《葬送のフリーレン》ゼーリエの後継者(第15巻144話)

ネタバレには配慮していません。

『葬送のフリーレン』の原作マンガはまだ読んだことがないという方には原作マンガを、既に読んだことのある方にはある一つの視点からの再読をお勧めしています。その訳をこちらの記事で説明していますのでお読みください。


はじめに

私はゼーリエ暗殺計画の結果としてゼーリエが通常の意味で殺されて、物語から完全に退場してしまうとは考えていません。(具体的なことは想像できませんが「一時的退場」くらいに思っています)

理由としては、メタ的な観点もありますし(物語の焦点はゼーリエが予知夢で数え切れないほど見た確定した未来を弟子たちが「変えることができるかどうか」ではなくて、「どうやって変えるか」「変えた結果どうなるか」にあると思います。なぜなら「変えられなかった」という結末は肩透かしで面白くないからです)、非メタの作中の描写(伏線)から考えるならシュタルクの言っていた「天変地異」(第14巻130話)があります。(そのあたりは既にたくさん書いているので別記事参照)

ですので、ゼーリエの「死後の計画」(第15巻144話)のことはこれまで真剣に考えたことがなかったのですが、先日、ミリアルデのことや大魔法使い制度について考えて、コメント欄でもやりとりしているなかで気になり始めました。

※すみませんがミリアルデの生存や彼女とフリーレンとの再会、聖杖法院に関する考察等は別記事を参照ください。上部に表示されているnoteの検索欄で「ミリアルデ」を探すと出て来ます。

ゼーリエは誰を後継者に指名する?

ゼーリエの死後を考えた時に、いろいろと気になることはありますが、一番の関心事は大陸魔法協会をどうするかです。

ゼーリエは「帝国と大陸魔法協会、互いの利益を追求しよう」と言っていますから、自分の死後も協会は存続させる意向です。解散はありません。

ですから、「死後の計画」の内容の一つには「協会のトップを誰にするか」という後継者問題があって、ゼーリエの心の内では既に後継者が決まっているはずです。

このコマを思い出します。第15巻145話

ゼーリエは一級魔法使い達の協調性の無さを嘆いていますから、合議制の採用はないものと考えます。(第6巻57話)

そこで、ゼーリエの後継者を一級魔法使いから探してみると…

ファルシュは若手です。ゲナウ、ゼンゼ、リネアール(カノーネ)は中堅です。デンケンは帝国の宮廷魔法使いという立場上ないでしょう。

そうすると、一級魔法使い筆頭のレルネンです。実力・年次からも順当です。

ただ、レルネンには組織人としての適性はありません。意外と過激な危険人物のようです。(第9巻82話、第15巻140話)

最前列の目立つ所に出るタイプでもありません。組織のトップに立つよりは、トップを裏で支えるタイプです。(第9巻85話)

ですから、一級魔法使いからは適任が見つかりません。

そもそも、全知全能の女神様に最も近い存在であるゼーリエの後任が一級魔法使いでは格がちがいすぎます。せめて大魔法使いクラスでないと釣り合いが取れませんし、対外的にも対内的にも組織としての体面が保てません。やはり、ゼーリエあってこその協会なのです。この点は、帝国と協会とでは組織の性格が大きく異なります。(第15巻145話)

おそらく協会と対比してこういった描写をしているのだろうと思いました。

では、外部からでフリーレンは?となりますが…

フリーレンもまだ若いですし、大組織のトップになる器量はないでしょう。本人もそんなことは真っ平御免でしょうし、ゼーリエとしてもフリーレンの気持ちはわかっていて尊重するはずだと思います。そもそも、魂の眠る地オレオールを探す旅がありますし。

そうすると、ここでポッと新キャラが登場する可能性はかなり低いと思いますし(読者としては「誰これ?」となりますから)、私は読解・考察において新キャラ・新設定は使わない主義なので、既出のキャラクターから考えると…

