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【署名提出のご報告】― 市民が制度に刻んだ77,051の声と、その舞台裏 ―

2026年2月26日、朝倉マンション計画中止を求める署名について
皆様から寄せられた声を、正式に
福岡県議会へ請願書として、福岡県へ意見書として提出いたしました。

直筆署名 7,000名分
オンライン署名 52,483名(チェンジ)
オンライン署名 17,568名(ボイス)

総署名者数 77,051名

直筆署名の発起人・今村さんとともに、制度に則った正式な形で届けることができました。

まずは、ここまで支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。


市民が制度に刻むということ

署名を集めるのは簡単ではありません。

一人ひとり丁寧に説明し、
意思を預かる。
不安を受け止める。
断られることもある。

それでも名前を書いてくれた瞬間、
そこには確かな重みがあります。

でも、本当に難しいのはその“先”です。

多くの人が見落とすのは、

その署名を、誰が、誰と、いつ、どの形で、どこに出すのか。

ここです。


議会は「制度」で動くという現実を知ること

正直に言います。
署名を出すという行為は、簡単な話ではありません。

請願として出す場合、紹介議員が必要になります。
議会運営委員会で審査され、本会議に上がるかどうかが決まる。

仮に不採択になったとしても、
正式な形で署名が提出された事実は“公的記録”には残ります。

今回、私たちが最も大切にしていたのは、
市民が本気で動いたという証拠を残すことでした。

その事実が公式記録として刻まれる。
それが将来、再び問題が浮上したときの材料になります。

「ここの市民は何も言わなかった」

そう言わせないこと
ここに大きな意味があります。

一方で、陳情という形なら紹介議員は不要。
ただし扱いは請願より軽くなる場合が多い。

意見書の提出を求めるやり方もある。
資料として提出する方法もある。

つまり、

やり方は一つではない。

そして、その選択によって結果は変わります。

署名は思いの集合体です。
でも議会は制度の中でしか機能しないという現実。

この間にある見えない構造を理解しなければ、
どれだけ重い思いも、ただの紙の束になります。

署名は「集めればいい」わけではありません。

議員と話すときの緊張。
何度も説明し、理解を求める難しさ。
制度の壁にぶつかる現実。

実際にやってみて初めて分かる、
見えない葛藤がありました。


紹介議員との対話と現実

今回の請願にあたり、地元県議にも事前にご相談しました。
時間を取っていただき、一つひとつ経緯を説明しました。

しかし、議員は感情では動けません。

動きたくても、
制度の中でしか動けないからです。

朝倉マンション問題について
現時点で、事業者は県にも市にも正式な開発申請をしていません。

ホームページには
「一棟から建設する」と書かれている。

しかし、行政と事業者との間で正式な協議や申請はなく、
話は制度上、何も進んでいない状態です。

つまり、まだ“構想段階”

仮に海外業者が関与するとしても、
莫大な建設費がかかる現実があり、
実行可能性も不透明。

だから結論はシンプルでした。

開発許可申請が正式に出された時点でしか、制度上は動けない。

これが、議員の立場でした。
紹介議員をお願いするということは、
その議員に責任を背負ってもらうということ。

「お願いします」と言うだけでは進みません。

相手の立場を理解し、
制度の制約を理解し、
それでもどう進めるかを考える。

ここまで来るのに、対話と説明を何度も重ねてきました。
感情だけでは前に進まないことも理解しなければなりません。
それでも、住民の心情を親身に受け止めていただいたこと感謝しております。

紹介議員については、
日程や議会手続きの関係もあり、今回は別の形で進めることになりました。

最終的に、紹介議員としてご協力くださったのは吉松県議です。
住民の不安に真摯に耳を傾け、制度の枠組みの中で丁寧に対応してくださいました。

この場を借りて、心より感謝申し上げます。


ここから現実的な実務の話をします。

署名の宛先が複数ある場合、
提出先ごとにコピーを作らなければなりません。

議会用
行政用

オンライン署名でも、
最終的には紙で提出しなければならないことが多いです。

今回は、
福岡県議会に対して請願書。
(福岡県議会で紹介議員と一緒に提出)
福岡県に対しては意見書として提出しました。
(福岡県庁の県民相談室から提出可能)

