涼しく、久しぶりに昼間に散歩できて嬉しかった。荻上チキ「もう一人、誰かを好きになったとき ポリアモリーのリアル」読了。
2024年7月26日(金)

今年二度目のブンネム。レモンを絞った記憶がないなと思って写真を見返したら、前回は載っていなかった。明日の結婚式のために、近所の文房具屋でご祝儀袋を購入。新紙幣のほうがいいかなと思いつつ、新札っぽい旧一万円札を三枚入れた。
2024年7月30日(火)
先日、約三か月のゆるグルテンフリー生活を終え、久しぶりにセブンの「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」を食べた。
2024年8月2日(金)
昨年に続き、お中元のうずわをいただく。ソウダガツオのことで、背中の模様が渦輪(うずわ)に見えることに由来するらしい。うまく解凍できたからか、昨年より美味しく感じた。
母から譲り受けた「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」読了。この本を知ったのは、今年の4月にミシガンに乗船したことがきっかけだ。成瀬のどのエピソードも魅力的だけど、最初の西武大津店の話が一番好きだった。
2024年8月3日(土)
久しぶりにヨガに行った。しょうがと砂糖とはちみつとシナモンスティックを煮て、ジンジャーシロップを作った。出がらしのしょうがのスライスをそのまま食べるのも美味しかった。スパイスが足りなかったので、次はクローブとカルダモンも入れたい。夜に散歩する元気が残っていて嬉しかった。
2024年8月4日(日)
昼ごはんに尾道ラーメンをゆでた。夜は表参道で友達の結婚祝い。31歳になっても、表参道で飲むという行為をお洒落だと感じてしまう。また使いたいと話していたLUSHの艶肌ドロップを、夫が買ってきてくれて嬉しかった。
2024年8月7日(水)

神楽坂のラリアンスで夫とランチ。鮭のポアレがとても美味しかった。クレープシュゼットを食べながら、インサイド・ヘッド2を観たいと話す。

そのあと日本橋の高島屋で「田中達也展 みたてのくみたて」展を観る。豊かな発想はもちろんすごいが、インスタを毎日投稿する継続力がすさまじい。
2024年8月10日(土)
昼ごはんにマックの「炙り醤油風ベーコントマト肉厚ビーフ」を食べた。やっぱりサムライマックが一番うまい。ナゲットの期間限定のカレーのソースもよかった。
夜にスポーツクライミング女子決勝を観た。登っている途中で手をブラブラさせて、体力を回復するのが興味深い。リードという種目に強い森秋彩選手が4位だった。土門蘭「死ぬまで生きる日記」読了。
2024年8月11日(月)
甲子園、一回戦の早実対鳴門渦潮を観た。宇野くん、打撃もよければショートの守備もいい。鳴門渦潮の岡田投手が185球を投げていて、心配になる。7対4で勝利した。次の試合も楽しみだ。
久しぶりにひとりでマリオパーティースーパースターズで遊ぶ。99レベルでカンストするまでやった。10月にマリオパーティーの新作が出るらしい。
2024年8月13日(火)
久しぶりに吉祥寺へ。ダイソーで蟲神器(むしじんぎ)というカードゲームのスターターパックとブースターパックを買ってみる。昼は薬膳スープ春雨の店に行った。麻辣湯(マーラータン)スープの味は本格的で美味しかったが、野菜の量り売りはやや割高感があった。小沼理「共感と距離感の練習」読了。
――日記は、ここで途絶えているようだ。
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