ゼーリエの後継者は、ミーヌス亡き今、ミリアルデしかいません。

※ ここでは触れませんがゼーリエは協会を人間の組織にするつもりはないと思います。

帝国と協会の架け橋

ミリアルデの表の顔は世に知られた大魔法使いです。(「現存する三人の大魔法使い」、第14巻133話)

大魔法使いということは、つまりゼーリエの弟子です。(別記事参照)

そして、裏の顔は帝国の特務機関である聖杖法院のトップです。(第14巻128話)

この、ゼーリエの弟子であり、かつ、帝国の重要な地位にいるというミリアルデのポジションは、ゼーリエにとっても皇帝にとっても好都合です。

もともと、帝国と協会は友好条約を結ぶ手筈でした。

皇帝としては、ゼーリエが暗殺されれば帝国にとってもマイナスだと考えていますし、

協会との友好関係は帝国の存亡に直結するほどの重要な課題だと理解しています。

そこで帝国と縁の深いミリアルデがゼーリエの後継者となれば、帝国と協会の間に強固な関係が築かれることになりますから、渡りに船です。

ゼーリエとしては、自らの弟子とはいえ帝国で重要な地位にあるミリアルデを後継者にするためには、帝国に仁義を切っておく必要があるでしょう。これで帝国はゼーリエに恩を売ることもできます。

ですから、この取引は「互いの利益」にかなっています。「悪くない話」どころか、かなり良い話です。

予知夢内の情報交換の場でミリアルデをめぐって花一匁はないちもんめが行われたのではないか?と想像しています。

(補足)ミリアルデは名前を変えている

影なる戦士のシュリットは打ち合わせ(任務内容の最終確認)の場で「現存する三人の大魔法使い」について特に説明もなく、当然のこととして話題にしています。(第14巻133話)

そして誰も質問しません。この面子で最も世事に疎そうで、しかも、気になることがあればすぐに質問しそうなイーリスも食い付きません。

クレマティスはルティーネを「博識」(第14巻134話)と評していますから、イーリスとルティーネを一緒にするつもりは毛頭ないのですが、イーリスは自分とルティーネを一緒にしています。でも、ルティーネは黙っています。こういう所が可笑しくてイーリスとルティーネは好きです。

ですから、「現存する三人の大魔法使い」が誰なのかは、読者には知らされていませんが、作中の登場人物たちにとっては常識です。魔法使いなのに知らなかったらモグリです。

しかし、フェルンは「ミリアルデ」という名前に聞き覚えがないようです。(第8巻69話「皇帝酒」)

もし知っているなら、ミリアルデの碑文を読んだ際に「ミリアルデって、あの大魔法使いのミリアルデですか!?」となるはずだからです。(第8巻69話「皇帝酒」)

したがって、ミリアルデは名前を捨てていて、現在は別の名前で活動していると考えます。

「皇帝酒」でのフリーレンも「現存する三人の大魔法使い」とミリアルデを結び付けている様子はありません。

ですから、フリーレンもミリアルデが大魔法使いであることは知らないようです。

おわりに

以上のとおり、ゼーリエが後継者として心に決めているのはミリアルデだろうと考えます。

ただ、実際にミリアルデが協会トップの地位につくかどうかはわからないんですよね。

第145話〜第146話で「死後の計画」が大きく扱われていますから、この計画の少なくとも一部は実行されることになるのでしょう。そこはつまるところ、ゼーリエ暗殺計画の結果次第ですから、そちらを考えないことにはわかりません。

完全に代替わりするというより、一時的に代行する等では?と感じますが、どうでしょう?

最近は「皇帝酒」の放送を前にミリアルデの声優予想を見かけますね。結構な「大物」らしくて「一回限りのキャラに使う声優じゃないぞ?」と話題なようです。一回限りだから大物を使えるとも言えそうですが。私は声優には関心がなくて、名前は文字列として認識しています。それと結構ナイーブで、キャラクターの声を人が演じているとはあまり考えておらず、そのキャラクター自身の声だと思っている所があります。

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