福岡県の場合、
福岡県議会へ原本署名を提出し、
福岡県にはコピーを提出できました。

今回のオンライン署名は7万件以上あったので、
印刷だけで10時間以上かかりました。

正直、地味できつい実務ですが、
それをやらなければ制度には乗せられません。


さらに、現実的なお話です。

今回の署名提出にあたり、資料や署名用紙の印刷などで、インク代だけでも約3万円ほどの費用がかかっています。

町を守りたいという思いがあっても、こうした費用を一市民が個人で負担し続けるのは、正直なところ簡単なことではありません。

その中で、皆様からの寄付金を活用させていただけたことで、今回の活動をここまで継続することができました。

改めて、本当にありがとうございます。

皆様から寄せていただいた思いを大切にしながら、これからも一歩ずつ活動を続けていきたいと思います。


どうやって公開するのか

署名は提出して終わりではありません。

提出日に現地での取材協力を依頼しています。
第三者の目を入れ、事実として残すためです。

提出先・日時・受理状況を
記録として残しました。


もう一つの現実

この問題をきっかけに、
さまざまな憶測が広がりました。

その結果、

朝倉市議会議員や福岡県議会議員に対し、
事実とは異なる誤解が生まれ、
業務に支障が出ているという話も
直接、窓口の職員さんたちに聞きました。

それもまた、現実です。

私は、この出来事を通して
怒りではなく、理解を学びました。

それは、どこを軸に誠実に対応するのか。

・市民の声を守ること
・制度を無視しないこと
・政治を敵にしないこと

これまでの活動を無駄にしないために、
制度を理解した上で取捨選択する。

それは感情論ではなく、
現実的で合理的な判断だと思っています。


支えてくれたのは「信頼」でした

ここまで書いてきた実務や制度の話。

でも、正直に言えば、
これらは信頼がなければ一つも成り立たなかったと思っています。

署名に関わるさまざまな立場の方々。

議員さん。
市民の皆さん。
取材に来てくださった方。
紹介してくださった方。
直筆署名を集めてくださった方。

それぞれの立場に、それぞれの事情があります。

制度は構造で動きますが、
その構造の中で動くのは「人」です。

だからこそ、

どんな形であれ、
目の前の相手に誠実に向き合うこと。

立場を理解しようとすること。
感情で押し切らないこと。

その積み重ねが、少しずつ信頼になっていったのだと思います。


今回の取材も、
今村さんがこれまで積み重ねてきた信頼があって実現しました。

私一人の力ではありません。

この活動は、
「誰かを打ち負かす」ためのものではなく、
「信頼を積み重ねる」プロセスだったのだと、今は思います。

制度に刻まれたのは署名だけではありません。

市民同士の信頼。
議員との対話の記録。
地域の中で築かれた関係性。

それらもまた、目に見えない財産です。


これは「反対運動」だけの話ではない

今回の取り組みは、
朝倉マンション問題という具体的な課題から始まりました。

でも、本質はそこではありません。

署名という手段は、
何かを止めるためだけのものではない。

市民の声を行政に届け、形にしていくための正当な手段です。


声は、未来を設計できる

例えば、

子どもたちが安心して遊べる公園がほしい。
放課後に勉強できるスペースをつくりたい。
水や緑を守りたい。
通学路を安全にしたい。

こうした身近な疑問や願いも、
制度の中に乗せれば「要望」になります。

思いつきではなく、
文書として整理し、
議会に提出し、
議事録に残す。

それだけで、
ただの不満が「公式な議論の対象」に変わる。


市民が“試せる”ということ

私たちは、
行政に任せる存在ではありません。

制度の中で、
自分たちの意識で、
提案を“試す”ことができる。

採択されるかどうかは別問題。

でも、

声を制度に刻むことはできる。

それは、民主主義の基本であり、
小さい一歩でも強い力です。


見えない現実と向き合う意味

署名は、
怒りの道具ではありません。

社会と対話する手段です。

朝倉マンション問題も、
公園の話も、
教育の話も、

すべては同じ構造の中にあります。

見えない制度を理解し、
冷静に、粛々と、
声を形にしていく。

そのプロセスこそが、
地域を良くしていく為の大事な積み重ねだと思います。


最後に

託された署名を届けること。

それは一つの問題への対応であると同時に、
「市民がどう社会と向き合うか」という実験でもあります。

この記録が、
どこかの誰かの背中を押せたなら。

それだけで、意味があると思っています。


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