生理痛はつらいよ
最初に生理痛で日常生活に支障をきたしたのは、二十歳になる直前だった。
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中野駅構内の階段を降りていたら、視界が外側から白く、狭くなっていった。改札の方向を知っていたので、なんとかそちらに足を進める。駅員に事情を説明し、救護室で休ませてもらった。症状があまりよくならないまま、救急車で病院に運ばれた。
生理に伴う貧血だったようで、病院に着いてから少し経つと回復した。看護師さんにナプキンを変えてもらうときに「経血の量が多くて、大変でしょう」と声を掛けていただいた。当たり前だが、自分の体でしか生理を経験したことがない。一般的な女性より経血の量が多いという事実を、そのときはじめて知った。
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二十代後半になると生理痛はさらに重くなり、一日、二日横になることが多くなった。無理をすれば仕事ができないわけではないが、だいぶしんどい。検査をしてもらうが、子宮は綺麗で特に異状はないようだ。名前をつけるなら「月経困難症」だそうだ。
私の場合、当帰芍薬散という漢方薬はあまり効かず、低用量ピルを飲みはじめてから少しましになった。ピルを三週間服用して、そのあとの一週間は休薬する。水曜から飲みはじめると、四週目の金曜か土曜に生理が来る。ピルを服用しても生理痛はあったが、いわゆるPMS(月経前症候群)の憂鬱な気持ちは緩和したし、生理がいつ来るかわかるだけでもありがたかった。
ただ、低用量ピルには副反応や血栓症のリスクもあるため、手放しにはおすすめすることはできない。生理痛には別の病気が潜んでいる可能性もあるので、痛みに悩んでいる人はまずは婦人科に行ってほしい。
ピルの服用だけでなく生活習慣なども見直してみたが、生理痛はなくならなかった。婦人科の定期健診でも、異状はない。痛みをなくそうと思うのをやめて、痛みも自分の一部だと受け入れて付き合っていこうと決めたら、少しだけ気が楽になった。
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女性でもまったく生理痛がない人もいるし、私以上に日常生活を送るのが厳しくて、つらい思いをしている人もいるだろう。ほかの病気と違って、学校や会社に言いにくいのも困る。私は生理痛で会社を休むとき、いつも腹痛などとごまかして連絡をしている。鼻血を出したら心配してもらえるのに、股から血を出してもだれにも心配してもらえない。生理痛ごときで仕事を休むのは甘えだとみなされることもある。それが悲しいし、悔しい。
これは生理痛に限った話ではない。体調のすぐれない人にとって、もう少し優しい世界になってほしいと願うばかりだ。
自主制作本『湿っぽいエッセイも書きたい』に収録されている「生理痛はつらいよ」を加筆修正して掲載しました。
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