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「伊那移住」ヨガと田舎が教えてくれた「シン・豊かさ」 - 「消費する豊かさ」からの卒業

所有こそ、豊かさだった

私は生まれも育ちも、ずっと都会でした。

神戸と大阪のちょうど真ん中あたりで生まれ育ちました。
阪急も、JRも、新幹線も走っていて、空港も近くにあります。コンビニが近くにあるのはもちろん、自転車で10分も走れば、大型ショッピングモールがいくつもありました。学校には騒音対策でエアコンが完備されていて、季節を問わず快適なのが当たり前でした。

20代はインディーズバンドで活動していて、いつか名前が知られることが“成功”だと信じていました。

社会人になってからは、東京の優良企業に勤めることができ、キャリアを積み、値札を見ずに買い物し、毎月のようにレストランや旅行など刺激的な生活こそが“豊かさ”だと思っていました。

そんな私にとって、当時の田舎は「何もない」と思える場所でした。
自然の中で過ごすなんて退屈で仕方がない。便利な場所で、たくさんの選択肢から好きなものを選べることこそが、人生の成功だと感じていたのです。

交通網が充実して
簡単に街に繰り出せた地元

ヨガで気づけた「違和感と本当の感覚」

でも、大人になり、結婚して子どもを育て、そしてヨガと出会ったことで、その価値観が少しずつ変わっていきました。

ヨガは、ポーズの完成度を競うものではなく、「今この瞬間の自分の心や身体に、どれだけ丁寧に気づいていられるか」を大切にします。自分の呼吸のリズム、身体のこわばりや緩み、そして心のざわめきに気づくこと。

その練習を積み重ねるうちに、私はいつの間にか、今まで無意識に過ごしていた日常の中にも、違和感や本音を感じ取れるようになっていました。

たとえば、「成果を出さなければ存在価値がない」と思っていた自分。
たとえば、「便利で速いことが正義」と信じていたこと。
それが本当に自分の望みだったのか――ヨガが、静かに問い直してくれたのです。

そして感覚に敏感になるほど、都会の景色に息苦しさを感じるようになっていきました。

無機質で灰色で、どこかいつも忙しそうで。
仕事で結果を出すことに追われていた頃の私の心と、都会の風景が重なって見えるようになったのです。

現職のオフィスから。
右奥には富士山
反対方面に東京タワーとスカイツリー
都会の代名詞のような景色

コンクリートジャングルから抜け出して
「人間らしい生き方をしたい」と
願うようになりました。
手放すと上司に宣言した日の
祝福されたような夕焼け

伊那の田舎の景色に、わたしの本質が映った

一方で、伊那の田舎の景色は広くて明るく、鮮やかでした。
空が高く、山の稜線が美しく、風がやわらかく肌を撫でてくれます。
自然の中にいるだけで、胸の奥がふっとゆるみ、呼吸が深くなっていくのを感じました。

本来の私は、こんなふうに開放的で、自由で、色鮮やかな心を持っていたのではないか。そんなふうに思わせてくれるような風景が、伊那にはありました。

ヨガが内側の感覚を教えてくれて、田舎の暮らしがそれを外の世界でも体現させてくれる。外と内の豊かさがつながる感覚を持ちました。

空、山、土、草、水、光
自然の恵みに感謝するのでしょう
この景色に
深呼吸したくなるのでしょう
この夕陽を見ながら
今日も幸せだったなと思うのでしょう

私の シン・豊かさ

私の価値観は、今こうして少しずつ変化しています。

「はやさ、手軽さ、物を持つこと、消費すること、勝つこと」に価値を感じていた私が、今は、
「手間をかけて時間を味わい、自分で生み出し、与え合い、支え合うこと」に豊かさを感じています。

今、私が「豊かだな」と感じる瞬間

たとえば、広くて青い空の下、胸いっぱいに森の空気を吸い込むこと。
たとえば、朝ゆっくりお味噌汁をつくること。
たとえば、畑で土に触れて汗をかくこと。
たとえば、自分で干した野菜を「おいしいね」と食卓で囲むこと。
たとえば、採れすぎた野菜を「よかったら持っていって」とご近所に渡すこと。
たとえば、誰かと「大丈夫だよ」と声をかけ合える距離感があること。

それはすべて、消費では手に入らない「安心」や「信頼」、「ぬくもり」、といったものでした。ヨガマットの上で感じていた心の穏やかさや静けさが、暮らしと深くつながっていくことを感じます。

じぃじがサイフォンで淹れてくれたコーヒーと
ばぁばの手作りお菓子を
お庭でいただく
蕗味噌の焼きおにぎり
お庭のフキとばぁばが仕込んだお味噌
お庭でBBQ
ゆっくり火おこしして
畑で育てた野菜を焼いて
贅沢に時間を使う豊かさ



移住後の豊かさの第一歩は

もちろん、すぐにすべてを手放して田舎暮らしに切り替えるのは難しいかもしれません。
だからこそ、できるところから始めたいと思っています。

たとえば、同じような価値観を持つヨガ仲間と出会ってみること。
たとえば、小さな対面のヨガレッスンやお茶会を開いてみること。

そうしたささやかな一歩の中に、
これからの私が大切にしたい「本当の豊かさ」があると感じています。

「何もない」と思っていた場所には、
実は、「本当に大切なものだけがある」のかもしれません。

東京で築いた「友人以上」のヨガ仲間と。
伊那にも信頼をおける仲間ができますように。

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移住の理由

自己紹介
IT系ワーママ、ヨガの先生、ミュージシャン、絵本作家やってます


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